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ドレンボルトのトルク・ボルトの締め方・サイズの違い

更新日:2024年11月21日

車両にとって重要なオイルですが、これはドレンボルトによって漏れないようになっています。他にも様々な用途があり、車両にとって欠かせない部品がドレンボルトです。あまり点検しない箇所であるため、劣化している可能性がありますので、この機会にぜひチェックしてみましょう!

ドレンボルトのトルク・ボルトの締め方・サイズの違い

ドレンボルトとは?

車やバイクには、ドレンボルトという部品があります。あまり耳馴染みがありませんが、こちらはオイルタンクの下部に付いているボルトを差します。各車両ごとに付いている位置は異なりますが、必ず付いている部品です。

どういった役目があるかと言えば、タンク内のオイルが漏れないように栓をする役目と、オイル交換の際、こちらを外すことで古いオイルが排出されます。

オイル交換はどんな車両でも定期的に行う必要があります。そのため、ドレンボルトがあることで、誰でも簡単にオイルの排出ができますのでメンテナンス性の良い作りになっています。

ネジ式になっていますのでしっかりと締めることができ、オイルが漏れずにエンジンやミッション内をくまなく潤滑しています。

今回は、ドレンボルトに関する詳しい内容をご紹介して参ります。これから初めてオイル交換をしようと検討している方には必見の内容ですので、ぜひ試してみてください。

エンジンオイルと関係がある

ドレンできるボルトというのは、エンジンオイルのタンクに付いています。おおむね、真下か横に付いています。

エンジンは専用のオイルを潤滑することで、エンジン内を綺麗に保ち、各金属パーツの循環をスムーズにしています。

オイルはとても高温になり、汚れが激しくなるため、定期的な交換が必須となります。新品のエンジンオイルは綺麗な透き通った色をしているものが多いですが、汚れてしまったオイルは真っ黒に変色しています。

これにはエンジン内の汚れや、カーボン、熱による劣化で真っ黒に変色していきます。汚れたオイルは性能も低下していますので、適切な機能を果たしていません。こうした時にオイル交換をするため、まずはドレンボルトを外すことで中のオイルを排出します。

ミッションオイルと関係がある

ミッションというギアが噛み合う部位にも専用のオイルが使われています。こちらも、エンジンオイルと同じように定期的な交換が必須です。

車両によっても、ドレンボルトの位置が異なりますし、ミッションケースには、それ以外にもいろいろなボルトが付いていますので、誤って違うドレン以外のボルトを外さないように気を付けましょう。

ドレンボルトの適切なトルクとは?

オイル交換をするべく、ドレンボルトを外し、新たなオイルを入れるのですが、その前にボルトを締めます。この時にトルクといって、ボルトを締める力が決まっています。

強すぎてもボルトをなめてしまったり、ケース側に亀裂が入り、修理が必要となってしまうことがあります。

反対にトルクが弱いとオイルが漏れてしまいます。そのため、メーカー指定のトルクという数値が定められています。

手作業で正確なトルクに合わせることは難しいですので、専用の「トルクレンチ」という工具を使います。これによりトルクが分かりやすく表示されますので、初めてのオイル交換でも安心して行えることでしょう。

仮にトルクレンチがない場合は、ボルトがしっかりと締められたと感じた所から、最後に1度キュッと締め込む程度の感覚でも代用できます。要するに、入れた「オイルが漏れなければ良い」ということが言えます。

適切な締め方とは?

ドレンのボルトを締めるには、トルクという適正力があることがご理解いただけたことでしょう。ですが、いきなりレンチなどの「工具を使ってボルトを締め込んでいくやり方」はしません。

なぜなら、ボルトとケース側のネジ山が合わないまま、強引に締め込んでしまうことがあるためです。

ネジ山が壊れてしまうと、ケースの修理や交換が必要となり、多額の費用がかかってしまうことが多いです。そうならないようなやり方がありますので、ご紹介いたしましょう。

まずは手でボルトを入れましょう。これにより、ネジ山が合わないということがありませんので、そのまま手で締め込んでいきます。

「これ以上手では締められない」という段階まで手で締め込みましょう。手の力では、いくら力んでもケース側を壊してしまうことはありません。また、ネジ山も壊れることはありませんので、しっかりと奥まで締め込みましょう。

専用の工具を使うと作業が簡単なの?

手で締められるところまで締めて完了ではありません。そのままでは締め込みが緩く、オイルを入れても漏れてしまいます。

ですので、ソケットとラチェットを使い、さらに締め込んでいきましょう。この場合、ボルトのサイズと合ったソケットを使います。

そして、ラチェットで本締めをします。この際に、先のようなトルクを意識することで、よりしっかりと締め込むことができますのでです。

適度な力で締め込めば、ドレンボルトとしての役割を果たせますので完了です。早速、新しいオイルを入れてみましょう。

しばらく時間経過した後、ドレンボルト周りを確認してオイルが滲んでいたり、漏れていなければ作業の完了です。

ボルトをなめてしまったらどうなるの?

ドレンボルトは狭い箇所にある車両が多いため、工具が入りづらく、やりにくい場合があります。こうした時、手探りでの作業となりますが、慎重な作業をしないとボルトをなめてしまうことがあります。

なめてしまうということは、力が真っ直ぐ適切に伝わらず、斜めになったまま締め込でしまい、ボルトの頭の角を摩耗させてしまうことがあります。

これが、いわゆる「なめる」という症状です。こうした場合、症状が小さければ問題なく作業が継続できますが、症状が大きくて完全にドレンボルトの頭の角が丸まってしまうと再度工具での作業が行えません。

ですが、そのままではボルトを締めることも緩めることもできません。なめてしまったボルトでも回せる専用の工具もありますので、そうした便利なものを使ってみてください。

修理したりジャッキを使うことで改善する!

ドレンボルトをなめてしまい、どうしても緩めることができないことがあります。こうした場合、修理が必要となります。

DIYで行うのが難しい作業ですので、ショップに依頼することが最善です。無理な力を加えてしまい、ケース側に損傷を与えてしまうと余計な費用がかかってしまいます。

強引な作業をしてしまい、その結果ケースを壊して「新品ケースと交換」という事例も多々あります。

やはり、なめてしまったボルトは早目の交換・修理が大事です。そして、修理が完了したならば、次からはなめないように工具をしっかりと使いこなせるようにしておきましょう。

そのためには、車両を「ジャッキアップしてから作業を行う」という方法もあります。こうしたやり方をすれば、ドレンボルトをしっかりと目視しながら的確な作業ができますので、とてもです。ぜひ、ジャッキアップをしてからドレンボルトを外してみてください。

ドレンボルトのサイズは多様にあるの?

ドレンボルトには多様なサイズがあります。車両によって、太さ・長さが異なりますので、適正に合ったものを選んで使いましょう。

サイズが合っていないボルトを無理やり使ってしまうと、ネジ山を壊してしまいます。そして、日本車と外国車ではボルトの寸法が異なります。

アメリカ製の車両であれば、ボルトのサイズは全て「インチサイズ」のものが使われています。日本車であれば、全て「ミリサイズ」で表されています。

インチサイズですと「1/2」や「9/16」といった分数で表してありますが、ミリサイズですと「12」や「17」といった「㎜」のサイズで表しています。

サイズを間違えると壊れるの?

インチサイズとミリサイズでも比較的似たような大きさのボルトがあります。初めは見分けがつかず、無理やり使ってしまうことがあります。

ですが、こういった際にネジ山が壊れることがあります。ドレンボルトは2つのサイズ表記があり、先にご紹介したサイズはボルトの頭のサイズです。

もう1つはネジ山のサイズがあります。こちらは、ネジ山の幅、太さなどです。ですので、ネジ山のサイズが合っていなければ、当然ケース側へスムーズに締め込むことができません。

やはり、強引に締め込んでしまうことで、大きな修理費用が必要となってしまいます。ドレンボルトを新調する場合、しっかりと2つのサイズが合致しているかの確認をしてから使いましょう。もし、詳しいサイズがわからなければ、ショップやメーカーまで問い合わせてみましょう。

ボルトに最適な潤滑剤とは?

ドレンボルトは狭くて「手が入りにくい箇所にある車両が多い」です。また、新しいボルトの交換する場合、ネジ山の角が立ちすぎていて入りにくい状況があります。

こうした場合、入りやすくするために使うケミカル品があります。ワコーズ製のメンテルブ」という製品がです。

こちらは、1缶約1,700円と高額なケミカル品ですが、とても高性能な製品です。スプレータイプの潤滑剤ですので、こうしたものをドレンボルトのネジ山に少しスプレーするだけで、とてもスムーズに締め込むことができるようになります。

マグネットボルトを使うと効果が高いの?

ドレンボルトは金属製で、中には「マグネット」が付いたボルトもあります。どういう役目があるのかと言えば、オイルに混在してしまった鉄粉を吸着する役目があります。

エンジンやミッションのオイルは、可動するたびに中の金属パーツ同士が噛み合うため、細かな鉄粉を生じています。これは、機構上仕方のないことなのですが、量によっては車両へ悪影響を及ぼしてしまいます。

悪影響が起こらないようにするため、ドレンボルトにマグネットを付けることで循環しているオイルの中の鉄粉を吸着します。とても効果的なパーツですので、車両に合うものがあれば、ぜひ使うことをいたします。

鉄粉が悪影響を及ぼすの?

オイル交換をする時に、オイル処理をする箱などに排出することが多いですが、この際に排出したオイルを確認しておきましょう。

たとえば、黒いオイルの中にキラキラとしたものが見える場合、鉄粉の混在があります。特に新車で購入した車両の場合は「慣らし運転」といって、内部の金属パーツ同士がまだ馴染んでおらず、初めのオイル交換では多量の鉄粉が排出されます。

そのため、事前にマグネット付きのドレンボルトを装備しておくことで、とても効果が大きくなりますのでです。

ドレンボルトにオイル漏れ防止パーツとは?

ドレンボルトは単体で使用することはありません。多くのネジには「ワッシャー」という丸い輪っか状の金属パーツを挟んでからボルトを締め込みます。

これには、緩み防止や接合部との隙間を無くすことで、オイル漏れを阻止するという役目があります。オイル交換をするたびに新しいものと交換することが基本の作業です。

一度使われたワッシャーは強い力で締め込まれていますので、本来の性能を十分に発揮するこができないことが多いです。

1つ数十円から100円程度のパーツですので、予備を持っておけば、常に新しいワッシャーと交換できますので、ぜひ準備をしておきましょう。

ドレンボルトからのオイル漏れの原因とは?

ドレンボルトは手動で締め込みますので、どうしても隙間からオイルが漏れてしまうことがあります。多少のオイル漏れであれば、再度ボルトを締め込むことで改善されることがあります。

ですが、オイル漏れが多量である場合、中の「オイルが全て抜けてしまう」という最悪の状況も起こります。そうなると、車両には大きな悪影響を与えてしまい、最悪ではエンジン・ミッションの故障ということにも繋がります。

ガスケットとドレンボルトを新調すれば調子が良くなる!

オイル漏れの要因として、他にも症状があります。それは、ガスケットというオイルタンクを密閉しているガスケットの劣化で、その隙間からオイルが漏れてしまうことがあります。

こちらも多少の滲みであれば走行には問題ありませんが、多量の漏れとなってくると修理が必須です。ただこうした状況では、ガスケットを交換するしか方法がありません。

ケースを降ろして分解して新しいガスケットを組み込み、再度車両に積む必要がありますので、この時にドレンボルトのネジ山が損傷していれば併せて修理してしまいましょう。

点検をしていればトラブルがなくなる!

オイル交換の際に扱うドレンボルトですが、上記のような用途と方法があります。車両にとって、各オイルはとても重要で必要不可欠な潤滑剤です。

そして、オイルが適切に潤滑されるためにも必要なパーツです。とても小さなボルトですが、これ1つないだけで車両は走行できません。

時折、オイルタンク内を確認してオイルが極端に減っているようでしたら、ドレンからのオイル漏れを検査してみましょう。振動が大きな車両の場合、緩んでしまい、オイルが漏れていることがあります。

走行中にボルトが外れてしまうと、オイルを飛散してしまうため、とても危険です。公道にオイルを飛散させてしまうと、周囲の車両へも多大な迷惑となりますので、ぜひこの機会にドレンボルトをチェックしてみましょう。

初回公開日:2018年02月06日

記載されている内容は2018年02月06日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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