Search

検索したいワードを入力してください

アイスバーンの運転の注意点・チェーンと効果

更新日:2024年06月16日

アイスバーンを運転したことが無ければその怖さは全く理解できないでしょう。しかし車の運転を寒い場所では絶対にしないと考えている人以外は、アイスバーンに遭遇する可能性はあります。そこで今回はアイスバーンの運転の注意点とタイヤチェーンについてご説明していきます。

アイスバーンの運転の注意点・チェーンと効果

アイスバーンとは

アイスバーンという言葉は教習所で聞いた事はあるけど実際にアイスバーンに遭遇したことが無い人も多いのではないでしょうか。しかし車を運転していれば、寒い地域に運転して行く可能性はゼロではないでしょう。

アイスバーンとは、凍結した路面の事です。どういった場所がアイスバーンになるかというと、一番危険な場所は橋の上です。橋は中に浮いているので吹きさらしにより、路面が濡れていると非常に凍結しやすくなります。

その他には、雪が降って日中気温が上がり雪解けが進むと雪解け水が道路を濡らします。日が沈み氷点下になると路面が凍結しアイスバーンとなります。また日中日陰になる場所も危険でしょう。

アイスバーンは豪雪地帯ではあまり見る事はありません。それは豪雪地帯は意外にも気温がそれほど下がらないからです。どちらかというと太平洋側の標高の高い場所がアイスバーンになりやすいと言えます。

アイスバーンの運転の注意点

アイスバーンは凍った路面ですから、路面の状態によってはまるでスケートリンクのようにつるつるになった路面になっている場合もあります。例えば歩くときに、雪道を歩くより凍った道を歩くときのほうが滑って転ばないように神経を使いますが、それは車でも同じことです。

まずは路面がアイスバーンになっているかどうか、見極める必要があります。最近は塩カルを路面に撒くので路面が黒くなっており、路面が凍っているか凍っていないかウインドウ越しでは見分けがつけにくくなってしまいました。そこで路面が黒く濡れたようになっている時には、ゆっくりと走行し、窓を開けて路面からの水跳ね音が聞こえるか確認します。

路面から水跳ね音が聞こえない場合は凍結しています。この時に低速で走行し、周りの安全を確認してから、ABSがどの程度効くのか急ブレーキを試して制動の確認をするのが良いでしょう。

坂道

坂道がアイスバーンになっている場合、上り坂より下り坂が非常に危険です。アイスバーンではタイヤを路面に食いつかせることが困難ですから、思うように運転の操作ができません。

上り坂がアイスバーンの場合は、坂道の途中で停車しないことが鉄則になります。坂道の途中で停車すれば車を再び動かすことは非常に困難となり、最悪は坂を自然に滑り落ちてしまう事もあります。信号機が坂の途中や頂上付近にある場合、赤信号なら坂に差し掛かる手前で止まって青信号に変わるのを待つのがよいでしょう。

坂を上る時には低いギアで一定のアクセル開度で上ります。不用意にアクセルを吹かせばタイヤは空転してしまい最悪はスピンをしてしまうでしょう。

下り坂では、下り坂に差し掛かる前に十分スピードを落とし、セカンドやローギアを使いフットブレーキを軽く踏みつつ下ります。ハンドルは軽く添えるだけで曲がる時っも静かにハンドルを回しましょう。

ブレーキの踏み方

乾いた路面とアイスバーンではブレーキのかけ方は違います。しかし最近のABS装着車は非常に良くできているので、アイスバーンのような低μ路でもブレーキを踏みながらハンドルを切ってもその方向に曲がることができます。

しかしアイスバーンでABSの恩恵を受けられるのはブレーキを踏んでハンドルさばきで危険回避をする場合です。しかも10km/h以下ではABSは作動しません。それは完全停車させるにはタイヤは止まっている、つまりロック状態ですから、止まっている時にABSが作動しては不都合だから10km/h以下では作動しないようになっています。

アイスバーンのような路面では速度が低いのでABSが作動しない事があります。アイスバーンを低速で走っている時には、ブレーキはロックさせることです。ポンピングブレーキは制動中にハンドル操作をするには良い方法ですが、低速時に緊急停車させる場合は強く踏む事です。

アクセルの踏み方

アクセルを踏まなければ車は走らせることはできませんが、停車時から車を発進させる場合、乾いた路面のようなアクセル操作ではタイヤは空転して進むことができません。

アイスバーンでは、平坦路でもゆっくりとしたアクセル操作が必要になります。マニュアル車ではセカンドギアから発進する事でタイヤに過剰なトルクを与える事が避けられるので、ゆっくりとした発進ができます。

最近の車にはトラクションコントロールが付いているので、発進時にタイヤの空転を検知すると、それ以上空転しないように制御が入る仕組みになっています。トラクションコントロールが装着されている車は意外にすんなりと発進ができるのはそのためです。

走行中のアクセル操作は、はれ物に触るようにふんわりと踏むことが大切です。ギアは一段低いギアを選択し、一定のアクセルの踏み方で走行するとよいでしょう。

カーブの曲がり方

連続するアイスバーンでカーブに侵入する際は、カーブの手前から速度は控えめで走行していますから、急ハンドルを切らなければ車は曲がっていくでしょう。しかしハンドルを切っても曲がらないからと、ハンドルをくるくる回してしまうと、車の前輪が進行方向に対して抵抗を食うだけで、ハンドルを切った方向に進むことができません。

アイスバーンのカーブを曲がる場合は、路肩にある雪の中に片側のタイヤを入れて進むと雪を掴んでくれるので、グリップが発生してカーブを曲がりやすくなります。

雪道では道路状況が刻々と変化をしますから、スピードを控えめにして走行する事が重要です。直線時にアイスバーンでなくてもカーブが橋の場合、橋の上がアイスバーンになっている確率が非常に高く、直線で十分にスピードを落としてカーブに進入する必要があります。

アイスバーンでの速度

アイスバーンを走行する時の速度は、直ぐに止まれる速度で走る事です。速度が速くなればなるほど路面が凍結していれば、車は制御不能となりドライバーの意思に反する動きをします。

アイスバーンの中には、ブラックアイスバーンやミラーアイスバーンといったアイスバーンがあります。ミラーアイスバーンは、圧雪路面がスタッドレスタイヤで通過する車により、鏡面圧雪になった路面です。ブラックアイスバーンとは路面の表面に薄い氷ができた状態のことです。いずれの場合も、通過速度は20km/h以下で慎重に走行することが重要です。

アイスバーンにチェーン

アイスバーンでは、たとえスタッドレスタイヤでも滑って上手く走行する事は難しいです。そこでチェーンを装着して走行する事を勧めます。

タイヤチェーンには昔からある金属チェーンも今では装着方法が簡単になり、説明書を読み進めば、誰でも装着することができるでしょう。この他にも非金属チェーンと呼ばれるラバータイプの物や、布製であったりタイヤにスプレーを吹き付けるタイプなど色んな種類のチェーンが販売されています。

金属チェーンと非金属チェーン



金属チェーンのメリットは、アイスバーンの性能が非常に高い事です。その他、非金属チェーンのラバータイプに比べ値段が安いことでしょう。金属チェーンにはワンタッチで取り付けられるチェーンも販売され小さく収納できるので便利です。

デメリットは使用後に手入れをしないと錆びて次回使うときに切れてしまう可能性があることと、乗り心地が悪い点です。またスピードも30km/h以上出すとチェーンが切れる恐れがあります。

非金属チェーンといえばラバータイプが多く販売されていて、雪道では素晴らしい性能を発揮しますが、アイスバーンでは金属チェーンに一歩およびません。しかし乗り心地は金属チェーンより振動が少なく、金属チェーンに比べスピードを50km/hぐらいまで出せるので高速道路のチェーン規制でも問題なく使えるでしょう。

滑らない?

雪道やアイスバーンは非常に滑りやすいので、滑らないためにはタイヤチェーンが効果的です。ノーマルタイヤでも駆動輪に装着すれば、難なくアイスバーンを大きく滑ることなく走らせることができます。

たまにしか雪道やアイスバーンを走ることがなく、生活圏でも夏用タイヤで1年中過ごしている方にはチェーンは便利でしょう。

雪国や標高の高い場所にお住まいの方で、冬にはスタッドレスで過ごされる方も、大雪やアイスバーンを走る場合にタイヤチェーンを併用すればより安全に走行することができます。

アイスバーンのチェーンの効果

昔は冬の圧雪道路やアイスバーンとなった道路を走るために、スパイクタイヤが販売されていました。しかしスパイクが道路を削り、粉塵郊外を引き起こしたので販売中止になり、今のスタッドレスタイヤが生まれました。

樹脂製のタイヤチェーンは昔のスパイクタイヤと同じようなピンを打ってあるのに加え樹脂の交差が上手く氷をひっかき滑り止めとなっています。

タイヤチェーンはまるでキャタピラーを装着しているのと同じと考えればわかりやすいでしょう。金属チェーンでも非金属チェーンでも氷に食い込みタイヤの空転や滑りを止める役目があるので、アイスバーンには効果が非常に高いでしょう。

アイスバーン対策

アイスバーンに遭遇した時の対策は、タイヤチェーンの装着です。これに勝る物はないでしょう。ただし布製やスプレーチェーンは使い物にならないので、必ず金属チェーンもしくは非金属チェーンの装着をする必要があります。

スタッドレスタイヤでタイヤチェーンが無い場合の対策としては、アイスバーンでは徐行することと、道路の端に雪があればそこを走ることでタイヤは路面を掴んで走る事ができます。

しかし知らない道では、端に側溝があることに気が付かないことがあるので、むやみに端を走る事を避けた方が良いでしょう。その他、対向車が無ければセンター付近を走ったりしますが、対向車があり道も知らない場合は、最徐行でアイスバーンをやり過ごすしかありません。

このことから、アイスバーンの最善の対策はタイヤチェーンがやはり一番効果的といえるでしょう。

滑り出した場合の対処法

アイスバーンで車が意図しない方向に動いてしまった時、パニックに陥ってハンドルをむやみに回したりブレーキを強く踏んでは危険です。

アイスバーンを走行する時にはゆっくりとしたスピードで走行しますので、車が滑った場合でも動きは非常にゆっくりとした動きになります。体の感覚を研ぎ澄ませて車の動きに逆らわらないように運転をします。

カーブで車のお尻が外に振り出した場合は、ハンドルをカーブと反対に切る逆ハンドルが有効になります。あまり大きく切り過ぎると車のグリップが回復した場合、今度はフロントタイヤの向いている方向に車が動き出し収拾がつかなくなります。

アイスバーンでは車の動きが遅いので、ゆっくりと逆ハンドルを少し当て、車が姿勢を戻して来たらハンドルから力を抜いて自然にハンドルが戻ろうとする力で進むことが重要になります。アイスバーンでは車の動きに逆らわないように運転する事が重要になるでしょう。

アイスバーンにタイヤ

アイスバーンに限らず冬の寒い地方の道路ではスタッドレスタイヤを履きましょう。タイヤの中にはオールシーズンタイヤもあり、多少の降雪には対応できますが、アイスバーンでは非常に危険です。

しかし、スタッドレスタイヤでも油断は禁物です。アイスバーンではスタッドレスタイヤといえども非常に滑りやすい路面ですから慎重な運転が必要になります。

スタッドレスタイヤで大丈夫?

アイスバーンはどんなタイヤでも滑りやすい状態なので、スタッドレスタイヤだからといって決して過信してはいけません。スタッドレスタイヤには寿命もあり、通常3シーズン使用すれば、新しいスタッドレスタイヤに交換したほうが良いでしょう。

スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べてゴム質が非常に柔らかくできています。この柔らかさのおかげでアイスバーンでも氷を掴みグリップをしますが、保管方法の仕方が悪いとゴム質が硬くなり、スタッドレスとしての機能を得られません。

またタイヤの50%ほど摩耗するとスタッドレスタイヤとしての機能が無くなりますから、タイヤのすり減りにも注意が必要です。摩耗したり劣化したスタッドレスタイヤで、一番滑ると言われるブラックアイスバーンに出くわしたなら、非常に危険なことになります。

ノーマルタイヤは大丈夫か

ノーマルタイヤでアイスバーンを走ることなど論外です。どんな路面でも平坦であれば走り出すことはできるでしょう。しかし止まれないことが一番の危険なことです。

ノーマルタイヤのまま、都会から寒い地域に走ってくる人たちがいますが、途中に雪が無くてもいつ雪が降るかわかりません。また路面凍結も日影などでは所々見かけるのが寒い地域です。

ノーマルタイヤで何とかなると考えているのでしょうが、雪道やアイスバーンでノーマルタイヤでは何とかなりません。自分だけ事故を起こすのなら自己責任ですが、他人を巻き込む可能性が非常に高い事を考えて行動しなければ人生を棒に振る事になります。

またノーマルタイヤは、タイヤのコンパウンドが硬い所に加え、寒さで硬さが増し、乾燥路面でもいつものような制動距離が得られない事も理解しなければならないでしょう。

アイスバーンは慎重になり過ぎで丁度よい

今回はアイスバーンでの運転の注意について解説してきました。雪道より滑るアイスバーンでは細心の注意を払い運転を行わなければならないことがご理解いただけたでしょう。

アイスバーンではスタッドレスタイヤでも滑りますから、タイヤチェーンを早めに装着する事を勧めます。3月といえば桜の便りが聞こえてくる時期ですが、寒冷地では4月中旬でも朝晩の気温がマイナスになる事が多くあります。

これから日中は暖かくなってきますが、雪解けの水が朝晩に凍結する非常に危険な状態になる時期でもありますから、過信せずに道路が凍結しているとわかったら、いつでも止まれるように安全運転を心がけましょう。

初回公開日:2018年03月07日

記載されている内容は2018年03月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

Related