車のディーラーの仕事内容・年収・求人の探し方・休みはあるのか
更新日:2024年11月02日
車のディーラーの年収・給料はいくらぐらい?
車を購入したり、メンテナンスに訪れたり、新型車が発表になればちょっと試乗したりと、車好きの方なら頻繁に訪れるのが自動車ディーラーです。でも、自動車の販売以外にどんな仕事をしているのかは意外と分からないことが多いです。そこで今日はそんな自動車ディーラーの仕事・年収・休暇などをご紹介していきます。
自動車ディーラーってどんな仕事?
自動車の販売と修理・メンテナンスくらいしか浮かんできませんが、自動車ディーラーは車に係わる仕事を幅広く行っています。
販売
自動車ディーラーの収入のメインとなる販売を行う営業マンには、当然ノルマが課せられます。車両の販売のみならず、付随する保険獲得、ローン獲得、すべてノルマです。
新規販売
自動車ディーラーの花形です。新型車が発売された時やモデルチェンジになった時は、今まで他メーカーの車に乗っていた人も大勢来店するビックチャンスです。
ショールームを訪れた新規客は、店長やマネージャーから各営業マンに振り分けられ接客します。車種の説明をしつつお客様の家族構成やニーズを聞き出し、いかにお客様にピッタリの車なのかをアピールします。自動車ディーラーを訪れる人は大抵競合で別の車を考えていて、他のディーラーも回るつもりでいますから、ライバル車種の知識は必須です。
ここで自社の車ばかりアピールしているとお客様は引いてしまいますから、ライバル車のことも含めた車談議で盛り上がるのがポイントです。試乗をすすめてお客様が盛り上がっているようなら今乗っている車を査定し、見積もりを提案後、クロージングします。
買い替え
新規販売に比べると地味ですが、実は販売の主力がこの買い替えです。大抵のお客様はその自動車メーカーを気に入っていることが多いので、次もまたそのメーカーの自動車を購入する確率が高くなります。
そんな既存顧客の買い替えサインを見落とさないためには、こまめなコミュニケーションが欠かせません。新型車の発売時やモデルチェンジ時などにはDMを出し、試乗車に乗って自宅を訪問したりもします。
なかでもビックチャンスは車検の時です。車検は結構な費用が掛かるので、「それなら、いっそのこと買い替えようか」となることが多くなります。ここで大切なのがサービスマンや整備士との連携です。お客様からの不具合報告や不満、また車自体の劣化などが分かりますから、教えてもらえればスムースな買い替え提案になります。
下取り査定
初めて車を購入するというお客様もいますが、ほとんどの方は既に自動車に乗っています。最近は買い取り専門店も多くなっていますが、主流はやはり自動車ディーラーでの下取りです。新車の値引き額には限りがあるため、この下取り額を相場より高く査定し、実質的な支払額を低くするという「隠し値引き」の役割もあります。
ディーラーを訪れたお客様に「参考になりますから、とりあえず下取り査定だけでもやっておきましょうか」と査定をすすめ、買い替えに持ち込むのはディーラーマンの常套手段です。ただ傷や事故歴を見逃してしまうと大損をしてしまうため、かなりの経験が必要とされます。
自動車保険の勧誘
最近はネットなどから加入するダイレクト型保険が主流になりつつありますが、自動車ディーラーで保険に加入するのにもメリットがあります。それは事故などの時にディーラーにさえ連絡すればワンストップで修理まで済んでしまうことです。保険会社への連絡など面倒なことはすべて自動車ディーラーがやってくれます。
一方自動車ディーラー側にもメリットがあります。連絡があればお客様とコンタクトを取ることができますし、「修理するくらいなら買い替えようか。」などと買い替え需要につながることもあるからです。
登録作業
新車登録
実は自分で新車登録をすることも可能なのですが、99%の方は自動車ディーラーにお任せのはずです。お客様から必要書類(印鑑証明書や住民票など)を預かって車庫証明申請なども代行します(車庫証明書はお客様の地元の警察署が発行するので自動車ディーラーマンはやたらと警察署の場所に詳しいです)。
登録自体は書類のやり取りで済むので、実際に陸運支局に行くことはほとんどありません。
所有者変更
自動車をローンで購入すると所有権留保といって、ローンを払い終わるまでは所有権をローン会社や自動車ディーラーに設定することがよくあります。そのためローンが終了したときは本来の所有者に変更します。また下取りした車も他ディーラーが所有者だったりした場合、所有者変更をします。お客様からは登録の時と同じく必要書類をお預かりします。
ナンバー変更
「子供が生まれたので誕生日のナンバーに変えたい」、また最近ですと「東京オリンピックの記念ナンバープレートへの変更」といったニーズもあります。やはりお客様から必要書類をお預かりして手続きを代行します。
アフターサービス
自動車ディーラーのサービス部門のメインとなる収入源です。また販売部門としても買い替え需要の喚起など、重要なポイントとなる業務です。そのため車検・定期点検の入庫率には当然のようにノルマが設定されます。
車検・定期点検
ディーラーにしか置いていない自動車診断チェッカーなどもあるので、自動車ディーラーでの車検・定期点検がやはり安心ですが、格安の車検代行業者も存在します。そこで車検・点検の数か月前になるとDMを出し、入庫をすすめます。入庫時にはお客様から不具合や不満点をヒアリングし、買い替えにつながりそうなら販売部門にバトンタッチします。
修理
事故の場合はお客様や保険会社と連絡を取りつつ作業を進めます。故障の場合は自社の不具合の場合もあるので慎重に対応し、買い替え需要につながりそうなら販売部門に知らせます。
鍵紛失
JAFや自動車保険会社が対応することが多いケースですが、お客様としては一番身近な自動車ディーラーに連絡することも少なくありません。スペアキーを用意したり代車を用意したりして、お客様の元まで駆け付けます。
日常業務
客に手紙やDMを出したり、お宅を訪問することの他、試乗車やお客様の車の洗車なども日々の重要な仕事です。車検・定期点検・修理の際の車の引き取り、納車、また休日にお客様と接待ゴルフといったこともあります。
自動車ディーラーの年収・給料事情
自動車ディーラーの年収はいくらなのでしょうか。給料事情を解説します。
営業マン
ベースとなる基本給+売り上げ台数による歩合給=月給となります。年収ベースで言うと国産メーカが500万円前後、輸入車メーカーが600万~800万が平均的です。輸入車メーカーの方が高額なのはベースの基本給が高いということもあるのですが、歩合給が高いことが大きいです。
というのは歩合給の元は車の販売費ですが、1台200万円の車と800万円の車では当然後者の方が販売費を多くとることができます。つまり歩合給も高くなります。高級車の多い輸入車ディーラーは自ずと高給になります。また、年間100台近く販売する営業マンになると年収1000万円越えという人もいます。
サービスマン・整備士
サービスマンや整備士の場合は基本給+残業代+資格手当=月給となります。
資格手当というのは取得している資格(1級整備士、2級整備士など)によってかわります。年収ベースで言うと450万円くらいになります。営業マンより低いですが、営業はお客様に深夜までお付き合いしても残業代が出ることもなく、またキツイ販売ノルマ、お客様からのクレームなどを直接受けるので、多少上乗せされています。
営業事務
自動車ディーラーの登録作業などをする営業事務の人の多くは契約社員です。したがって基本給がメインであり、年収ベースで250万円くらいが平均となります。
自動車ディーラーに休みはあるの?
たくさんのお客様が訪れる土日は自動車ディーラーにとって大切な時。休むわけにはいきません。したがって必然的に平日休みとなります。最近では月曜日~水曜日に定休日を設定する自動車ディーラーが多く、それにプラスしてシフトで週一の休みをとります。
月間8日間休むといったケースが一般的です。さらにゴールデンウィークや夏季、年末年始などは連休になることが多く、年間休日は110日~120日程度となります。年次有給休暇、特別休暇(慶弔休暇、産前産後休暇、育児休業、介護休業など)などは一般の会社員の方と変わりません。
自動車のディーラーってどうすれば就職できるの?
どうやったら自動車ディーラーに就職できるのでしょうか。
新卒
自動車ディーラーの営業マンの場合、実は新卒はあまり喜ばれません。というのも自動車は高級な商品ですから、あまり若い人が販売していても重みがないし、説得力がありません。特に現代の若者は車離れが顕著で、そもそも免許を取って運転している期間が短いですから、お客様と車談義で盛り上がるといったことも難しいのが実情です。
一方サービスマン・整備士は学校を卒業して資格を持っていれば即戦力ですから、各自動車ディーラーとも新卒の求人を出しています。学校経由で決まることがほとんどです。
中途採用
車好きの人が様々な職業を経て人生経験を積み、豊富な話題とコミュニケーション能力を発揮する。こんな人物が自動車ディーラーの営業マンの理想です。そのためいわゆる営業エージェント系の会社には常に自動車ディーラーからの求人が入っています。
その他紹介で入社、採用されることもかなりあります。というのは自動車ディーラーの世界は結構狭く、他のメーカーの営業マンであってもクラスの販売実績があるとかなり噂になります。また同じメーカーの営業マンなら試乗会やメーカーの研修で顔見知りのことも多いので、必然的にスカウトや紹介が増えます。
サービスマン・整備士の場合は中途採用も有望です。腕が確かなメカニックはそれだけで噂になりスカウトも多いですし、整備士仲間は「同じ釜の飯を食った仲」という意識が強いので紹介も多いです。
自動車ディーラーの仕事は?
販売や点検のノルマはきついし、土日祝日は冠婚葬祭でもない限り休めません。またライバルの自動車ディーラーも多いですから、簡単に自動車が売れるわけではありません。
ただ車好きのお客様と車の話で盛り上がり、一緒に試乗をして成約していただく。そしてそのお客様に子供が生まれ、成長していった時には車の買換えの相談にのる。そんな車を通してお客様と一生のお付き合いができるのは自動車ディーラーという仕事の喜びです。「車と人が大好き!」という方に仕事と言えるでしょう。
初回公開日:2018年05月20日
記載されている内容は2018年05月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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