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トルクが大きい車3・アップする方法

更新日:2024年11月05日

自動車のトルクとは何でしょう。また馬力という言葉もありますが、トルクと馬力は異なるものです。トルクが大きいことは、自動車にとっては何が良いのでしょうか。そしてトルクをアップさせるには、どんな方法があるのでしょう。疑問だらけのトルクに関するお話です。

トルクが大きい車3・アップする方法

トルクが大きい3

トルクを知る前に、まずはエンジンサイズクラスを考慮して日本車限定のカタログスペックから、とにかくトルクが大きい自動車3を選んでみました。

特別賞(軽自動車クラス)

特別賞として、軽自動車クラスならコペン(ダイハツ)L880K型(写真上)のその最大トルクが110Nmです。659㏄排気量ながらも直列4気筒ターボエンジンを搭載した二人乗りのオープンカーは、15インチタイヤを装備するなど遊び心いっぱいの個性溢れるフォルムが魅力です。

軽自動車と言えども、個性に加えてパワーのある走りを楽しむのであれば4速ATよりも5速MT仕様をします。車高の低いコックピットに乗ってオープンにすれば、全く違った世界観へと変貌します。乗った感じは1000ccクラス気分で、軽自動差という既成概念が変わることでしょう。

第3位:日産NOTE

日産NOTE、e-Power(写真上)の最大トルクは254Nmです。ハイブリッドカーでも中身は100%電気自動車で、これまでの100%電気自動車の日産リーフ最大トルクと同じ値でも、車重は1210kgと250kgも軽量化されています。

電気モーター最大のメリットは、停止状態からハイパワーを出せることでしょう。これまでのエンジン車両では低速域のトルクに限界がありました。またバッテリー充電のインフラの問題もあり、100%電気自動車の走行距離には制限がありました。e-Powerではハイブリッド式とした上に、車重が軽いという大きなメリットがあります。

第2位:WRX STI(スバル)S208

WRX STI(スバル)S208(写真上)の最大トルクは432Nmです。もともとはピストンが向き合ってストロークする様子から、別名ボクサーエンジンとも呼ばれる水平対向4気筒のターボエンジンを搭載した5人乗りセダン型4WD車両で、低重心とラリー競技で培われた技術満載の標準STIをベースにメーカーチューンを加えた仕上がりの市販車で、台数限定で販売されました。

4輪駆動の安定した旋回性能はグラベルに雨や雪など、色々なコンディションにおいても異次元の走行性能を発揮するでしょう。またターボエンジンと4輪駆動から繰り出される強力な加速力は、市販車とは思えないほどのレベルを体感できることでしょう。

第1位:GT-Rニスモ

GT-Rニスモ(日産、写真上)の最大トルクは652Nmです。車両価格1870万円の4人乗りツードアクーペのスーパーカーですが、日本車のトルクがもたらす実力は時速100㎞までわずか2.7秒で加速します。

また、日産GT-Rは世界のポルシェやランボルギーニとも肩を並べるモンスターカーで、世界最大トルク1600Nmを誇るブガッティシロン(ブガッティオートモビル)の車両価格が3億円ですから、その価格は性能に比較したら破格だと言えるでしょう。

時々4駆とも呼ばれるGT-Rの4WDシステムはスバルSTIのフルタイム4駆とは異なり、FRの走りと、リアが滑り出したら4WD特性へと変化するスタイルで、速く走ることを追求して開発された自動車という証でしょう。

車のトルクをアップする方法・グッズ

自動車のトルクアップを理解する上で、まずはトルクの正体について説明いたしましょう。トルクとは、ある軸を中心にして回転するチカラの大きさを表します。そしてもう一つ、自動車のエンジン性能を表すものに馬力があります。

馬力はkwで表されるように時間あたりの仕事量を示していて、馬力=トルク×エンジン回転数×定数という関係式が成立します。これを自転車に例えて説明しましょう。また考え方を単純化するのにギヤの概念も省略しました。

自転車のペダルをこぎ始める際はギューっとペダルを踏み込まなければ自転車は加速しません。このギューっと与える力がトルクになります。トルクが大きければ自転車は速く加速し、自転車の速度が速くなれば、それほど大きなトルクをかけてなくても、自転車はスイスイ進みます。

自転車をスタートしてからペダルをこぎ続けた仕事量が馬力(kw)で、馬力が大きければより速度が出ることを意味します。

車のトルクの単位

トルクの単位はNm(ニュートンメートル)やkgfm(キログラムエフメートル)と表されます。例えば10Nmであれば、回転軸から1m離れた距離で10Nのチカラで回転する力だということを意味します。また、10Nはおよそ1kgfですので、10Nmのトルクは中心から1m離れた距離でおよそ1kgfの力で回転する力だと理解できます。

トルクの大きさ比較をする場合は、単位をそろえることがポイントになります。

車のトルクの見方

自動車のカタログを見ると、最大トルクは11.2kgfmや110Nmと記載されています。あるいは11.2kgf・mと記載されている場合もあります。「・」は「掛け算」の意味ですので、kgf・mは中心軸から1m離れた距離で回転方向の力(kgf)の大きさを意味します。

ところで、「f」は向きを持った力という意味を表しています。これは「kg」だけですと「重量のkg」の意味と混同してしまうのを避けるために区別されています。

車のトルク計算方法

馬力とトルクの関係を表す式として、馬力(kw)=2×円周率π×トルク(Nm)×回転数N(rpm)/60/1000が成り立ちます。この式に最高出力80kw、最大トルク254Nmの日産ノートe-Powerのスペックを当てはめると、回転数はおよそ3000回転となります。

e-Powerの電気モーターの詳細は明かされていませんが、サーボモーターの特性をかりれば、0回転から定格回転数までは最大トルクを発生できますが、定格回転数を超えると発生トルクは減少する特徴を持ちます。

大きさ別車のトルクの加速度

自動車の加速に影響を及ぼす最大トルクだけに着目すると、数字が大きい方が速いという錯覚に陥ってしまうのですが、車重が大きな影響を及ぼす可能性を忘れてはなりません。

物理公式にF=ma(F:力、m:重量、a:加速度)という式は有名ですが、発進時、つまり速度がゼロの静止状態で、地球上でm(kg)の重さの車両が動き出す際、加速度は重力加速度ですから、mgの荷重を受けているタイヤの静摩擦係数μから、F=mgμ(負荷反抗力)という力で自動車は静止しています。自動車がトルクを発生して加速するには、mgμを超える力を発生して初めて自動車は動き出します。

また、F=maは重量mが大きいほど、同じ加速度aでも発生する力Fが大きくなることを意味していて、これは燃料のガソリンや電気を使ってトルクで加速度を発生させるのに、重量mが大きいほど発生させる力Fが大きくなること、つまりパワーが必要なことを示しています。

回転数

回転数とはエンジンあるいは電気モーターの回転速度を意味していて、1分間あたりの回転数を表すrpm(rotations per minutes)で表されます。

回転数とトルクの特性として、ガソリンエンジン車の場合は、アクセルオンからある回転数に達すると最大トルクを発揮し、そこからさらに回転数を上げるとトルクは下がる一方で、馬力は増大を続け、馬力のピークを越えると馬力が下がるという特性を持ちます。

電気モーターの場合は、一般的なサーボモーターの特性から考えると、停止状態から最大トルクを発揮するので、クルマはアクセルオンで一気に加速できるという特徴があります。

車のトルクの改造方法

このように車のトルクを上げる方法として、大きく二つに分けるとトルクのパワーロスを減らす、トルクのパワーを増大させるということが考えられます。では具体的な方法について見てみましょう。

トルクのパワーロスを減らす

トルクはエンジン、あるいはモーターにガソリン燃料や電気を供給して、回転によるトルクを発生させます。

従って、燃料をエネルギーに変換する際のパワーロスの要因を減らすことが重要で、その方法として車の軽量化(軽量部品の適用)、摩擦の低いエンジンオイルの使用、スリップロスを減らすためにグリップ性能の良いタイヤを履く、非力な自動車ではアーシングを行うといった方法が考えられます。

トルクパワーを増大する

ガソリン車であれば吸気を良くして効率良く酸素を燃焼系に供給する、また効率を上げるために排気も良くする、ターボ車であればブーストアップを行ってパワーを上げる、コンピュータの燃調をいじるなど、直接的に燃焼効率やパワーを増大させる方法があります。

しかしながら、燃焼による圧縮率(ブーストアップ)や爆発力が大きくなりますので、純正部品では負荷が大きくなって寿命低下や、部品の破損という事態も発生し得ります。部品強度とバランスを考慮してのチューンが必要でしょう。

車のトルクの基準値

ガソリンエンジン車の場合、最大トルクの発生する回転数は加速に大きく影響します。最大トルクを発生させる回転数に満たない場合、トルクが上がってくるまでひたすら我慢しないとトルクパワーが上がってきません。起伏の激しい峠などでは、トルクの出るエンジン回転域を選ぶギヤの選択によって、自動車の加速特性が異なってきます。

例えば1速下のギヤではレッドゾーンギリギリのギヤ比や、もう1速上のギヤでは逆に回転数が下がってしまい加速できない状況です。この場合はクロスミッションによってパワーバンドをトルクが発生し易い回転域に速度域を維持するという方法もあります。

車のトルクによる効果

自動車のトルクは停止状態からの加速度に大きく影響します。ガソリンエンジンのMT車であれば、最大トルクを発生させるパワーバンドに到達したら、回転数を落とさない状態で次のギヤに変速してさらに加速することが理想的です。また、回転数をパワーバンド近くに上げておいて、クラッチを一気につないでホイールスピンしながらのロケットスタートという方法も楽しめます。

一方、電気自動車の場合はアクセルオンからいきなりの高トルクがでますので、ガソリンエンジン車とは全く異なる加速性能を体験できるでしょう。いずれにせよ、最初の加速力はトルクの大きさとタイヤグリップ性能に大きく関わります。

トルクを知るともっとクルマが楽しくなる!

トルクは加速に大きく影響しますが、発進時にタイヤグリップが負けてホイルスピーンしていてはパワーを無駄にロスしてしまうだけです。タイヤによっては温まることでゴムが柔らかくなって、地面に良く吸い付くタイプのタイヤもあります。また直進は速くても、コーナーで足回りが負けてしまっては高速で曲がることはできません。

また、いざというときに停止するためのブレーキ性能が低くては制動距離が伸びて衝突してしまうかも知れません。速い自動車は軽くてパワーがあるだけでなく、足回りによる安定性からのコーンリング性能、良く効くブレーキなど、全体的なバランスに優れます。また速い性能を操るための運転テクニックも必要でしょう。

自動車のバランスに関しては奥が深いので探求する価値は大いにありますが、速さを求めるのなら、クルマをいろいろな視点からみて、何よりも楽しみましょう。

初回公開日:2018年05月14日

記載されている内容は2018年05月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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