【状況別】車のブレーキの異音の種類・修理方法|キー/走り始め
更新日:2024年11月04日
車のブレーキに発生する異音の原因や修理方法は?
車のブレーキを踏んだ時に音が出ていると、ブレーキに何か問題があるのか、このまま乗り続けて良いのか気になります。車のブレーキから異音が出ている状態はブレーキの異常を示していますが、異音の種類によってトラブルの内容が異なります。
車のブレーキに発生する異音にはどんなトラブルがあるか、この記事でご紹介します。
車のブレーキには種類がある
車のブレーキにはディスクブレーキとドラムブレーキの2種類が使われています。ブレーキの種類によって点検方法などが異なるので、まずはブレーキの種類を理解しておく必要があります。それぞれのブレーキがどんな構造になっているか、次の項目で詳しくご紹介します。
ディスクブレーキの構造
ディスクブレーキはブレーキディスク、ブレーキパッド、ブレーキキャリパーの部品で構成されており、回転するブレーキディスクを2枚のブレーキパッドで挟むことで回転を止めています。
ブレーキキャリパーはブレーキパッドをディスクに当てる重要な部品で、ブレーキペダルの動きに合わせてブレーキパッドを挟んでいます。ディスクブレーキは主に前輪に使われることが多く、車種によっては4輪全てのタイヤにディスクブレーキが使われていることもあります。
ドラムブレーキの構造
ドラムブレーキはブレーキドラム、ブレーキシューなどの部品で構成されており、回転するドラムにブレーキシューを押し当てることで回転を停止させます。ドラムブレーキはブレーキシューなどの部品の上にドラムが付くので、ホイールの隙間からはブレーキドラムの外側しか見ることができません。
ブレーキシューを点検する場合はブレーキドラムを外す必要があるので、異音の原因を探る場合は分解して確認する必要があります。
車のブレーキに起こる異音の種類や症状は?
車のブレーキに発生する異音には多くの種類があり、音の種類によってトラブルの内容が異なります。車のブレーキにはどんな異音があるか、次の項目から詳しく見ていきましょう。
キーという甲高い音の原因は?
ブレーキを踏んだ時にキーという甲高い音が出ることがありますが、この場合はブレーキパッドの摩耗が原因で発生していることが考えられます。
車のブレーキパッドは溝が少なくなると、キーという甲高い音を出してブレーキパッドの交換が必要なことをドライバーに知らせます。そのため、ブレーキからキーという音が出ている場合はブレーキパッドの残量があるか確認してみましょう。
ブレーキパッドが少ない状態でもブレーキは効きますが、異音が出ている状態はブレーキパッドの交換が必要な状態なので、早めにブレーキパッドを交換しましょう。
キー音はパッドの当たり不良が原因のことも
キー音はブレーキパッドの摩耗だけが原因ではありません。ブレーキパッドやの当たり方が悪いとキー音が出ることがあります。この場合はブレーキパッドの当たりを良くするために、ブレーキパッドの角を落とすと異音が解消されることがあります。
車のブレーキパッドは新品の状態では角が立っているものがあります。角が立っているブレーキパッドはブレーキローターに当たった時に引っかかりができてしまい、キー音が出てしまうことがあります。
ブレーキパッドが摩耗していないのにブレーキから異音が出る場合は、ブレーキパッドの角を落としてみると良いでしょう。
カタカタと音が出る原因は?
ブレーキを踏んだ時にカタカタと音が出る場合は、ブレーキパッドがきちんと固定されていないことが考えられます。
ブレーキパッドはシムという部品でブレーキキャリパーに固定されています。このシムが破損している場合や不具合が発生している場合はブレーキパッドを固定することができなくなってしまい、ブレーキキャリパーの中でカタカタと動いてしまします。
ブレーキを軽く踏んだ時にカタカタと異音がする場合はブレーキディスクが動いていることが考えられるので、異音が出ている場合はシムに異常な摩耗がないか、ブレーキパッドを揺らしても移動しないかどうか確認してみましょう。
ゴーという音の原因は?
ブレーキを踏んだ時にゴーという音が出る場合は、いくつかのトラブルが考えられます。1つ目はブレーキディスクの錆が原因で出ていることです。この場合はしばらく走行すると錆が取れて異音がしなくなります。
2つ目の原因は、ブレーキパッドの金属面とブレーキディスクが当たっていることが考えられます。ブレーキパッドの摩耗が進行して残り溝が無くなってしまうと、ブレーキパッドのプレートが直接ブレーキディスクに当たってしまいます。
この状態では非常に大きな音を立て、どんなに走行しても異音が消えることはありません。また、車のブレーキは金属のプレートが当たることを考えて設計されていないので、ブレーキディスクを大きく削りながら車を停止させます。
ブレーキディスクにプレートが当たっている状態は非常に危険な状態なので、この場合は早急に修理をしましょう。
ブレーキの熱がひどい原因は?
車のブレーキは摩擦熱を発生させるのでブレーキを踏むたびに熱が発生しますが、正常な状態であればブレーキの熱は気になりません。しかし、ホイールが触れないほど熱くなっている場合はブレーキの引きずりが起きていることが考えられます。
ブレーキの引きずりとはブレーキを踏んでいない状態でもブレーキがかかっている状態のことで、サイドブレーキを引いたまま走行してしまうことなどでブレーキを引きずってしまいます。
サイドブレーキを戻した状態でもブレーキの熱が発生する場合は、ブレーキキャリパーなどに問題があることが考えられます。ブレーキキャリパーはブレーキパッドを移動させている部品で、この部品が正常に作動しないとブレーキを引きずってしまう原因になってしまいます。
状況によって発生する異音の原因は?
車のブレーキから毎回異音が出るわけではなく、ある特定の状況になった時にのみ異音が発生することがあります。特定の状況で発生する異音はどんな原因があるか、次の項目から詳しく見ていきましょう。
走り始めに発生する異音の原因は?
その日車を使い始めるときにブレーキを踏むと異音が出ることがあり、しばらく走っていると音が消えるという異音があります。この場合はどのようなことが原因になっているのでしょうか。
車のブレーキは一定の温度まで上昇した状態で使われるので、温度が上昇しても使うことができるように設計してあります。しかし、走り始めなどの低温時などはあまり得意としていなく、ブレーキの効きなどに問題なくても異音が出てしまうことがあります。
特に冬場の走り始めなどのブレーキが冷えている状態ではブレーキの音が出やすい状況にあるので、ある程度車を走らせて異音が出なくなるのであれば正常な状態と言えるでしょう。
ある程度走行しても異音が解消されない場合は他の場所に問題がある可能性があるので、異音が解消されない場合はカーディーラーなどで点検を受けましょう。
走行中の車に発生する異音の原因は?
走行中のブレーキを踏んでいない時に発生する異音の場合は、ブレーキの引きずりが考えられます。ブレーキキャリパーなどに不具合が発生するとブレーキパッドが定位置まで戻ることができなくなり、軽くブレーキがかかったまま走行して異音が発生することがあります。
しかし、走行中に発生する異音には回転している部品などから異音が出ていることがあり、ブレーキの方から異音が聞こえていても、実際は違う部品から異音が出ていることも考えられます。
走行中に異音が発生する場合は、どの部品から異音が発生しているか確認してみましょう。自分で確認することが難しい場合は、カーディーラーなどで点検を受けましょう。
雨の日に発生する異音の原因は?
雨の日に車を使おうとした時にのみ異音が発生する場合は、ブレーキディスクに発生した錆が原因で異音が出ていることが考えられます。
雨の日はブレーキディスクは錆びやすい環境にあり、雨が降っている時に車を使うとゴーという音を立てることがあります。この場合はブレーキディスクに発生した錆が原因で異音が出ており、錆が取れると異音が解消されます。
ブレーキディスクに発生した錆はブレーキを踏むことで取り除くことができるので、錆が原因の場合は心配する必要はありません。雨の日にある程度走行しても異音が解消されない場合は他の問題を抱えている可能性があるので、カーディーラーなどで点検を受けるようにしましょう。
ブレーキの異音を修理する方法は?
車のブレーキに異音が発生している場合は、修理が必要になることがあります。ブレーキの異音を修理する場合は音の発生している箇所によって修理方法が異なるので、次の項目からはブレーキの異音を修理する方法を不具合内容ごとにご紹介します。
ブレーキパッドが原因の修理方法は?
ブレーキパッドが原因で異音が出ている場合は、ブレーキパッドの寿命か当たり不良があります。この場合はブレーキパッドを交換する必要があるかどうか判断しましょう。ブレーキパッドの残量が2mmを下回る場合はブレーキパッドの寿命が近いので、交換した方が良いでしょう。また、ブレーキパッドは1.6mmを下回ると使うことができないので、1.6mmを下回る場合はブレーキパッドを交換しましょう。
ブレーキパッドの当たりが悪くて異音が出ている場合は、ブレーキパッドの端にある角を落としましょう。角を落とす場合はサンドペーパーなどでヤスリがけをすることで角を落とすことができるので、角をやすって丸くしましょう。
シムが原因の修理方法は?
シムが原因で異音が出ている場合は、シムを新しいものに交換しましょう。破損したシムはブレーキパッドを固定することができないので、再使用ができません。シムに不具合がある場合は新しいシムに交換することで修理できるので、シムの不具合は部品交換で対応しましょう。
シムを新しいものに交換する時は、ブレーキパッドやブレーキディスクに異常がないかどうか確認する必要があります。中にはブレーキパッドが移動してしまったことによってパッドやディスクに偏摩耗が起きていることがあるので、部品に問題がないことを確認してから組み立てましょう。
ブレーキの引きずりを修理する方法は?
車のブレーキが引きずっている場合は、引きずりの原因となっている部品がどの部品なのか確認する必要があります。場合によってはブレーキキャリパーを分解する必要があり、専用の工具を使用して修理することもあります。
ブレーキの引きずりで起こりやすい不具合は、スライドピンの固着です。乗用車や軽自動車などの車に使われているブレーキキャリパーは、正常な状態であれば左右に動きます。しかし、ブレーキキャリパーを左右に動かしていた時に動きが悪い場合や全く動かない場合は、キャリパー内部にあるスライドピンという部品が固着している可能性があります。
この場合は、スライドピンを外して内部にあるグリスを新しいものに塗り替えることで引きずりを修理することができます。構造が理解できれば故障探求や修理は簡単ですが、自分で作業することが難しいと感じる場合はカーディーラーなどで修理を受けましょう。
ブレーキの異音は車の異常を示すもの
ここまで車のブレーキに発生する異音についてご紹介しましたが、車のブレーキは危険性の低い異音もあれば非常に危険な状態であることを知らせる異音もあります。
車のブレーキから出る異音が解消されない場合はブレーキにトラブルがあることを示しているので、早急な点検が必要になります。異音に気付いて早めに修理をすれば危険な状態になる前に修理をすることができ、修理代も安く抑えることができます。
車のブレーキは命に関わる重要な部品なので、異音が出ている場合は早めに修理しましょう。
初回公開日:2018年04月10日
記載されている内容は2018年04月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。