2人乗りのミニジープの種類・改造・最高速・価格・エンジン
更新日:2024年08月14日
ミニジープって何?
自動車趣味は本当に奥が深く幅広いジャンルが存在しています。
このような「車で遊ぶ」人たちの目的や方向性は多種多様です。スポーツとして運転を楽しむ、整備やレストアをして車を触って遊ぶ、アウトドアやレジャーの供にする、クラシックカーや希少車を購入しコレクションするなど、人によってそれぞれ好みのスタイルで楽しむ事ができるのも自動車の持つ大きな魅力です。
気軽に遊べて楽しいミニジープ
どのような趣味でも、没頭して深くのめり込むほどに喜びは増すでしょう。ですが、それに伴い費用も時間も余計にかかってしまいます。止むを得ませんが、そこが趣味の辛いところでしょう。
できればもっと気楽に車で遊びたいという人にぴったりの車が、「ミニジープ」と呼ばれる車たちです。ミニジープはその名のとおりバンなどに乗せて運搬できるという本当に小さな車で、キャンプなどアウトドアフィールドの足としても最適です。また、運転がとても楽しくレジャーのみならず公道も走れるという魅力満載の車です。
そのようなミニジープについて、成り立ちや車の種類、価格やスペック、また改造の仕方などを解説していきます。
ミニジープは本当に小さい!
ミニジープの魅力はまず車体が小さいことです。ミニジープなら、小型トラックやワンボックスカーなどに積み込んで海へ山へと好きなところへ運んで遊ぶことができます。そのサイズは全長2.1m、幅0.97m、高さ0.88mというコンパクトさです。また車重は160kgしかありません。
この小さなサイズであれば、トヨタのワンボックスカー・ハイエースなら荷室の長さが3.0m、幅1.52m、高さ1.32mですので余裕で積み込みが可能です。小型トラックのライトエースでも、荷台の長さが2.48m、幅1.585mもありますので十分に積載できます。
軽キャブバンやステーションワゴンにも積める
上記のミニジープのサイズは日本の販売代理店の諸元表によるものですが、これはボディ後部に取り付けられているジェリ缶(燃料缶)とスペアタイヤ、またサイドミラーやハンドルなどを含めた寸法です。これらを取り外せば全長1.9m、幅0.9m、高さ0.58mとさらに小さくなります。
この大きさなら、スズキ・エブリイなどの軽キャブオーバーバンでも荷室長が1.955m、幅1.385m、高さ1.24mありますので積み込みが可能です。
他にも、ステーションワゴンのトヨタ・カローラ・フィールダーでは荷室長が2.025m、リアハッチゲートの開口部が幅1.07m、高さ0.735mで荷室内のタイヤハウスの張り出しがやや気になりますが、何とか積めそうです。
小型ステーションワゴンにも積めるミニジープ
さらにホンダのコンパクトステーションワゴン、シャトルでは荷室長1.93m、幅がタイヤハウス間で0.97m、最大幅が1.51m、高さ0.84mで、ハッチゲートの開口部が幅1.1m、高さ0.84mですので、これなら比較的楽に積み込めそうです。
このように、ミニジープはワンボックスやトラックなら余裕で積み込みが可能で、タイヤを外すなどして少し手を加えれば、軽キャブバンやステーションワゴンに積載して運ぶことができる本当に楽しい車です。
軽さの秘密は樹脂製のボディ
ミニジープの車体は160kgと車としては非常に軽量です。車体の構造は本物のジープと同じ鉄製のラダーフレーム(はしご型フレーム)の上にボディをかぶせるという、クロカン4WD車並の本格的な物です。
ミニジープのボディパネルにはポリプロピレンという樹脂製の素材を使用しています。ポリプロピレンは現在使われているプラスティック素材の中でも非常に比重が軽く、水に浮きます。
ポリプロピレンは食品用タッパーに使われることで有名な素材です。そのため衝撃や引っ張り、圧縮に対する強度に優れ、加えて耐熱性も高いため、最近では自動車のボンネットやテールゲートなどにも多く使われています。ミニジープでは、これに表面加工処理と塗装を施すことで艶やかな美しいボディを実現しています。
後輪駆動で本格的なサスペンションを装備
ミニジープは、車体の前部にエンジンと燃料タンクを搭載しオートバイみたいにドライブチェーンによって後輪を駆動して走行します。本物のジープのように4輪駆動ではありません。それでもラダーフレームを使用した本格的なシャシーにより、オフロードタイヤ仕様ではあなどれない走破性を持ち山道や砂地で楽しく遊べます。
ミニジープの走りの秘密はしっかりと作り込んだ足回りにあります。ミニジープのシャシーには二種類あり、スプリングやショックアブソーバーの無い単純な車軸式と、前ストラットの独立式、後トレーリングアーム(トーションビーム)の車軸式という自動車並みのサスペンションを装備したタイプがあります。
おすすめはやはりサスペンション付きの車で、舗装路でもオフロードでも車軸式に比べて格段に乗り心地が良く、快適な運転が楽しめるでしょう。
ミニジープは全て中国製
ミニジープは現在、ボディデザインの異なる数種類が日本で販売されていますが、車体の構造やエンジンなど中身は同じで、全て中国のメーカーによって製造された製品を輸入しています。
製造しているのは「マデモト(MADEMOTO)」というメーカーで詳細は不明ですが、ミニジープの他にATV(四輪バギー)やトライクなども製造しています。また、マデモト社のミニジープには50ccの他に125ccや150cc、200ccといった車もあり、eコマースのalibaba.comに出品され個人でも購入が可能です。
ネット通販などで個人で購入する場合は、購入後は自分の手で修理したり不具合のある場所には改良を加えるなど、プラモデル感覚で遊ぶのがミニジープの楽しみ方でしょう。
ミニジープを取り扱う販売店は?
ミニジープの輸入販売を行っている販売店や業者はいくつか存在しますが、規模の大きな物は愛知県に二社あります。それは、株式会社JAPTECの小型モビリティー部門「トライクファクトリー」と自動車販売店「ブレイズ」です。
両社では中国より輸入したミニジープを、納車前にきっちりと整備点検を行い不具合箇所などを改善した上でユーザーに販売しています。また購入後のアフターサービスも行っており、ミニジープに興味のある人はぜひ一度問い合わせてみましょう。
2人乗りのミニジープの種類
現在販売されている二人乗りのミニジープについて説明します。
ミニジープは、総排気量49ccのエンジンを搭載した車で、運転者の他にももう一人乗ることができる二名分の乗車スペースを持っています。とは言え車体の幅が1mもないため大人二名の乗車は難しいでしょう。
リトルフォース
愛知県名古屋市にあるミニジープの販売代理店「トライクファクトリー」では、ボディデザインの異なる二種類のミニジープを販売しています。その一つが「リトルフォース」です。
リトルフォースは、かつてアメリカ陸軍が使用していたウィリス・ジープの外観をそのままコピーしたみたいな、その名のとおりのミニジープです。そのスタイリングはカワイイの一言で、街で乗り回せば周囲の注目を浴びるのは間違いないでしょう。
自動クラッチ式ミッションでイージードライブ
リトルフォースのボディサイズは全長2.05m、幅0.95m、高さ0.83mで、車体後部のジェリ缶とスペアタイヤを外すと全長は1.85mです。エンジンは49ccの4サイクル空冷単気筒で4.5馬力を発生します。これに前進3速でバックギア付きの自動クラッチ式トランスミッションが組み合わされ、チェーンドライブで後輪を駆動して走行します。
サスペンションは前ストラット式の独立懸架、後スイングアームの車軸懸架で乗り心地が良く、また、前後にディスクブレーキが装備されており安心して運転を楽しむことが可能です。燃料はレギュラーガソリンでタンクの容量は3.8ℓあります。ボディーカラーはミニジープらしいアーミーグリーンが基本ですがオプションで迷彩柄も選択可能です。
価格はスタンダードモデルで約25万円です。
ビッグフォース
トライクファクトリーが販売するもう一つのミニジープが「ビッグフォース」です。ビッグフォースは、かつてイギリス陸軍が使用していた英国ランドローバー社の多目的四輪駆動車、「ランドローバー・ディフェンダー」に良く似た外観を持つミニジープです。
ビッグフォースはリトルフォースよりもやや大きめのボディを持ち、全長2.1m、幅1.1m、高さ0.55mで後部のジェリ缶とスペアタイヤ、前後のタイヤやサイドミラーを外せば全長1.9m、幅0.9mとさらに小さくなり、ワゴン車などに積み込めます。
小さいながらもランドローバーの雰囲気がカワイイ
ビッグフォースのボディスタイルはリトルフォースに比べてやや無骨かなという印象です。ですが、そこがまたかわいらしく小さいながらもランドローバーの雰囲気を良く引き出しています。
エンジンや車体のスペックはリトルフォースと同じで、車体がやや大きい分座席スペースが広くなっています。価格は約30万円です。
ネクストクルーザー
愛知県名古屋市にあるもう一つのミニジープ販売代理店、「ブレイズ」が販売する車が「ネクストクルーザー」です。
ネクストクルーザーはトライクファクトリーの「ビッグフォース」と基本的に同じ車ですが、ブレイズでは中国から輸入したビッグフォースに同社のファクトリーにて徹底的に整備点検を行い、バッテリーや各種ホース類などトラブルが予想される部品を、全て信頼性の高い日本製へと交換してからユーザーへと提供します。
つまり、ネクストクルーザーはメーカーが製造した車に特別に手を加え、より安心安全に楽しめるよう改造したミニジープのコンプリートカ―です。また、ボディーカラーは標準のグリーンの他に、何と七色ものオプションカラーが用意されているのも魅力です。
購入後のサポートも万全で安心のミニジープ
ネクストクルーザーは購入後のメンテナンスはもちろん、ユーザー自身や他のショップなどが整備を行う場合でも、アドバイスをしっかりと行ってくれるといったサービスが充実しています。ミニジープが欲しいけれど信頼のある製品が欲しい人にはおすすめの車です。
ネクストクルーザーの性能などスペックはビッグフォースと同じで、楽しく快適に遊べるミニジープです。価格は約40万円です。
ミニジープの改造・カスタム方法について
ミニジープのカスタム方法について説明します。
トライクファクトリーやブレイズが販売するミニジープにはたくさんのオプションパーツが設定されています。自分好みにカスタムするには、まずは純正オプションを上手く利用するのが賢い選択でしょう。
豊富な純正オプションパーツ
ミニジープのリトルフォースとビッグフォースは、ジープらしく標準仕様ではドアも屋根も付いていません。そればかりか前方には窓もありませんから、走行中はネイキッドのオートバイと同じで乗員はまともに雨や風にさらされます。
また、乗員席にはウレタン製のクッション材がしいてあるのみで、自動車みたいな座席はありません。これではせっかく運転して楽しいミニジープも、お尻が痛くて長くは乗っていられないでしょう。
フロントスクリーンとベンチシートがおすすめ
そこで、純正オプションのフロントスクリーンとベンチシートを装着します。フロントスクリーンは本物のウイリスジープみたいな窓枠がついた透明アクリル製で、風よけ効果は不明ですが雰囲気がありドレスアップパーツとしては魅力的です。価格は約1万3000円です。
ベンチシートは合成レザーの表皮がなかなかゴージャスなカスタムパーツです。座り心地は良好で、サイドには安全バーも装備されており安心してドライブが楽しめます。これはミニジープを買うなら必須のカスタムパーツでしょう。価格は約2万円です。
どうせなら屋根もつけたい?
念願のミニジープを購入したら、近所への買い物など日常の足として毎日でも乗りたいと考えている人には、雨の日でも安心な屋根を付けたいと考えるでしょう。確かにミニジープには屋根もドアもありませんから、強い雨が降ればずぶ濡れとなります。
それならオートバイと同じでヘルメットを装着し、レインウェアを着て走ればいいですが、せっかくヘルメットが要らないミニジープならもっと気軽に使いたいでしょう。
アリババで屋根つきのミニジープが?
残念ながらミニジープの販売店では取り扱っていませんが、何と中国のeコマース「alibaba.com」では屋根つきのミニジープが販売されています。価格など詳細は不明ですが、ミニジープファンならぜひ取り付けたい注目の製品でしょう。
ですが、写真で見る限りではこの屋根パーツは巨大なサイズで相当に高さがあり、装着すれば空力性能がかなり悪くなり走行に影響がないか心配です。
ミニジープの最高速はどのくらい?
ミニジープの最高速度について説明します。
頑張っても40㎞/hも出ない?
ミニジープの車体はわずかに160kgと軽量ですが、搭載されるエンジンが49ccの空冷単気筒で最高出力はたったの4.5馬力ですから、残念ながらスピードはあまり出ません。
ミニカー登録のミニジープの法定速度は60㎞/hですが、この非力なエンジンではせいぜい30~35㎞/hが良いところでしょう。長い下り坂ならばおそらく40㎞/hくらい出せるでしょう。
これでは原付スクーターにも置いて行かれますが、ミニジープはスピードよりもそのたぐいまれな走行感覚を楽しむ車です。しかもオフロードでは本格的なシャシーの性能であなどれない走破性を発揮します。
ミニジープのエンジンの種類について
ミニジープに搭載されるエンジンの種類について説明します。
日本で販売代理店が取り扱っているミニジープのエンジンは、全て総排気量49ccですが、現地中国の製造メーカーにはもう少し大きなエンジンを搭載した仕様も存在します。
また、詳細は不明ですが、総排気量200ccのエンジンを積んだワイドボディの「アダルト仕様」も販売されています。
150cc
ミニジープを製造する中国のメーカー「マデモト(MADEMOTO)社」では、日本仕様よりも大きな150ccエンジンを搭載した車もラインナップされています。
サイトに掲載されている性能諸元表によると、そのエンジンは同じ4ストロークの空冷単気筒で最高出力は不明です。日本仕様と同じオートクラッチ式3速ミッションを組み合わせて、最高速度は60㎞/hと記されています。
125cc
マデモトのミニジープシリーズには125cc仕様もラインナップされています。しかし、サイト上では125ccなのか110ccなのか判明できません。こちらもエンジンは同じ4ストローク空冷単気筒で最高出力は不明ですが、最高速度は60㎞/hで走行可能と記されています。
50cc
日本で代理店によって販売されているリトルフォース、ビッグフォースおよびネクストクルーザーなどのミニジープに搭載されるのは、全て総排気量49ccの空冷4ストローク単気筒エンジンです。
その最高出力は4.5馬力で8,000回転まで回ります。最大トルクは0.31kg・mでこれを5,500回転で発揮します。燃費は1ℓ当たり25~27kmと大変優秀です。燃料は無鉛レギュラーガソリンでタンク容量は3.8ℓです。
ミニジープはこのエンジンと燃料タンクを車体前部に搭載し、チェーンドライブによって後輪を駆動して走行します。
ミニジープの価格について
ミニジープの価格について説明します。
リトルフォースの価格は?
ミニジープの中でも小ぶりなサイズで、米軍のウイリスジープにそっくりなリトルフォースの価格は、スタンダードタイヤ仕様が約25万円、オフロードタイヤ仕様が約28万円、アルミホイール装着タイプが約30万円です。
また、ボディの迷彩塗装はオプションで約2万円です。
ビッグフォースの価格は?
イギリス陸軍の多目的車ランドローバーに良く似た、無骨なデザインがカワイイミニジープ、ビッグフォースの価格は、スタンダードタイヤ仕様が約27万円、オフロードタイヤ仕様が約30万円、アルミホイール装着タイプが約32万円です。
ネクストクルーザーの価格は?
ビッグフォースをベースに各部を改良して信頼性を高めた、ミニジープのコンプリートカ―ネクストクルーザーの価格は約40万円です。
また、七色から選べるオプションカラーの価格は約6万5000円です。
ミニジープは乗って触ってみんなで遊べる楽しい車
ミニジープについて、成り立ちや車の種類、価格やスペック、また改造の仕方などを紹介しました。
車趣味とは多種多様でのめり込むほどに面白さが増しますが、その分お金もたくさんかかります。もっと気軽に車で遊びたい人にピッタリなのがミニジープです。
ミニジープは50ccのエンジンを搭載し、全長が2m程と小さいため、部品を外せばワゴン車などにも積み込み可能です。そうして好きなところへ運んで遊べるとっても楽しい車です。小さいですがオフロードではあなどれない走破性を持っています。
ミニジープはデザインがとてもかわいらしく、街中を走れば目立つこと間違いなしです。価格も安いので、車趣味を気軽に楽しみたい人はぜひミニジープに注目してみましょう。
初回公開日:2018年04月23日
記載されている内容は2018年04月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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