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燃費の悪い戦車一覧3|タイガー/90式/10式

更新日:2024年10月11日

鉄の塊ともいえる戦車の燃費。実際にどれくらいの燃料が必要になるのでしょうか。各戦車の紹介と共に燃費を調べてみました。現代の自動車とはどれほど違うのか、また燃費の良い戦車はあるのか、あるとすればどれくらいなのか。これを読むと少し戦車が好きになるかもしれません。

燃費の悪い戦車一覧3|タイガー/90式/10式

種類別戦車の燃費一覧

みなさんは自動車には乗りますか。最近では若者の自動車離れを防ぐために、さまざまな趣向を凝らした自動車が出てきています。その中でも騒音が少なく、燃費の良い自動車が主流になっています。

昔は燃費が悪くてもカッコイイ自動車や、エンジン音が鳴るものががありましたが、より実用的にまた環境に配慮したつくりになっています。

その一方で自動車とは真反対の道をゆく乗り物があります。騒音がうるさく、燃費も最悪といっていい乗り物です。それが戦車です。今回は戦車の燃費について、その性能と合わせてご紹介していきます。

タイガー戦車

戦車の中でも一番知名度の高い戦車ではないでしょうか。映画などでも度々登場するタイガー戦車は第二次世界大戦中に開発された戦車で、当時活躍していたソ連(ロシア)の中戦車T-34でも歯が立ちませんでした。

正式にはⅥ号戦車と言われ、Ⅰ型とⅡ型があります。全面装甲100mmと分厚く重厚な戦車は総重量57tにもなりました。垂直装甲だったため、避弾性には優れていませんが、装甲の厚さはそれを補って余りあるつくりです。

ヒトラーの戦車構想に適い、どの戦車よりも重装甲でどの戦車よりも高火力でした。しかし、燃費という点で言えば非常に悪く、Ⅱ型でリッター162mの燃費でした。

マウス(Ⅷ号戦車)

戦車と燃費というキーワードが出てきた時に、マウスの名前が出ないことはないでしょう。全長約10m、全面装甲は22cm~24cmもあり、どの戦車の主砲でも打ち抜けませんでした。

反対にマウスの主砲は55口径 12.8cm KwK44戦車砲と、これも巨大で打ち抜けない戦車はありませんでした。もちろん重量も桁外れで188tと現在にいたるまでの戦車で一番の重さを誇ります。ちなみに燃費はリッターあたりで換算すると68mと悲惨でした。

M1エイブラムス

M1エイブラムス戦車は、現役のアメリカ合衆国主力戦車で、最強戦車の呼び声が高い戦車です。主砲は51口径105mm ライフル砲M68A1だったのですが、派生型のM1A1では44口径120mm滑腔砲M256が使用されるようになりました。

装甲に目を向けるとM1は空間装甲、M1A1では無拘束セラミックスが採用されています。エンジンはガスタービンを採用しており、現在メジャーなディーゼルエンジンではありません。その影響もあってか燃費は悪く、リッター260m程度になっています。

式別戦車の燃費一覧

ここまでは国外の戦車について、お話をしてきましたが、日本の戦車はどうなっているのでしょうか。やはり外国と同じく燃費は悪いのでしょうか。ここでは日本の歴代戦車について、解説をして燃費もみていきましょう。

61式戦車

1955年に開発が開始、1961年に採用された日本初の国産戦車です。61年に採用のため、61式戦車という名称になりました。主砲は61式52口径90mmライフル砲、装甲は車体55mmでした。砲の先にT字型のマズルブレーキを採用し、砲撃の際のブレを軽減する役割を果たしました。

車体は鉄道で輸送可能なコンパクト設計で、全長は約8.2mです。重量も軽く加速性は優れていて、0~200mまでの走行時間は25秒でした。燃費も戦車の中では標準的でリッター約300m程度だったと言われています。

74式戦車

この戦車は、61式戦車の後継として開発が開始されました。実は61式戦車は採用された当初から性能面で他国に劣っており、日本としては外国の戦車と、性能で同レベルにしたいという目標がありました。

主砲は51口径105mmライフル砲L7A1を採用、自動照準を当時世界で初めて実用化しました。他にも車体を前後左右に傾けることができる姿勢制御システムを取り入れています。燃費については、リッター400m程と言われています。

90式戦車

10式戦車の一代前の90式戦車は、日本の戦車の中で最大、最重量になっています。開発当時は冷戦で軍事的圧力が高まりつつある状況でしたので、より大きく頑丈で高火力の戦車が求められました。

主砲は44口径120mm滑腔砲Rh120を採用し、砲塔・車体前面は複合装甲になっています。全長9.8m、重量50tにもなります。燃費はやはり50tの重量もあり、リッター250m程になっています。

10式戦車

90式が採用されたとはいえ、90式の配備は北海道に限られて、実質は74式戦車が日本の主力でした。そのため、90式より価格を抑えた後継の開発が急がれました。それが10式戦車です。

主砲は44口径120mm滑腔砲を採用。車体正面には複合装甲を施しています。他にも詳細は機密なため公開されていませんが、データリンクの機能も搭載されており、味方部隊が取得した情報が、手元のモニターで情報共有できます。

よりコンパクト、より高性能を追及した10式戦車は、74式を少し下回るリッター340m程です。

燃費の悪い戦車一覧3

燃費の悪い戦車一覧3をご紹介します。

3 ヤークトティーガー

この戦車はタイガー戦車の発展型で、総重量が75tもあります。128mm砲の主砲、255mmにもなる前面の装甲が大きな特徴です。

この戦車は砲塔が旋回しないので、砲を向ける際には車体自体の方向を転換する必要がありました。結果、履帯に負担がかかり故障が絶えませんでした。75tという重量が災いして、燃費もリッター100m前後と戦車の中でも決していいとはいえませんでした。

2 エイブラムス

先ほど燃費紹介でお話ししましたM1エイブラムス戦車は、現役のアメリカ合衆国主力戦車で、最強戦車とも言われる戦車です。マウスの戦車と比べてもM1エイブラムス戦車は、燃費が悪く、リミッター260mとなっています。

1 マウス(Ⅷ号戦車)

さて、やはり燃費と重量は密接に関係しています。重量が重い乗り物を動かすということは、それだけエネルギーを消費するからです。すると、戦車の中で最重量の戦車が最も燃費が悪くなってしまいます。

マウスよりも重い戦車は確かに存在しましたが、生産が僅かであってデータが残ってなかったり、構想や試作段階で開発が中止になったものばかりです。2度目の登場にはなりますが、リッター68mのマウスが一番燃費の悪い戦車となります。

重量別戦車の燃費一覧

ここまで、さまざまな戦車の燃費について、ご紹介をしていきましたが、重さ別の燃費という点ではどうでしょうか。それぞれ比較してみましょう。

30t級

戦車で30tというと、比較的軽い戦車と言えるでしょう。現代だとこの重量を主力にしている先進国はほとんど皆無でしょうが、一時代昔では立派な主力戦車でした。代表的なもので言えば、アメリカのM4中戦車などは、ちょうど30t程でリッター290m程度でした。

40t級

40t級では昔の戦車で言えば重戦車に相当する重さです。厚い装甲と高火力が売りになってきます。その中でもM26パーシング重戦車はドイツのタイガー戦車の対抗馬として開発され、実戦でも投入された戦車です。この戦車の燃費はリッター226m程度と言われています。

50t級

50t級と言えば、やはりタイガー戦車を紹介しない訳にはいきません。57tもの巨体は第二次世界大戦中の戦車では飛び抜けていました。アメリカが後発で作ったM26パーシングが40tそこそこだったのに比べると、その重厚さがわかるでしょう。この重さですと燃費もガクッと落ちて162mとなります。

戦車に求められるもの

これまでに見てきたとおり、戦車には燃費の良さというものは求められていません。それは戦車の役割を考えれば明らかでしょう。

戦車は重厚な装甲と高火力で敵を圧倒して、領地を蹂躙する役割があります。軽戦車なら話は違ってきますが、中戦車や重戦車はその目的を果たすために燃費は運用可能な範囲であれば合格とされます。

数値的なものをみると確かに悲惨な燃費ですが、それと引き換えに重装甲が乗員の命を守っています。そう考えると自動車と同じように、開発者たちの努力が垣間見えるような気がします。

初回公開日:2018年04月07日

記載されている内容は2018年04月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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