燃費のいい車・燃費の平均・燃費の改善方法
更新日:2024年07月29日
燃費のいい車
JC08モードから見る燃費
◆1位 トヨタ プリウス
コンパクト/ハッチバックのハイブリット車。公称40.8㎞/Ⅼと燃費では未だにを守っています。走行性能やインテリアも向上し、モデルチェンジしてデザインの印象も変わりました。ハイブリットを世に定着させた車で、トヨタの顔と言っても良いのではないでしょうか。日本だけではなく、海外でも高く評価される車です。世界的にエコについての関心が高まっているなか、自動運転も含めて、未来への可能性の第一歩を踏み出した車です。
◆2位 トヨタ アクア
コンパクト/ハッチバックでプリウスよりもコンパクトなボディで取り回しのしやすいハイブリット車。公称38.0㎞/Ⅼで順位は2位ですが、実燃費ではプリウス以上だと言うユーザーも多いようです。都心などの込み混み合った場所での走行には使いやすい一台なのです。
◆3位 ホンダ フィットハイブリット
コンパクト/ハッチバックのハイブリット車。トヨタのハイブリットとは違う仕組みですが公称で37.2㎞/Ⅼと燃費だけを取ってみても優秀な車に仕上がっています。
ハイブリットの違いとは?
燃費の良い車で1位から3位までを独占している車に共通しているのは、ハイブリット車だと言うことです。一言でハイブリットと言っても、大きく分けて3つにその仕組みは分ける事が出来ます。
◆パラレル方式:エンジンとモーターの出力軸は同じなのですが、発進や加速などのパワーが必要な時にモーターがエンジンをサポートしてくれる仕組みになっています。現在ではモーターだけで走るモードを備えたシステムも市販されていてより効率の良い動力となっています。
◆シリーズ・パラレル方式:動力分割機構を設けていて、エンジンとモーターの両方を動力源として効率よく使い分ける仕組みになっています。発進や低速時にはモーターを使用し、速度を上げるとエンジンも併用して、両方を効率良く使いながら走行することが出来る方式となっています。
◆シリーズ方式:この方式は基本的にはバッテリーの電気だけでモーターを回して走行し、バッテリーの電気が少なくなるとエンジンを回して発電しながらモーターで走行すると言った仕組みになっていて、エンジンで走行するわけではないので、動力での分類は電気自動車に含まれる方式となっています。
トヨタが採用している「toyota hybrid system ll」はシリーズ方式で、発進時は低回転域から最大出力を生み出すモーターの性能を活かし、低速走行もモーターだけで走行が可能となっています。速度が上がってくると燃費効率が高いエンジンを使用し、エンジンパワーを使いきれなくなると電気に変換してバッテリーに充電してくれます。急加速時にはモーターとエンジンの両方を使い、このクラス以上の動力性能を発揮してくれます。
ホンダのハイブリットシステムはパラレル方式を採用。モーターの数によって、1モーターの「sport hybrid i-dcd」、2モーターの「sport hybrid i-mmd」、3モーターの「sport hybrid sh-awd」を展開しています。
例としては「sport hybrid i-mmd」は発電用モーター・走行用モーター・ハイブリッド専用エンジンを搭載して、モーターだけで走る(evドライブモード)、モーターとエンジンを併用する(ハイブリッドドライブモード)、エンジンだけで走る(エンジンドライブモード)の走行モードを使い分けることが出来ます。
日産のハイブリッドシステムはパラレル方式で、ホンダと同じですが、1つのモーターで走行と発電をするシステムを採用しています。
独自のインテリジェント デュアルクラッチコントロール(1モーター2クラッチ方式)はクラッチが2つあり、モーターで走る時にはエンジンを完全に切り離す事が出来る仕組みで、これによりエンジンからの抵抗を最小限にして、優れた燃費性能や高いエネルギー回生を実現しています。同システムを搭載しているエクストレイルハイブリッドは、街中での走行のうち、約3/4をevモードで走ることが可能となっているようです。
これ以外にも、三菱アウトランダーphevやbmw i3などはev走行時にガソリンエンジンで発電しながら充電することで、走行距離を伸ばすレンジエクステンダーを搭載していて、広い意味ではシリーズ方式と言っても良いかも知れません。
ハイブリットと言ってみてもその仕組みは多種多様で、燃費のメリットなどから購入を考えているユーザーはその仕組みを改めて調べてから検討することも必要です。
4位以降は軽自動車が独占
上位3台はハイブッドが独占でしたが、4位から同率を含めて7位までの5台が軽自動車となりました。
4位からスズキ・アルト、同率でマツダ・キャロル、6位にスズキ・アルトラパン、7位にダイハツ・ミライース、同率でスバル・プレオプラスとなっていて、だけではなく、その走行性能の高さもしっかりと数字として表れています。公称燃費も35.0㎞/Ⅼ~37.0㎞/Ⅼという範囲で、車重の軽さやエンジンの小ささだけでなく、車としての性能は現在も開発が進み、一クラス上の座も脅かすほどのスペックとなっています。
維持費の安さから、セカンドカーと言う位置づけだったイメージは現在の軽自動車にはなくなり、メインとして、ドライバーの要求に答えてくれる性能となったと間違いなく言うことが出来ます。しかしながら、ハイブリットではない軽自動車がここまでの燃費で走行できることは本当に頭が下がる思いです。
燃費の見方?
燃費とは?
車の燃費と聞いてほとんどの方が分かっていることではありますが、改めて燃費とは、1リットルのガソリンでどれくらいの距離を走ることが出来るのか、と言うことを数値で表したことで、その単位は㎞/Ⅼとなります。普通の乗用車やミニバンなどでは7~10㎞/Ⅼと言うくらいでしょうか。燃費のいい車で10~15㎞/Ⅼ、低燃費を売りにしたハイブリッドカーでは20㎞/Ⅼを超えてきます。その他、大型トラックでは2~3㎞/Ⅼくらいと車によってかなり幅があります。
車の燃費は車体の重さ、エンジンの種類、車体の空気抵抗、乗車人数、運転方法などによりその燃費は決まってきます。
一番簡単な満タン法で燃費を知る
自分の車の燃費を知りたいと思った時に簡単に計算できる方法として、ガソリンを給油した時に行える「満タン法」が一番簡単です。車によっては、自動車そのものが燃費を計測してくれるものもありますが、ここでは一般的な方法として満タン法で燃費を計算してみます。
まず、ガソリンスタンドでガソリンを満タン給油します。この時に誤差を最小限にしたいので、セルフなどのガソリンスタンドで自分で給油することをお勧めいたします。給油が終わったら、インパネにあるトリップメーター(距離メーター)をリセットしてゼロにしておきましょう。リセットしたくない時は、給油した時の走行距離をメモしておくと後で計算できますのでどちらでも同じです。そこからある程度走って、再び給油に訪れたときに満タン給油します。この時に入った給油量で前回から走った走行距離を割って出た数字が走行燃費となります。よく言う実燃費です。毎回測る必要はありませんが、自分の運転や車の調子を知るうえで、たまには計算してみるのも良いかと思います。
10・15モード
車のカタログを見た時に良く目にしますが「10・15モード燃費」と書いてあります。これは国土交通省が定めた試験方法で測定された燃費のことを表したもので、測定装置の上に車を乗せて、実際の走行状況よりもかなり車には楽な走行をするので、結果的にはとても良い燃費が計測されます。この燃費データを購入理由にするのは正しいとは言えません。実際の走行では上りや下り、左右に曲がったり自然環境の変化など、様々な状況の中で走行することになります。車を運転するドライバーによってもかなり燃費に影響します。このことから暗黙の了解として公称燃費の約6割が実燃費だとされておりますので参考にされてください。
ただし、試験走行とはいえ、実際に出た燃費なので、走行条件や燃費走行のテクニックを磨いていけば、近い数字を出すことも出来るかもしれませんので、試してみるのも面白いかも知れません。
燃費の平均
燃費の平均と言ってもいろいろな見方があります。自分が日頃使っている自家用車の燃費も決して安定しているわけではありません。高速道路の走行が多かったり、峠道のような厳しい走行状況の時もあったり、多くの荷物を積んで、フルに乗車した車で走行したりと走行条件は日々変わってきます。燃費の良い車であっても例外ではなく、その扱い方で燃費は低下してしまいます。小型と大型の車と言うだけでも大きな差が出て来てしまいますので、それらの平均となると難しいです。
日本の車の平均車種から考えてみると、平均的な価格帯から見て200万円~300万円と言ったところの、ミニバン・ワンボックスカーが中心で、その燃費は二桁を切って7~9㎞/Ⅼくらいだと思われます。また、現在の低排気量のコンパクトカーは10~15㎞/Ⅼと言う所でしょうか。それらを平均して日本の車の平均燃費は10㎞/Ⅼが妥当な所です。
商業用のトラックやバスなども含めてしまうと、この数字はまた変わってきてしまいますが、今回は一般乗車の平均という考え方でおおよその平均燃費を予想してみました。ガソリンエンジンがまだまだ主流ですが、一昔前から見ればかなり燃費は良くなっています。限られた地球の資源ですから、ガソリンだけではなく、電気や水素、ソーラーなどこれからの環境に適した動力源の新たな開発や発見が楽しみです。
車の燃費向上グッズ紹介
◆シガーライターソケットに差し込むだけと言う簡単取り付けで、燃費とトルクを向上してくれる商品です。あまり車に詳しくない方などには取り付けが簡単なので試したくなりますね。通常ですとバッテリーに直接取り付けて効果を期待する商品ですがこちらはシガーソケットに差すだけ。口コミを見ても評判が良いので良い結果を期待できるかもしれません。
◆の添加剤です。エンジン内をクリーンに保ち本来の性能に近づけてくれます。定期的に使用することでエンジンを長持ちさせて、本来の車が持つ力を保ってくれます。類似品も多く見かけますが、やはりこちらの評判が一番良いように思います。
車の燃費が悪いときの対処法
車の年式が古くなって、購入時に比べるとだいぶ燃費が落ちてきたなと感じることはあるかもしれません。しかし、あまりにも燃費が悪くなった場合は、車が故障するサインかもしれませんので、一度点検することをお勧めいたします。
マフラーから異音がする
車を運転していてたまに見かけるかもしれませんが、マフラーから爆発音がしている車がいます。意図的にそうしている場合もありますが、通常の仕様ではありえません。このアフターファイヤーと言う現象の原因は、未燃焼ガスが発生している場合が多いです。
故障としては、燃料カットを制御しているセンサーの故障が原因で、アクセルをはなした場合、センサーが働いて燃料はストップするのですが、燃料が止まることなくエンジン内に送り込まれ、そのまま使われることなく排出され、高温になっているマフラーに燃料が触れることで着火し爆発すると言った現象です。当然必要のない燃料が出続けている訳なので、結果的に燃費は落ちてしまいます。エンジンにも良くないことなのでこのような症状が出ている車は点検整備をすることをお勧めします。
いつもより車が重たく感じる時は
日頃から運転していると、車の変化にも気がつくことだと思います。いつも通りに運転をしていて、なんだか車の動きが重たいとか、ぎこちなく感じたときは何か車にトラブルが起きています。
よく言われる症状として、ブレーキを引きずるというものがあります。これは車のブレーキの劣化により、ブレーキが必要以上に接触していることで、走行時も軽くブレーキがかかってしまっているというものです。ブレーキがかかっていますので、正常な時よりは重たく感じ、スムーズには走ってはくれません。しかし、アクセルを踏むことで走ってしまいますのでそのまま走行を続けてしまうことがあります。ブレーキをかけてエンジンへ常に負担をかけていますので、当然燃費も悪くなってしまいます。燃費だけではなく、ブレーキのシステムにも異常が出ますので早めの点検が望ましい例です。ブレーキパッドの交換時や、パッドの残りが少なくなってきた時などに起きたりしますので、注意点の一つとして覚えておくと、症状が出たときにすぐに対応できますので、参考になさってください。
また、タイヤの空気圧が少なくなっていると、車の動きや取り回しが重たく感じます。これはタイヤが通常よりも路面との接地面積が増えることで重たく感じる現象で、抵抗が増えることで燃費にも影響が出てきます。さらにタイヤの温度も上がりやすく、バーストの原因にもなりますので、定期的に空気圧のチェックを忘れないようにしてください。タイヤに適した空気圧に保つことで、タイヤの持つ性能を引き出し、タイヤ寿命にも大きくかかわってきます。安全な走行にはタイヤは重要アイテムですので、日頃から注意が必要です。
車のパワーが出ない
あまり多くの例ではありませんが、年間で何件か起こる初歩的な間違いがあるので書かせていただきます。
まず、軽自動車に希に起ることなのですが、軽自動車の燃料が軽油だと思い込んで給油してしまうことがあります。ガソリン車に軽油をいれて走行した場合、黒煙を出しながら走ってしまい、結果的には止まってしまい、エンジンは動かなくなります。燃料の間違いにすぐに気づき対処すれば、燃料を入れ替えて、プラグの交換程度で済む場合もありますが、そのまま止まるまで乗り続けた場合はエンジンのオーバーホールが必要となります。燃費が落ちるどころか大きな失費となりますのでくれぐれもお間違いのないようになさってください。
現在は都内でもセルフのガソリンスタンドが増えて来ていますので、このような間違いが増えてきているようです。急いでいたり、慣れないスタンドなどで給油する時にうっかり間違えないようにご注意ください。
また、ハイオクガソリン専用の車にレギュラーガソリンを入れてしまう間違いも多いようです。レギュラー車にハイオクを入れても故障の原因になることはあまりありません。かえって、ハイオクに含まれる洗浄成分のおかげで、エンジン内がクリーンになってエンジン性能が正常化することがあります。
ですがハイオク車にレギュラーを入れてしまうと本来の性能を発揮できず、結果的に燃費も落ちて、走行も本来とは違ったものになってしまいます。このようなことが起こることを想定して、レギュラーガソリンを入れてしまった時のデータもコンピューターに書き込まれているので、ほとんどの車種で大きな故障にはなりませんが、決してお勧めできません。レギュラーガソリンを入れることで、本来の走行が出来ないと言うことは、車に何らかの負担をかけて走っているのだと理解してください。
車を長く安全に乗り続けるためにも、燃料の間違いのないように、よく確かめましょう。
その他の燃費低下の原因
ここまでの中で、燃費が悪くなる原因のほとんどは日頃の点検で防ぐ事が出来ます。車について詳しくなくともガソリンスタンドや民間の整備工場、ディーラーなどで見てもらう事が出来ます。車検の時には必ず点検されていますが、次の車検までの間に故障する可能性はあります。消耗品などの交換時期を向かえることもありますので、車を多く使う方は特に注意が必要です。
車に詳しくなくとも日頃から同じ車に乗っていると、ちょっとした変化に気がつくものです。なんだか普段と違うと気が付いたら、なるべく早く点検をするようにしてください。異変に思った状況を整備士に話すことで、スムーズに対応してくれることもありますので、なるべく感じたことを整備士に話すことをお勧めします。よくあることなのですが、その場では症状が出ず、原因がなかなかわからないこともあるので、整備や修理に時間がかかてしますことがあります。車の走行時にいつもと違ったことがないか、変化に敏感でいたいものです。そのことで、事故や故障を防ぐ事が出来れば幸いですね。
車の燃費に関するアプリ
車に乗る時には、多くの人がスマートフォンを持っていると思います。もちろん運転しながらの使用は禁止ですが、アプリを使ってナビゲーションしてもらったり、音楽を聴いたりするともいます。そんなアプリの中に、その日の走行を分析してくれるものがあります。現在地から目的地までの区間をどのように走行したのか分析し、注意点などを指摘してくれると言うものです。スピードの出し過ぎやカーブを曲がる時の速度、急停車の回数や急発進の回数など、Gpsをつかってかなり具体的に指摘してくれます。自分では気がつくことの出来ない日頃の運転を再確認することが出来ますので是非一度お試しください。
また、普段荒い運転をしている人にさりげなくこのアプリを使ってみてください。人同士では角が立つことも、アプリから指摘されると意外と素直に聞いてくれます。将来の事故を未然に防ぐ意味でも使ってみてはいかがでしょうか。
このようにアプリを利用し、注意点を改善することで、燃費も向上しますので試してみる価値は十分にあります。
車の燃費の改善方法
車の燃費が悪いときの対処法でもいくつか記してきましたが、燃費に何か影響して悪くなっているときは、車に何らかのトラブルが起きていると思って間違いないと思います。これらは点検・整備・修理をすることで改善できますので定期的に行うしかありません。しかし車に何も原因が無い場合はドライバー本人の運転が、車の走行性に影響を与えてしまっていると言うしかありません。どんなに優れた性能の車でも、運転の仕方で本来の性能を大きく下回ってしまします。ドライバー自身の改善も快適なカーライフには必須だと言えるのではないでしょうか。
ただ、安全や性能を追及した先々、すべての車が自動運転になり、ドライバーは必要なくなり、運転することが制限されるとしたら、それはそれでとてもかなしい結末かも知れません。事故やトラブルのない世界も良いのですが、やはりハンドルは握り続けたいものです。
初回公開日:2017年08月24日
記載されている内容は2017年08月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。