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車の法定点検を怠ったらどうなる?|法定点検の基本を知ろう

更新日:2024年08月05日

法定点検についてどれくらい知っていますか。車を持つ人であれば一度は案内用紙を目にしたことがあることでしょう。法定点検について正しい知識を持つことはとても大切なことです。今回は法定点検の基本や種類、怠るとどうなるのか紹介します。

車の法定点検を怠ったらどうなる?|法定点検の基本を知ろう

法定点検の基本とは?

車を持っている方であれば、法定点検の案内を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。道路運送車両第47条に「使用者の点検及び整備の義務」という項目があり、車を持つ方は法定点検を受けなければなりません。

法定点検は国の法律で定められており、車を使う場合の義務となっています。点検を受ける間隔は自家用車、事業用自動車、貨物自動車などで違いがあります。自家用車の場合、2年法定点検は車検と重なりますが、それぞれ調べる項目や具体性が違うため両方受けましょう。

法定点検とは?

法定点検とは車に故障個所がないのか調べ、問題なく走行できるかどうかを確認するために行なわれます。きちんと受ければ「点検整備済みステッカー」がフロントガラス部分に貼られます。

例えば自家用車の場合は、1年点検(12ヶ月)と2年点検(24か月)があります。12ヶ月は26項目あり、走行を止めるブレーキ関連やバッテリーの検査を行います。未然に事故を防ぐことを重視しています。

24ヶ月は56項目あり、緩衝装置と呼ばれるタイヤの内部やバンパー、有害ガスの有無の検査を行います。またハンドルやかじ取りなど運転に問題がないかも重要な項目です。

法定点検と車検は違う?

そもそも車検とは「自動車検査登録制度」が省略されたもので、車両自体が法律が定めている保安基準かどうかを調べています。自動車の安全を守るためと、公害が起こらないようにする目的があります。

法定点検と車検は、同じ点検なのですが実はその目的が異なります。法定点検は車の故障がないか、トラブルがなく走行できるかを確認するために行なわれます。一方で車検は保安基準を満たしているかどうかを確認するために行なわれます。

また車検では車の安全性を確認するために行なわれるので、法定点検と違い部品に劣化がみられても、走行に問題ないとされれば取り替えることはありません。

保安基準って?

保安基準とは、車の各部品が決められた位置に安全に取り付けられているか、排気ガスの規制が守られているかなどを確認します。そのため極端な改造車や、改造された部品が取り付けられた車両は、車検に落ちてしまう場合があります。

車のガラスにカーテンが付けられているのをみたことがあるでしょうか。運転席や助手席に取り付けた場合は保安基準を満たしていないと判断され、車検に通らないこともあります。

法定点検の重要性とメリットとは?

車を使う人は事故に遭う可能性が高くなります。引き起こされることもありますが、自身が使っている車の故障が原因で起こることも十分にありえます。そのため故障がなく、安全に走れる車か調べる法定点検は欠かせません。

法定点検を受けて得られるメリットは、点検項目に当たる部分の不具合や故障が見られた場合、メーカーの保証で修理が可能です。ただし利用者の大きな過失でない場合に限られます。

また整備に問題があり事故が起きた時、利用者の法的な責任が軽減される可能性があります。しっかり法定点検を受けている車両は、売却する際に査定に対する評価が高くなる傾向があります。

車の法定点検を怠ったらどうなる?

法定点検が受けられる場所は、車両を購入したカーディーラー、整備工場や修理工場、ガソリンスタンド、個人で行なっている店舗などさまざまです。

ここで気になる「法定点検を受けに行かなかった場合なにか不都合があるのか」または「ペナルティーや罰則があるのか」について紹介します。

保証対象外になることもある?

12ヶ月点検はある程度知識があれば、自分で行なえる範囲のものが多いです。24ヶ月点検になると点検項目が増え、より専門的な知識が必要になります。

しかし1年ごとに法定点検を受けていないことによって、故障や不備が出た時にメーカーの保証が受けられない可能性があります。例えばトヨタで見ると、購入から3年間の保証期間が設けられていますが、12ヶ月点検を受けていないことが原因の不具合は対象外とされています。

他のメーカーでも、オイルやバッテリーをメーカーが推奨する店舗で行なっていないことが原因で、保証が受けられないといったこともあります。

ペナルティーがあるのか

法定点検は法律で定められているものなので受ける必要があります。しかしカーディーラーや整備工場で受けていないからといって、罰則やペナルティーはありません。

実際受けていないという人も少なくありません。ですが、車は人の命を乗せて走ります。車両によっては、バスなどの不特定多数の人の命を預かります。

必ずしも専門店に車を持ち込んで法定点検をしなければいけないわけではありませんが、日常点検と同様自分の目でしっかりと点検を行なう必要性はあります。

法定点検の種類

法定点検の種類は大きく4つに分かれます。それは自家用車や事業用車、牽引車といった車両ごとに異なります。車両の種類によって点検が期間が違ってきます。

自家用車が12ヶ月・24ヶ月点検に対し、荷物や多数の人を乗せるトラックやバスといった事業用車は、点検する間隔が短く項目も多くなります。

法定12ヶ月点検

12ヶ月点検は26項目あり、かじ取り装置や制動装置などを見ます。それぞれの部品に損傷や劣化、緩みがないかを一か所ずつ確認します。

費用は1万円から2万円が相場です。当然費用は掛かりますが、その後受けていないことが原因で、保証が受けられず高い修理代を払うことにもなりえます。

中型トラックやレンタカーは82項目、大型トラックやバスは96項目と点検内容は異なります。

法定24ヶ月点検

24ヶ月点検は56項目あり、専用の道具を必要とします。冷却燃料装置といったエンジン関連や、ブレーキタイヤなど細かい箇所までみる必要があります。

費用は12ヶ月点検と比べて高くなります。点検を受ける場所や車の排気量、車種によっても違いはあります。またハイブリットの場合は、点検項目が通常より多いため割高になります。

費用は2万円からが多く、最初に見積もりを出してもらって受ける店舗を検討するのもです。トラックやバスなどの事業用車は対象ではありません。

・軽自動車
・小型自動車(1.5トン)
・中型自動車(1.5から2トン)
・大型自動車(2トンから)

法定3ヶ月点検

これは主に多数の人を乗せるバスや、荷物を乗せるトラックや大型トラック、被牽引自動車にあたります。また、事業用車両なのでタクシーやレンタカーも含まれます。被牽引自動車を除き、点検項目は47個です。

通常の自家用車と走行距離も極端に異なるため、3ヶ月法定点検は必須です。実施を怠った場合や違反が見られた場合は「道路運送車両違反法」に触れ罰金が科されます。

法定6ヶ月点検

これは中小型トラック、レンタカーにあたります。点検項目は22個です。3ヶ月、6ヶ月の法定点検は事業用の車両に対した義務となっています。

バスやトラック、レンタカーなどの事業用車は走行距離長く、車両も自家用車とは異なり大きいです。そのため事故が起きてしまうと自家用車と比べて、被害も大きくなる可能性が高いと言えます。

短期間に点検を行なうのにはこうした理由があり、安全面を考慮しても必須事項です。

法定点検の実施

法定点検は法律で義務付けられているので、行なう必要があります。しかし必ずしもカーディーラーや整備工場で行なわなければならないものではありません。

点検項目は自動車の安全を守ると同時に、使用者や同乗者を守るためでもあります。また1年ごとの点検が定められていますが、具体的にいつからいつまでとは決まっていません。都合が合わなければ、数か月前後しても問題ありません。

法定点検は自分で行なえる?

法定点検は車にある程度詳しく、しっかり手順を抑えることができれば自分で行なうこともできます。点検する項目は整備手帳に記載があり、車を購入した際に備え付けられています。

12ヶ月点検はタイヤの状態やブレーキの作動やドアロックといった、車が快適に走行できるかの項目がほとんどなので技術的な知識がなくても可能です。

24ヶ月の点検は項目は、12ヶ月点検の2倍近くあります。リフトアップとして車を持ち上げる必要があります。また専用の道具が必要であり、技術的な知識も不可欠です。よって専門的な知識があり、技術も備わっていなければ難しいと言えます。

法定点検を自分で行った場合シールはどうする?

通常法定点検をカーディーラーや整備会社で行なった場合、整備済みのステッカーをフロントガラスに貼っています。結論から言うとステッカーは必要ではありません。法定点検は必須ですが、ステッカーは貼らなくても法律には違反しません。

しかし期限が切れたステッカーは剥がさなければいけません。特に罰則はありませんが、上記した保安基準違反に触れてしまうためです。

自分で点検を行った場合は「点検整備記録簿」が必要になります。各項目にチェックをいれて、印鑑を押せば完了です。記述したとおり、シールは必ずしも必要なものではありません。

車と人を守りましょう

車は自身と大切な人の命を預かっています。仕事やお出かけにも活躍する車は、とても便利な物です。バスがあることで、たくさんの人の移動手段になります。またトラックがあることで荷物を目的地まで運ぶことができます。

しかし忘れてはいけないのが、どんな車両でも人の命を乗せているということです。法定点検を行なうことは車両本体を守ると同時に、自らの命を守ることにも繋がります。法定点検に加えて車検や日常点検を怠ることがないようにしましょう。

初回公開日:2018年12月17日

記載されている内容は2018年12月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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