パジェロの燃費は良い?悪い?ショートやロングの燃費比較/燃費向上方法
更新日:2024年07月28日
三菱パジェロの燃費は良い?悪い?
1973年の東京モーターショーで発表され、1982年に4ナンバーのバンとして発売された三菱パジェロ。当時、フォルテと呼ばれる三菱のピックアップトラックの4WDモデルの後継車として発売されました。
2.3L 4D55型ディーゼルターボ、ディーゼルそして、2L G63B型ガソリンエンジンが採用されました。翌年には5ナンバーのメタルモデルが発売され、パジェロシリーズが歴史が始まりました。パリ・ダカールラリーへの挑戦が開始されたのもこのころです。
タイプ別パジェロの燃費比較
パジェロにはさまざまなタイプのモデルが存在します。ここではそのタイプ毎に燃費性能を紹介します。
ショート
3ドアの5人乗りモデルが一般的にパジェロの「ショート」と呼ばれています。発売当初はこのショートのみが発売されました。後に何度かフルモデルチェンジを行っていますが、それぞれショートと後述のロングがラインナップされています。
ロング
3ドアモデルが発売になった翌年から、ホイールベースとボディが延長された7人乗りの5ドアモデルが追加されました。その後の何度かのフルモデルチェンジにおいても、パジェロにはショートと同時にロングモデルも常にラインナップされています。
エボリューション
1997年メタル3ドアモデルをベースに改造された、ラリー参戦用のモデルです。3.5LのMIVICエンジンが搭載され、最高出力は 280ps/6,500rpm、最大トルクが 35.5kgf・m/3,000rpmです。
センターデフにビスカスLSDを搭載したスーパーセレクト4WDが採用されました。走行中の駆動方式の切り替えはもちろん、状況に応じて前後駆動力配分も変化します。トランスミッションには、5MTとINVECS-ⅡスポーツモードATが用意されました。
この後にもパジェロエボリューションはラリー向けに、モデルチェンジして製作はされているのですが、一般に入手できるモデルは上記のモデルのみとなります。
パジェロ エボリューション 5MT/AT 10・15モード燃費 7.1/7.4km/L(ハイオク仕様)
スポーツ
タイで生産され、タイやインドネシアで発売されていたミドルサイズSUVが海外で「パジェロスポーツ」の名前で販売されています。日本では1996年から2001年までの間に「チャレンジャー」という車名で発売されていました。
このパジェロスポーツは2016年にモデルチェンジを実施し、精悍でシャープなデザインで海外に登場、日本国内への導入が最近期待されるモデルです。
ディーゼル
1982年から始まるパジェロの長い歴史の中で、初代から設定のあったターボディーゼルエンジン、2004年~しばらくの間、ディーゼルの設定が無かった期間がありますが、現行車にはクリーンディーゼルエンジンが搭載されています。
スーパーエクシード
「スーパーエクシード」は、パジェロの最上級グレードに使われる名前です。その多くはパジェロのロングの最上級に付けられるのですが、過去にショートモデルにもこの「スーパーエクシード」の名前が付けられたことがあります。
現行パジェロのスーパーエクシードは、3.2Lのクリーンディーゼルエンジンを搭載した5ドア・7人乗りのロングモデルです。本革の内装、本木目&本革巻ステアリングホイール、ロックフォードアコースティックデザイン プレミアムサウンドシステムに7インチのナビゲーションが標準装備されています。
ミニ
1994年に登場したパジェロミニは、軽自動車の枠組みの中でパジェロの技術を受け継いだ軽のSUVです。さらに三菱はこれに続いてパジェロジュニア、パジェロイオとパジェロシリーズを展開していきましたが。現在まで残るのは本家パジェロとパジェロイオの2車種のみです。パジェロミニも2013年に販売を終了しました。
パジェロミニの公称燃費は、13.6km~18.2km/L。3ATの4WDターボで燃費が悪く、5MTのFRモデルで18km/L程度の公称燃費値をマークしており、車重やトランスミッションによって変化します。
3000cc
パジェロは、2006年~現在までV6 3Lのガソリンエンジンを搭載したモデルを展開しています。現行モデルはロングのエクシードとGR、ショートのVR-Ⅰに搭載されています。全車 INVECS-Ⅱ 5速スポーツモードA/Tの4WDの設定で、JC08モード燃費は、ロングが8.0km/L、ショートが8.4km/Lです。
パジェロの燃費向上方法
現行モデルで、燃費を向上させたパジェロですが、走行中のちょっとした扱い方によって燃費性能の向上が可能です。その方法を紹介します。
2Hによる走行
パジェロに装備されたスーパーセレクト4WD Ⅱには、2H/4H/4HLc/4LLcの4モードの切り替え機能が搭載されています。悪路ではない通常の走行では、2HモードによるFR駆動走行により数%の燃費向上が可能です。
エコ運転と回生エネルギーを回収する運転
急な速度変化をさせずにアクセルをゆっくりと踏んで加速することで、燃費走行を行います。無駄なエンジン回転の上昇を伴う運転や、急激な減速を減らすことで燃費性能が向上します。特にパジェロには後述の回生ブレーキによる燃費改善機能が装備されていますので、運転時に先を見ながら、アクセルオフで長く惰性で走行する機会を多く作ります。
これによって回生エネルギーを多く貯めることができ、燃費改善につながります。
パジェロの燃費改善方法
ここでは新型パジェロで搭載した燃料改善技術について紹介します。
3.2Lコモンレール式クリーンディーゼルエンジン
PMやNOxの排出量を激減させ、経済性を高めたのが三菱のコモンレール式クリーンディーゼルエンジンです。一旦、高圧にした燃料を蓄え噴射制御を行うコモンレール式は、直噴式よりもさらに高圧で燃料を噴射します。これによって燃料の完全な燃焼を促進させ、環境性能を高めています。
減速エネルギー回生システム
三菱パジェロは、ハイブリッド車ではありませんが、減速時の惰性を回生エネルギーとして回収し電装品に供給をしています。この蓄えた電力からの供給時にはエンジンに接続された発電機を休止することでその負荷を減らし、燃費の向上に貢献しています。
パジェロの高速道路を走行する際の燃費
ネット上の口コミ情報を元に、パジェロの実高速燃費情報をピックアップしてみました。3.2Lのクリーンンディーゼルエンジンのモデルで13~14km程度です。それに対してV6のガソリンエンジンでは、やっと2桁にのる程度の10~12km/L程度です。2.3tの車両重量のパジェロとしては、まずまずの燃費性能です。
パジェロの新車と中古の燃費比較
歴代パジェロと現行パジェロの公称燃費を比較してみました。旧型は10・15モードでの燃費、新型はJC08モードでの表示です。JC08モードの方がより厳しい審査環境ですので、それを差し引いても新型の燃費性能がよいことがわかります。クリーンディーゼルエンジンモデルは、別格の燃費性能です。
初代 L141GW 3.0L 4AT 10・15モード 7.0km/L
初代 L146GW 3.0L 5MT 10・15モード 7.3km/L
初代 L146GW 3.0L 4AT 10・15モード 6.8km/L
2代目 J V23C 3.0L 5MT 10・15モード 7.4~8.1km/L
2代目 ショート V23W 3.0L 5MT 10・15モード 7.1~7.8km/L
2代目 ショート V23W 3.0L 4AT 10・15モード 6.6~7.3km/L
2代目 ショート V25W 3.5L 4AT 10・15モード 6.8km/L
2代目 ロング V45W 3.0L 5MT 10・15モード 7.1km/L
2代目 ロング V43W 3.0L 5MT 10・15モード 6.9~7.1km/L
2代目 ロング V43W 3.0L 4AT 10・15モード 6.4~7.3km/L
2代目 ショート幌 V25C 3.5L 5MT 10・15モード 7.4km/L
2代目 ショート幌 V25C 3.5L 4AT 10・15モード 6.8km/L
2代目 ショート V25W 3.5L 5MT 10・15モード 7.4km/L
2代目 ショート V21W 3.5L 5MT 10・15モード 10.0~10.3km/L
2代目 ショート V21W 3.5L 4AT 10・15モード 8.8km/L
3代目 ショート V65W 3.5L AT 10・15モード 8.5~9.0km/L
3代目 ロング V65W 3.5L AT 10・15モード 8.2~8.7km/L
3代目 ロング V75W 3.5L AT 10・15モード 8.2~9.0 km/L
3代目 ショートZR V63W 3.0L 5MT 10・15モード 8.7 km/L
3代目 ショートZR V63W 3.0L 4AT 10・15モード 8.4 km/L
3代目 ロング ZR V73W 3.0L 5MT 10・15モード 8.5~8.7 km/L
3代目 ロング ZR V73W 3.0L 4AT 10・15モード 8.2~8.4 km/L
現行 ショート V88W 3.2L 4AT JC08モード 10.0~10.4km/L(クリーンディーゼル)
現行 ロング V98W 3.2L 4AT JC08モード 10.4km/L(クリーンディーゼル)
現行 ショート V83W 3.0L 4AT JC08モード 8.4km/L
現行 ロング V93W 3.0L 4AT JC08モード 8.0km/L
燃費向上で維持費もだいぶ軽減された新型パジェロ
三菱パジェロは、本格的なオフロード四駆として長くそのコンセプトを維持し続けています。電動化による最新技術は三菱アウトランダーに搭載し、パジェロに対しては純粋なエンジン改良で新型をリリースしました。最新のクリーンディーゼルエンジン技術は、2.3tの大柄の車体で10km/Lを超える燃費性能を実現し、本格オフローダーとしての魅力をより確かなものにしています。
初回公開日:2017年10月31日
記載されている内容は2017年10月31日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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