パッソの燃費はどれくらい?燃費比較・向上方法・燃費計の精度
更新日:2024年07月12日
パッソの実燃費に迫ってみよう!
トヨタのコンパクトカー「パッソ」の燃費に迫ってみましょう。毎日の買い物や通勤に丁度良い車として、多くのユーザーに愛されている車です。毎日使う車だからこそ、燃費にもこだわりたくなります。
本記事では、新型と過去のモデルをいくつか取り上げ、それぞれの実燃費を確認していきます。果たして、どんな燃費数値となっているでしょうか。なお、本記事で扱う燃費数値は、新型と「プラスハナ」はJC08モードで、残りのモデルやグレードは、10・15モードで測定した値となります。
新型パッソに注目!
新型パッソは、2016年4月にデビューしています。これまでのパッソは、どちらかといえば女性に愛される様々な工夫がなされてきましたが、新型パッソは、幅広い年齢層にアピールするためのデザインや装備などの工夫が盛り込まれています。
ボディー全長はそのままに、車高を低くし、ホイールベースを拡大することで室内空間を広げる工夫がなされています。さらに大きな特徴として挙げられるのが、新グレードの「パッソモーダ」の設定です。パッソの別グレード「プラスハナ」の廃止に伴って設定されたグレードです。
エクステリアは、なんとなくレトロ調で上品な雰囲気が漂います。フロント・リアともに、普通のパッソよりもおしゃれ感があるデザインで、男性やシニアのドライバーにも抵抗なく受け入れられるスタイルです。では、新型パッソのスペックを確認しておきましょう。
スペックは?
●トヨタパッソ"G-package"(2WD);(4WD)
車両形式:DBA-M700A-GBNE(G);DBA-M710A-GBNE(G)
車両重量:910kg;960kg
JC08モード燃費:28.0km/L;24.4km/L
主要燃費改善対策:可変バルブタイミング,アイドリングストップ装置,自動無段変速機,電動パワーステアリング,充電制御
全長×全幅×全高:3,650mm×1,665mm×1,525mm
エンジン形式:1KR-FE
エンジン種類:直列3気筒DOHC
総排気量:0.996L
最高出力:51kw(69PS)/6,000rpm
最大トルク:92N・m(9.4kgf・m)/4,400rpm
燃料供給装置:EFI(電子制御式燃料噴射装置)
燃料タンク容量:36L;38L
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
駆動方式:前輪駆動方式/四輪駆動方式
トランスミッション:CVT
2WD車の実燃費は?
まずは、メーカーが公表しているカタログスペックの燃費数値を確認しておきましょう。
2WD車の燃費についてみてみると、1リッターあたり28.0kmという値が記載されています。1.0Lエンジンと燃費改善対策の効果で、良好な燃費数値を記録しています。ちなみに、新グレードの「パッソモーダ」の燃費も同じ値となっています。
では、実燃費はどのようになっているでしょうか。多くのパッソユーザーの声をまとめると、1リッターあたり平均で16kmから17kmが実燃費です。過去のモデルと比べて、多人数乗車や高速走行などでも、燃費が悪化しにくくなった印象です。
4WD車の実燃費は?
次に4WD車です。メーカー公表のカタログスペックを参照すると、1リッターあたり24.4kmと計算されています。2WDと比較すると、1リッターあたり3.6km燃費が悪化しています。「パッソモーダ」も同じ数値です。
では、実燃費はどうでしょうか。パッソユーザーの声をまとめると、1リッターあたり平均で12kmから13kmの数値となります。車両重量に注目すると、2WDと比較して50kg重くなっています。4WD搭載のため、どうしても車両重量が大きくなってしまうのはやむを得ないことです。省燃費とはいえ、パッソは1.0Lと小さなエンジンですので、重量アップは燃費に大きく響いてきます。
積雪路や凍結路を頻繁に走行する寒冷地など、4WDが必要とされる地域のドライバーは、少しでも燃費を抑えたいところです。
レーシーに注目!
「パッソレーシー」とは、どんな車でしょうか。2004年12月から追加されたグレードです。普通のパッソが女性重視のモデルとするなら、「パッソレーシー」は男性重視のモデルと言えます。
13インチタイヤのパッソと違い、14インチタイヤにアルミホイール、専用にチューニングされたサスペンションと、前後にスタビライザーを装着していました。ステアリングなどインテリアもスポーティーな雰囲気で、パッソのもう一つの顔を見せてくれたモデルでした。
実燃費は?
「パッソレーシー」の実燃費はどうでしょうか。「パッソレーシー」のユーザーの声をまとめると、1リッターあたり13kmから14kmが平均値です。思った以上に燃費が伸びないとの声が多く寄せられています。特に、市街地走行時には、燃費の低下が大きくなる傾向があります。
プラスハナに注目!
「パッソプラスハナ」はどんな車でしょうか。パッソの上級モデルという位置付けが、一番当てはまるでしょう。価格も、10万円近く高い設定になっています。フロントシートが、ツートンカラーのベンチシートになっていて、おしゃれと同時に移動がしやすくもなっています。
またフォグランプが標準装備され、「Hana」のエンブレムがバックドアに付いていて、すぐに見分けが付きます。2014年まで販売されていました。
実燃費は?
では、気になる実燃費はどうなのでしょうか。多くの「パッソプラスハナ」ユーザーの声をまとめると、1リッターあたり平均で15kmから16kmが実燃費です。このクラスとしては、標準的な値と言えるでしょう。装備が充実し、おしゃれ感もたっぷりな「パッソプラスハナ」は、中古車でもがあります。
年式別に分けて燃費比較!
平成16年式に注目!
平成16年(2004年)式のパッソは、初代モデルになります。トヨタには、大のコンパクトハッチ「ヴィッツ」がありますが、これよりもさらに全長を短くした小さなコンパクトカーとしてデビューしました。コマーシャルで使われた「プチトヨタ」というフレーズは、今でも多くの方々の頭に残っているのではないでしょうか。
ヴィッツと違い、シフトレバーがコラム式になっており、パーキングブレーキも足踏み式を採用したのが特徴でした。ダイハツ工業からは、「ブーン」として同じ車両が販売されました。エンジンは、ダイハツ製の1.0L3気筒DOHCと、1.3L4気筒DOHCの2種類が準備されました。
価格の安さと、女性への気配りの良さが受けて、販売台数を伸ばしました。では、燃費はどれほどでしょうか。
燃費は?
平成16年式のパッソの燃費ですが、メーカー公表のカタログスペックを参照すると、1.0Lエンジンの2WD車が、1リッターあたり21.0km、4WD車が1リッターあたり18.4kmと計測されています。
また、1.3Lエンジンの2WD車は、1リッターあたり18.0kmとなっています。コラム式4速オートマチックのみですが、軽量な車体と小さなエンジンで、燃費数値はなかなか良い値を示しています。
ただ、力不足も否めず、街乗り主体であれば問題ありませんが、高速長距離走行などでは、燃費が逆に悪化してしまいます。
平成17年式に注目!
平成17年(2005年)4月に、トヨタ自動車はパッソの特別仕様車を発表しています。グレード名は、「X-HID-Limited」です。Xというグレードをベースに、ディスチャージヘッドランプを特別装備したほか、ボディーカラーに「ブラックマイカメタリック」を追加し、シート基調も専用のものが用意されました。
さらにパッソは、全車に電子制動力配分制御(EBC)の付いたABSを標準装備したり、トヨタの「GOA」という衝突安全ボディーを採用して、高い安全性を確保しました。加えて、国土交通省の低排出ガス車認定制度における、平成17年排出ガス基準75%低減レベルを達成した環境性能もクリアしています。
燃費は?
それでは、燃費を確かめてみましょう。メーカー公表のカタログスペックによると、1.0Lエンジンの2WD車は、1リッターあたり21.0km、4WD車が1リッターあたり18.4kmと計測されています。また、1.3Lエンジンの2WD車は1リッターあたり18.0kmとなっています。
1.0Lエンジンは、良好な燃費数値となっています。買い物や通勤などの利用であれば低燃費ですが、高速長距離走行や多人数乗車時には、どうしても燃費が悪化してしまいます。オールマイティーに使用するなら、1.3Lエンジンの選択が無難でしょう。
平成18年式に注目!
平成18年(2006年)6月に、トヨタ自動車はさらなる特別仕様車を発売しています。グレード名は、「X-Adovanced-Edition」を発表しています。
このモデルは、Xというグレードをベースに、サイドエアバックを運転席と助手席両方に採用したほか、側面衝突時に衝撃を感知すると、サイドウィンドウと乗員の頭との間に展開して、頭部がピラーやガラスとぶつかる際の激しい衝撃から乗員を守る、カーテンシールドエアバックを標準装備しています。
また、ディスチャージヘッドランプの標準装備、さらには、除菌イオン効果によって車内の空気を清潔に保つ、プラズマクラスターを装備しています。快適さと安全性を高めた充実モデルでした。
燃費は?
平成18年式のパッソの燃費はどうでしょうか。メーカー公表にカタログスペックを参照すると、1.0Lエンジンが、2WD車で1リッターあたり21.0km、4WD車で1リッターあたり18.4kmと計算されています。1.3Lエンジンはどうでしょうか。こちらは、2WD車のみで1リッターあたり18.0kmと計算されています。
なお、パッソはこの年の12月にマイナーチェンジを施されており、その際、1.0Lエンジンの2WD車の燃費が、1リッターあたり21.5kmと、わずかですが燃費が向上しています。
マーチと比較してみたら?
今度は、日産のコンパクトカー「マーチ」と燃費を比較してみましょう。日産マーチは、1982年から生産販売されている、日産自動車のロングセラー車です。コンパクトなボディーに、大人4人がしっかりと乗車できるスペースを備え、かわいらしいデザインもを呼んで、モデルチェンジを繰り返しながら今日に至っています。
パッソの購入を考えているドライバーなら、同じコンパクトカーであるマーチも、対抗候補になる可能性があるでしょう。燃費も大きな要素となりますので、調べておくときっと役に立ちます。
マーチの燃費と比較!
それでは、マーチの燃費を確認しましょう。まず、1.2Lエンジンの2WD車ですが、日産自動車公表のカタログスペックを参照すると、1リッターあたり23.0kmとなっています。パッソの1.0Lエンジンの2WD車は1リッターあたり28.0kmですので、パッソの方が5kmほど高い値を示しています。
マーチの4WD車はどうでしょうか。こちらは1リッターあたり18.4kmと計算されています。パッソの1.0Lエンジンの4WD車は、1リッターあたり24.4kmと測定されていますので、パッソの方が6kmほど燃費が良いということになります。
エンジンの排気量が100cc違うため、単純に比較はできませんが、数値だけで比較すると、パッソの方が一枚上手であると言えるでしょう。
「セッテ」もパッソシリーズなの?
今度は、パッソセッテについてみてみたいと思います。パッソと名前がついているので、パッソのグレードの一つかと思ってしまいますが、果たしてそうでしょうか。パッソセッテのご紹介とその燃費に迫ってみましょう。
「セッテ」とはどんな車?
「パッソセッテ」はどんな車でしょうか。パッソという名前が付いていますが、全く別の車です。
7人乗りの3列シートが特長で、コンパクトなのに大人5人がゆったりとくつろげ、いざとなったら7人乗りもする、という使い方をするドライバーに向いた車です。エンジンは1.5LのDOHCを搭載し、トランスミッションは、マニュアル車感覚の変速操作ができる、「シーケンシャルシフトオートマチック」が採用されていました。
しかしながら、発売されて間もなく、エコカー減税が導入され、パッソセッテは対象外となってしまいました。さらに、流行が始まっていたスライドドアが搭載されていなかったため、売り上げが伸びず、たった4年の短い生涯を閉じました。
実燃費は?
パッソセッテの実燃費はどうでしょうか。パッソセッテユーザーの声をまとめると、1リッターあたり12kmから13kmという燃費です。1.5Lエンジンであることと、時代を考慮に入れると、決して悪い数値ではありません。7人乗車できるとはいえ、基本的には5人乗りと考えるのがベストと言えます。フル乗車では、燃費の悪化が目立ちます。
パッソの燃費向上方法はあるの?
少しでもパッソの燃費を向上させるために、いくつかできることがあります。こちらに挙げる点をぜひ実行していただき、燃費向上にお役立てください。
●発信するときは,ゆっくりとソフトにアクセルを踏む
●走行速度を,なるべく一定に保つ
●無駄なアイドリングは控える(アイドリングストップ車の場合は,メーカーの取り扱い説明書を参照して,適切な使用を)
●エアコンは,こまめに切り替えて控えめに使う
●タイヤの空気圧を適正に保つ
●エンジンオイルを定期的に交換する
パッソの魅力を味わおう!
本記事はいかがでしたか。特に、新型パッソの燃費は良好であり、普段使いにぴったりな車と言えるでしょう。「パッソモーダ」もラインナップされ、性別を問わず、すべての年齢層のドライバーにも親しめる車となったパッソを、ぜひ次の愛車の候補にしてみましょう。
初回公開日:2017年10月04日
記載されている内容は2017年10月04日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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