ホンダスーパーカブの燃費は悪いの?実燃費・燃費向上方法
更新日:2024年07月26日
ホンダスーパーカブとはどんなバイク?
ホンダスーパーカブは本田技研工業が製造し販売している小型オートバイになります。ホンダスーパーカブは現在大きく分けて、スーパーカブ110とスーパーカブ50の二種類からなっており、スーパーカブ110は原付二種、スーパーカブ50は原付一種となっています。
それぞれどう違うのかと言うと、原付一種は二段階右折を必要とし、法定速度は30km/リッターとなっています。それに対して、スーパーカブ110は原付二種のために二段階右折を必要とせず、法定速度は60km/リッターとなっており、こちらは「普通自動二輪」の免許が必要になります。
このようにそれぞれ排気量によって大きく区分が異なっているため、それぞれの違いをしっかり把握する必要があります。
ホンダスーパーカブ110と50の違いは?
スーパーカブ110とスーパーカブ50はそれぞれ原付二種と原付一種といった区分の違いがあります。その他にも、いくつか違いがあります。スーパーカブ110と50は車体に関しては共通のものを互いに使用しています。そのため、見た目はあまり変わらないのですが、使われているエンジンが異なります。
スーパーカブ110の方がより強力な空冷4ストローク単気筒エンジンを採用しています。そのため、排気量、最高出力、最大トルク共にスーパーカブ50の倍近く高い数値をあげています。
車両価格はスーパーカブ110が約22万円、スーパーカブ50が約19万となっており、価格帯もあまり変わらないため、「普通自動二輪」の免許を持つ方の多くはスーパーカブ110を選択しています。
ホンダスーパーカブの燃費は悪いの?
ホンダスーパーカブのカタログ燃費ですが、110と50でそれぞれ63.5km/リッター(定速60km)、110km/リッター(定速30km)となっています。
こうして見るとスーパーカブ50の方が燃費性能がとても高く感じますが、これはスーパーカブ50は原付一種のため30km走行時燃費となるため高くなっています。速度にこだわらない方は50を選んだ方が、速度は落ちますが燃費数値を高く維持することができます。
スーパーカブはカタログ数値を見ても、かなり燃費数値が高いことが伺えます。もともと「カブ」は発売された当初から燃費性能が高いことが広く認められていましたが、実燃費はどのようになっているのでしょうか。
ホンダスーパーカブの実燃費は?
ここまでホンダスーパーカブについて紹介してきましたが、以下では実燃費を見ていきます。スーパーカブ110のカタログ燃費は60㎞定速走行時で63.5㎞/リッター(二名乗車時)となっており、WMTCモードで65.6㎞/リッター(一名乗車時)となっていました。
WMTCモードとは、国際基準となっている「発進」、「加速」、「停止」を含む走行モードで測ることです。定速走行時はいわば最良の条件での走行となるため、WMTCモードでの数値はより現実的な値となります。
そのWMTCモードでこれだけの燃費数値を記録することからも、このスーパーカブの燃費性能の高さが理解しやすいでしょう。
実はホンダスーパーカブは110と50の違いだけでなく、70といったモデルがかつて販売されていました。スーパーカブ110と50には配達用のモデルであるプロもあります。その燃費も後ほど合わせて見ていきましょう。
スーパーカブ110の燃費は?
スーパーカブ110はホンダスーパーカブの中で一番の排気量を持つモデルとなります。そのため、パワーや速度で言えば一番優れているモデルとなります。スーパーカブ110のカタログ燃費は60㎞定速走行時で63.5㎞/リッター(二名乗車時)となっており、WMTCモードで65.6㎞/リッター(一名乗車時)となっていました。
全期間の実燃費平均は約63㎞/リッターとなっており、夏場は68㎞/リッター、冬場は58㎞/リッターとなっています。夏場と比べるとは冬場は10㎞/リッターほど落ちてしまいますが、季節によっての燃費効率の違いはエンジンの温まりやすさによって現れ、エンジンが冷めて回転が悪くなりやすい冬の方が燃費効率が下がることが分かります。
スーパーカブ70の燃費は?
ホンダスーパーカブ70は1968年に販売を開始されたモデルです。70という数字の通り、排気量はスーパーカブ110と50の間の72ccのバイクになっています。こちらは原付二種区分となります。スーパーカブ70は1998年12月に販売が終了されています。
そのため、現在出回ってるもののほとんどが中古品になります。中古品の場合、部品のメンテナンスなどが十分になされているかを確認して購入することが大切になります。かえってエンジン周りが使いこまれている中古品の方が、回転がスムーズで燃費性能が高くなるような場合もありますが、基本的なオイル交換といったメンテナンスは燃費効率のために行っていきましょう。
スーパーカブ50の燃費は?
スーパーカブ50のカタログ燃費は先ほど紹介したように、定速30km走行時で110km/リッターという驚異的な数値を計測しています。ですが、実際には30kmを超える事例もあるため、実燃費の方はもう少し下がっています。
スーパーカブ50はスクーターではないためまたがって乗る形になり、走行時の安定性に優れています。また、丈夫であるという「カブ」特有の利点も十分に生かされていた性能となります。
スーパーカブ50の実燃費の平均値は約60km/リッター〜65km/リッターとなっていました。冬での走行時は55km/リッター〜60km/リッター、春秋は60km/リッター〜65km/リッター、夏は65km/リッター〜70km/リッターとなっていました。エンジンが温まりやすいからか、夏が1番燃費効率が高くなっています。
スーパーカブ110プロの燃費は?
スーパーカブ110プロは、郵便局や新聞配達などの配達に関わる方に向けて特化して作られたスーパーカブになります。そのため、発進と停車が多い走行条件や、様々な道路でも安定してた走行できるタフな造りとなっているなど、まさしくプロ仕様の配達車としての機能が備わっています。
スーパーカブ110プロのカタログ燃費は60㎞定速走行時で、66.0㎞/リッターとなっています。スーパーカブ110プロのみんカラでの実燃費は、レギュラーガソリンモデルの平均値は57.99㎞/リッターとなっていました。カタログ燃費の9割近くという驚異的な燃費性能の高さを誇っています。
ちなみにスーパーカブのノーマルとプロの違いは性能面においては基本的に違いがありません。外見上の違いとしては、プロは配達用として利便上ライトの位置がかごの前にあります。
スーパーカブ50プロの燃費は?
スーパーカブ50プロも先ほどのスーパカブ110プロと同じく配達員の方々に向けて特化して作られたモデルになりますが、110と比較するとより排気量が少ない原付一種のモデルとなります。
スーパーカブ50プロのカタログ燃費は30㎞定速走行時で95.0㎞/リッターとなっています。みんカラでのスーパーカブ50プロの実燃費平均値ははレギュラーガソリンモデルで52.45㎞/リッターとなっており、ハイオクガソリンモデルで42.78㎞/リッターとなっていました。
また、タイヤの大きさがプロが14インチ、ノーマルカブが17インチとなっています。タイヤの大きさで走り心地も変わるため、気になる方は乗り比べてみましょう。
ホンダスーパーカブの燃費向上方法とは?
ホンダスーパーカブの燃費向上方法を紹介していきます。まず、燃費向上方法として走り方の改善があります。スーパーカブのようなバイクでの燃費効率を上げる走り方のコツとしては、なるべくアクセルの開度を少なくして、ある程度速度が上がったらそこからその回転数を維持ていくような走りが燃費効率を上げます。
つまり、低い開度で速い速度、高いトルクであることがエコな運転のために重要な点となります。走り方を気を付けるということは、改造パーツを取り付けることよりも大きく燃費効率を上げることがあるため侮れません。ですが、以下ではさらに別に燃費効率を向上させる方法を紹介していきます。
ウインドシールドを付けたときの燃費はどうなる?
ウインドシールドとはその名の通り、バイクに受ける風を防ぐためのシールドについてを指します。このウインドシールドは取り外しが可能となっており、付けた場合は体に受ける風の量を大きく減らすことが出来ます。これにより、冬などは寒さから身を守ることが可能になるでしょう。
夏の場合はウインドシールドをつけているとかなり熱くなってしまうため、ウインドシールドは冬などの寒い時期に使用されるものとして考えられています。このウインドシールドを付けたことによる燃費の違いですが、付けない場合と比べて必ずしも変化があるわけではありません。
シールドを外して姿勢を大きく伏せて走行すれば、風の抵抗を減らすことが出来ますが、そのような姿勢で乗ることはまれのため、必ずしも燃費効率には反映されません。また、通常姿勢の場合は取り付けた方が却って自然に後方に空気が流れて、抵抗が減る場合があります。
また、取り付けることによって風を受ける疲労感を和らげるといった効果もあります。
オイル交換によって燃費向上?
オイルは定期的になるべく早めに交換することを心がけることで、オイルがエンジンに早く馴染んで回転数が上がりやすく速度が伸びやすくなり、結果的に燃費効率が向上する場合があります。また、どのようなオイルを使うかといったことも燃費効率に影響します。
まず、オイルには粘度というものがありますが、粘度が高ければ高いほどエンジン出力を消費しやすいと言われています。そのためなるべくさらさらとした粘度のオイルを使用した場合の方が燃料を消費しなくて済みます。特に、ホンダでは基本設計から柔らかいオイルを使って燃費効率を上げる取り組みを行っています。
また、こうした意見がある反面、高価なオイルや粘度を気にするよりも早め早めに安価なオイルを交換していることが大切であるとの意見も多くあり、そのあたりは各々で試してみるといいでしょう。
マフラーと燃費向上の関係とは?
ホンダスーパーカブには純正のマフラーが初めから取り付けられていますが、デザインを変更するために社外製のマフラーに交換するといった方もいます。純正のマフラーはすでに何回も検証され効率性を重視して取り付けられているため、基本的に燃費効率だけでなく、バランスよく設計されています。
デザイン性や静粛性のより高い社外製のマフラーに交換する方も増えています。ですが、スーパーカブはどちらかと言うと実用的なつくりが売りとなっている面が大きいため、デザイン面だけで社外製に交換するよりは、一番効率よく設計されている純正のマフラーが良いとしている方が多いことが分かりました。
実際、社外製のマフラーにしたことで必ずしも燃費に影響するわけではありませんが、そのあたりはよくよくマフラーの口コミなどを見てどちらがいいか決めるといいでしょう。
ホンダスーパーカブの燃費を比較してみた!
ここからはホンダスーパーカブのFI(フュエールインジェクション)車とキャブレター車のそれぞれの燃費の違いを比較することで紹介していきます。FI車とキャブ車にはそれぞれいくつかの違いがあります。キャブレターとは気化器の事で、霧吹きのようになっており、ガソリンを霧状にして供給するという特徴があります。日本では現在あまり一般的ではないタイプです。
インジェクションはキャブレターと同じ燃料供給装置ですが、こちらはコンピュータの電子制御式となっています。そのため、コンピュータによって供給するガソリン量を調整しています。キャブレターと同じくツインになっているモデルもありますが、インジェクションタイプの方が後に作られており、現在の主流となっています。
FI車の燃費は?
FIはインジェクションなどとも呼ばれますが、キャブレター車に比べてよりスムーズになっています。そのため、乗る方によってはパンチがないと思う方もいるようですが、コンピュータ制御のため安定した調子での走行を可能にしています。また、エンジン始動が楽で、メンテナンスの必要がほぼないといったメリットもあります。
FI車のデメリットとしてやはりパーツの高価さにあります。つまり、それによって故障やパワーアップの際に部品交換が必要になった場合に、部品の種類が少なく高くつくといったデメリットがあります。また、突発的な故障やコンピュータに関する故障が起こりやすいのもデメリットの一つと言えます。
キャブ車の燃費は?
キャブレター車はインジェクション車に比べて構造がシンプルになっています。そのため、突発的な故障も少なく、複雑な部品交換もないため、パワーアップの際などにも部品交換を簡単に安く抑えることが出来ます。
また、フィーリングが良いといったメリットがあり、パワーの盛り上がりを強く感じることが出来ます。音も特徴的で、一部のライダーの方にはとても好まれています。キャブレターのデメリットはスムーズでない点や、天候などによって調子が変わることがある点が挙げられます。
それぞれの燃費性能の違いとしては、実はあまりないことが分かっています。カタログ燃費ではインジェクションが上回っていますが、実燃費平均値としてはあまり変わりがないといった意見が多く挙がっていました。
スーパーカブは万能(スーパー)なバイクだった!
ホンダスーパーカブはスーパーというダイナミックな名前を冠している通り、非常に高性能なスーパー(万能)な設計のバイクとなっています。今回は燃費性能について中心に紹介しましたが、燃費においてもそのバランス力を十分に発揮しており、万能な性能を見せています。
また、カブの耐久性の高さをしっかりと受け継いでおり、走行安定性も優れているため、プロのような配達用にも上手く流用することが出来ます。カブは世界中で多く生産されていることも、その性能の高さが評価されていることの証であり、まさしくスーパーカブはスーパー(万能)という名に恥じない優秀なバイクです。
初回公開日:2017年09月29日
記載されている内容は2017年09月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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