ホンダスーパーカブ110の燃費は悪い?燃費向上方法とは?
更新日:2024年07月27日
ホンダスーパーカブ110の燃費は悪いの?本当はどうなの?
スーパーカブは、1958年に誕生しました。その後、マイナーチェンジを繰り返しながら60年が経ちました。ビジネスバイクとして活躍し、総生産台数1億台を突破したロングセラーモデルで、故障知らずと燃費の良さで定評のあるエンジン、タフな車体で日本のみならず世界で活躍しているビジネスバイクです。
果たしてスーパーカブ110の燃費が良いのか悪いのか、燃費を検証してみましたので紹介します。
新型スーパーカブ110の気になる燃費は?
「誕生60周年に向けて原点に立ち返り、一貫した継承と進化を図る」と言うconceptで開発が進められた新型スーパーカブ110、そのスタイルは往年のスーパカブ110と変わらないようにも見えますが、現代的に洗練されたデザインで上手く纏めらています。
特に新型は、エンジンフィーリングも見直されました。ビジネスバイクとして更なる耐久性を向上すべく各部品をが見直され、カートリッジ式オイルフィルターの追加装着で耐久性とメンテナンス性も高まりました。
気になる燃費は?
やはり気になるのは燃費でしょう。今、メーカーが発表する燃費には2種類の測定方法があります。
・定地燃費値:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
・WMTCモード値:発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。
定地燃費値は、昔からカタログなどに掲載されていた燃費で「実測にもとづいた」と記載されているので、正確な燃費かと思いきや「車速一定で走行した」と言う条件が、一般の使用状況からあまりにもかけ離れているために、参考になりません。言い換えれば「その車両の最高に良い条件だとこの燃費になります」的な内容です。
新型スーパーカブ110の定地燃費値 62.0㎞/(2名乗車時)となっています。WMTCモード値は「発進、加速、停止を含んだ」とあります。こちらの方が、実際に使用するときに近い計測方法と言えます。新型スーパーカブ110のWMTCモード値は67.0㎞/ℓ(1名乗車時)となっています。
WMTCモードの方が燃費が良いのは、1名乗車での計測ですから2名乗車で計測した定置燃費より良いのは当然の結果です。実際に使用してる人たちの燃費を平均化してみると「63㎞/ℓ」ホンダ公称値よりも低いが、なかなか高燃費をマークしています。
スーパーカブ110・プロ
このプロ仕様は、スーパーカブ110の原点で配達業務に大活躍しています。積む、運ぶ、配るに特化した新型のプロ仕様で、新型スーパーカブ110とプロ仕様で車体やエンジンに特別な差はありません。
スーパーカブ110の方がカジュアルなデザインに対し、プロ仕様は実質剛健です。フロントの大型バスケット(標準装備)に物を積む事を想定して、ヘッドライトの位置が変わっていたり、リアキャリア(標準装備)が大型の物に変更されているなど、配達業務を支える作りになっています。
実際、官公庁などでも活躍しており、郵便局の赤色のバイクもスーパーカブです。そのプロ仕様の気になる燃費だが、メーカー公称値としては先の新型スーパーカブ110と同じ数値になっています。若干の装備が違うくらいで、基本は同じバイクでエンジンも同じなので、公称値に変化はありません。
JA07 旧型スーパーカブ110の燃費は?
前モデルのスーパーカブ110は、2009年に発売が開始されました。排気量が110㏄になったのもこのモデルからで、それまでは90㏄でした。新型110㏄エンジンを搭載するべくフレームも見直され、外観は従来のイメージを保ちながら、中身はガラリと変わったのもこの頃です。
アセアン・グローバルモデルと位置付けられ、海外輸出が本格化されると同時にアジア圏にあるホンダ工場で一部の主要部品を作成し、日本の工場で最終的に組み立てる方式が一般化したのもこの時期です。
JA07では、タイ・ホンダ工場でエンジン、フレームの一部を調達し、ホンダ熊本工場で組み立て生産が行われていました。ホンダ公称燃費値63.5(60km/h定地走行テスト値)実際に使用してる人たちの燃費を平均化してみると「57㎞/ℓ」で、公称値に比べると下がるが、なかなかな高燃費をマークしています。
国内向けスーパーカブ110のモデルチェンジ
2012年、将来的な騒音や排出ガス規制が世界統一される事や、ポテンシャルの向上を踏まえ、全世界基本設計統一したモデルチェンジが行われました。これにより、通称「グローバル・カブ」と呼ばれるようになります。
国内向けのスーパーカブ110もモデルチェンジしました。ヘッドライトが角型となり、直線基調のデザインになりシルエットも大きく変化します。このモデルチェンジでホイールベースが長くなり、直進安定が向上しました。グローバル化されたことで、価格が2万円値下げを発表されたのも、ニュースで話題となり記憶に新しいです。
JA10 クロスカブ110 スーパーカブ派生モデル
2012年11月に、ホンダ本社のウエルカムプラザで開催されたスーパーカブファンの集いで、スーパーカブの新たなる方向性を提案するモデルとして、クロスカブ(CC110)が発表されました。
名称の「クロス」とは、日常と遊びをクロスオーバーさせる意味を持ち、アウトドア・ジャーを意識した仕上がりとなっている。
2013年のモータショーにも出展され、多くのカブファンから発売時期の問い合わせを受け、同年6月に正式に発売が開始されました。現行モデルでもあり、新車での購入が可能なモデルです。基本的なスペックは、新型スーパーカブ110と変わっていません。
ホンダ公称燃費値62.5㎞/ℓ(1名乗車時)0.5ほど良くなってる燃費数値は、1名乗車での計測です。CC110は1名乗車定員です。
ホンダスーパーカブ110の燃費向上方法を考える
ホンダ公称燃費値62㎞/L(2名乗車時)を誇るスーパーカブ110です。更なる燃費の向上を目指して、方法を考えてみましょう。
運転方法で燃費は変わるのか?
スーパーカブ110を購入動機として、やはり燃費の良さを期待するのは事実でしょう。その燃費も、実は運転方法や季節で変わって来ることをご存知でしょうか。また、スーパーカブ110に限らず、他のバイクや自動車でもそうなのですが、使用状況によって燃費は大きく変わってきます。
例えば、信号の多い都市部なのか、郊外の信号が少ない道なのか、坂道が多いか、平坦か、アクセルは操作は、ギヤの変速タイミングは、ご自身の体重(失礼)や積載している荷物の重量は、これらのことは、全て多かれ少なかれ燃費に影響してきます。
実際の使用をシュミレーション
これは、1つのシュミレーションですが、通勤で使用してる1つのモデルケースとして検証します。
【条件】平日の通勤で使用し、片道6㎞、往復12㎞を走行。信号待ちはやや多め、行程の7割は平坦路、自身の体重は約70キログラム積載している物は、カッパや手回り工具で2キログラム程度、車両はノーマル。運転は、普通に法定速度を順守しての走行。燃費を良くする事をあまり意識せずに運転している。
ごく一般的な使い方ですが、これで実測燃費として60㎞が検証されています。素晴らしい性能です。ここで荷物が多くて車両重量が増えたり、坂道が多いなどのいわゆるエンジンの負担が増せば、その分燃費は落ちて行きます。
運転も急加速を繰り返したり、平均速度を上げるような運転はエンジンに負担を掛けますので、燃費は悪化します。
風防
スーパーカブ110などで良く見るオプションパーツが、この風防(フロント・スクリーン)走行風が直接ライダーの体に当たるのを防いでくれるので、疲労度が全く違います。配達業務のバイクには装着されているケースが多く、他にも冬場の冷たい風を防ぐ効果も期待できます。
見た目は、ほぼ直立状態で装着されており、あきらかに風の抵抗を受け燃費に影響を受けるように見えますが、実際のところどうなのでしょう。製品自体は、メーカー純正オプションの他に社外汎用品があり、価格もピンキリです。
風防を付ける?
基本的に、ポリカーボネイト製で軽量で装着も簡単で重量増による燃費への影響は無いでしょう。走行時の風の抵抗感ですが、装着してる人の意見を伺うと『風防は風をガードするものだから、アクセルが重くなって速度が落ちてしまう』と装着前はやはり考えたそうです。
しかし、実際に取り付けて走ってみると、全く何の影響も無かったそうです。むしろ、安定感が増したように思えると言う意見もありました。気になる燃費ですが、装着前後で特に変化が無いようで、風防による燃費の悪化はないと判断できます。
ボアアップで排気量を増やすと燃費は?
実際、スーパーカブ110のエンジンを改造して、ボアアップする人がいるかいないかは解らないがせっかくなので検証してみました。
まずボアアップとは、エンジンのシリンダー内系の事を意味しており、ここのサイズを上げて排気量を増やします。スーパーカブ110の場合、社外品でボアアップ・パーツは、幾つか発売されています。これらのパーツを組み込むと、110㏄→125㏄となります。
※重要保安部品に当たるので改造作業には整備士の資格が必要です。
排気量が大きくなるのでエンジンパワーも大きくなり、スピードも速くなります。今まで開けていたアクセル開度が少なくなる分、燃費には貢献します。しかし、実際には排気量が変わるので、登録も再申請が必要だってり保険適用も変わって来る可能性があります。また、メーカー保証などは基本的に受けられません。
他にメーカーが強度計算して作らた車体各部に、設計以上のパワーが伝達するので、強度的な不安も出て来ますので、リスクを理解して考えた方が良いです。
※お薦めはできません、また燃費以上に別の費用が大きいです。
スーパーカブ110の燃費は良い
ここまで、スーパーカブ110の性能や燃費を考察して来ましたが、やはり実用燃費が60㎞/Lと言う数字は、絶対的に素晴らしい数字です。そして、故障も少ないタフさを併せ持ち、ビジネスシーンでもプライベートでも活躍してくれます。
燃費の向上には、普段の運転でちょっとした気配りを持つ事で大きく変わります。スーパーカブ110を優しく扱って、省燃費走行で省エネも実践できます。環境にもお財布にも優しいスーパーカブ110、これからもますます進化を遂げて行くでしょう。
初回公開日:2017年11月22日
記載されている内容は2017年11月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。