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サーブ車|特徴・メンテナンス情報・のタイプ・の車種

更新日:2024年07月31日

2017年度よりブランド名を社名と同じNEVSに変更し、残念ながらサーブブランドは消えてしまいました。個性的なスタイルと、低速から効くターボエンジン、安定した足回りの、マニアにはたまらないと言われるサーブ車についてご紹介します。

サーブ車|特徴・メンテナンス情報・のタイプ・の車種

サーブ車の特徴

スウェーデンの航空・軍需品会社のサーブ社は、1940年代に自動車開発に乗り出します。1946年には航空機メーカーらしく、当時では珍しい風洞実験を行い、モノコック構造の水滴形ボディーに2サイクルエンジンを載せた車「92001」を完成させました。

1950年には「92001」の量産型の車「92」を販売開始。「92」はそのスタイルから四輪を持つ翼と呼ばれていました。この「92」の発展モデルは1980年まで製造され続けました。

1977年発売の、ターボエンジンを搭載した世界初の量産市販車「99ターボ」は、スタイリングと高い安全性でアメリカを中心にヒットします。サーブの車名には「9」が付きますが、これはコードナインといって民間向け製品を意味しています。軍需用品会社のコード9イコール平和用品ということになるでしょう。

その後GMの傘下になったサーブは、2000年以降GMの衰退と共に落ち目になってしまいます。何度か経営権が移ったり、破綻を繰り返し、2017年度にサーブブランドは消滅することになりました。

エンブレム

サーブのエンブレムは、陸の王者のライオンのボディーに、空の王者である鷲の頭と翼がついている、架空の怪獣グリフィンです。ギリシャ神話に出てくるグリフィンは黄金の宝を守る怪獣で、守護と強さの象徴です。航空機メーカーの製造する自動車にぴったりのエンブレムです。

ロゴ

サーブのロゴSAABはスウェーデン語の「Svenska」「Aeroplan」「AB」の略です。「AB」はAktiebolagの略で株式会社を意味します。続けて読むとスベンスカアエロプランアクチエボラゲとなり、スウェーデン航空機株式会社という意味です。

値段

サーブには現行車種がありませんので販売終了車種の新車価格を表示しています。

サーブ          
9-3:380〜630万円 
9-3X:520万円        
9-3カブリオレ:654万円      
9-3スポーツエステート:400〜650万円

サーブ
9-5:580〜695万円
9-5エステート:490万円

サーブ         
900:345〜426万円       
900カブリオレ:518〜572万円     
900クーペ:322〜430万円
900セダン:435万円

サーブ
9000:430〜646万円
9000セダン:408〜624万円

内装

ドライバーの全面でわずかに湾曲したインスツルメントパネルは、夜間走行時にスピードメーターのみの表示になるナイトパネル付きです。その航空機のコクピットのようなメーターパネルと囲まれ感、スカンジナビアデザインで暖かくスマートに仕上げられた内装です。

そしてサーブの特徴のひとつがイグニッションスイッチの位置です。運転席と助手席の間のセンターコンソールにイグニッションスイッチがあるので、初めて乗る人はエンジンをかけるのに戸惑うこともあるでしょう。

最近のプッシュスタートのイグニッションスイッチは、センターコンソールにあるタイプも多いですが、鍵を差し込むタイプで通常どおりドライバーの右側に無いのは、ポルシェとサーブだけです。この位置にあるのは、衝突時に鍵で膝を傷付けることがないようにという安全面からです。

サーブシリーズの燃費

サーブ 9-3シリーズ

1998年6月(平成10年6月) 発売のSAAB 9-3SE2.0Tの燃費は8.1km/Lです。
型式: GF-DB204
排気量: 1984cc
ドア数: 5
ミッション: 4AT
駆動方式: FF
定員: 5

サーブ 9-5シリーズ

1997年10月(平成9年10月) 発売のSAAB 9-5SE2.3tの燃費は8.6km/Lです。

型式: GF-EB235
排気量: 2290cc
ドア数: 4
ミッション: 4AT
駆動方式: FF
定員: 5

サーブ 900シリーズ

1989年10月(平成元年10月) 発売のSAAB 900ターボ16Sの燃費は10.2km/Lです。

型式: E-AB20S
排気量: 1984cc
ドア数: 3
ミッション: 3AT
駆動方式: FF
定員: 5

サーブ 9000シリーズ

1988年10月(昭和63年10月) 発売のSAAB 9000ターボ16の燃費は11.1km/Lです。

型式: E-CB20S
排気量: 1984cc
ドア数: 5
ミッション: 4AT
駆動方式: FF
定員: 5

性能

サーブは優れた操縦性を持つ前輪駆動車です。ドイツ車とはあきらかに違う独特のフィーリングを持っていて、旋回性能に重きを置き過ぎた感のあるドイツ車の、操縦性や乗心地がピンとこない人にサーブはお勧めです。

立っているフロントガラスが左右まで回り込み、それとは反対のリアに流れるようなCピラーがクラシックサーブ車の特徴でした。このデザインによって視界が良くなり、非常に少ない空気抵抗を実現しています。年式の新しい車種では、その特徴は弱くなっていますが面影は残っています。

この空気の流れを大切にしたデザインは、航空機メーカーならではのこだわりと言えますし、すべての車種に共通したフロントグリルだけで、サーブの車だということがすぐにわかります。

安全性

ボルボというと衝突安全性ですが、サーブもGMグループ時代に、ドイツのオペル社と共にグループ内の衝突安全の技術標準をリードする立場にありました。決してボルボに劣るという事はありません。

サーブが開発したムチ打ち防止用ヘッドレストがあり、「アクティブヘッドレスト」と呼ばれています。

サーブのドアハンドルが丸い円状になっているのは、事故で閉じ込められた場合、ドアを外部から引開ける時、ウィンチなどを引っかけることを想定した設計だそうです。

サーブ車のメンテナンス情報

故障

スウェーデンはかなり北に位置しますので冬は非常に寒く、雪の中での車の故障は死をも意味するといっても過言ではありません。そんなスウェーデン車のサーブは、故障が少なく丈夫で、荒れた道や雪道も安全に安定して走れる車です。

タフでエレガントなサーブも古い車になると故障箇所もでてきます。サーブブランドは無くなりましたが、日本の正規輸入権のある業者ピーシーアイが、今後も部品供給することを発表しています。車に大きな問題が出てしまった時の対応も何とかなりそうです。

整備

サーブの名前が消滅し、心配なのがアフターサービスなどの対応です。しかし、そこは安心してください。サーブ車を生産していた会社が無くなるわけではありません。近くに整備してもらえる工場が無い、サーブの良さを分かち合いたいなど、気なる方はサーブオーナーズクラブ会員になって先輩方に色々教えてもらいましょう。

サーブ車ののタイプ

1967年、その後のサーブスタイルの原型とも言える、ミディアムサイズの「99」が登場します。

1977年にはターボエンジンを搭載した「99ターボ」が登場し、アメリカを中心にヒットします。1978年には主力モデルを改良型の「900」へと移し、その個性的なスタイリングと、パワフルなターボエンジンの組み合わせがアメリカや日本などで高いを呼びます。

1980年代に入り追加された900カブリオレは女性を中心にヒットしました。

サーブ車のの車種

900

1993年誕生のサーブNEW900シリーズはオペルベクトラとフロアを共通しています。

エンジンユニットは直列4気筒DOHCの2L(130馬力)と新設定2Lターボ(185馬力)、2.3L(150馬力)、V6 2.5L(170馬力)の4種類で、駆動はFFです。トランスミッションは5速MTと4速ATの2種類があります。

ボディータイプはハッチバックドアの5ドアセダンと3ドアクーペ、カブリオレの3種類です。

「900SE2.0ターボクーペ」はセントロニックと呼ばれるセミオートマチックが用意されます。

9-3

サーブ900シリーズの後継車ミディアムサイズの9-3シリーズです。

エンジンユニットは2L直4DOHCインタークーラー付きターボ(205馬力)と同低圧ターボ(150馬力)の2種類で、駆動はFFです。ボディタイプはハッチバックドアの5ドアセダンと2ドアカブリオレの2種類です。

トランスミッションは電子制御の4AT。エアロ2.0TSグレードについては特別注文の5MTもありました。

9-5

サーブ9-5の2009年モデルはエステートのみの導入です。

エンジンユニットは2.3Lインタークーラー付き直列4気筒DOHCターボチャージャー付きエンジン(低圧ターボ、185馬力)で、トランスミッションは電子制御式5速ATです。

サーブを楽しみましょう!

サーブと言えば、個性的、低圧ターボは安全で秀逸、スカンジナビアデザインの上質なインテリア、という以外に特筆すべきことはないという意見が一般的でしょう。

しかし、一回サーブを所有すると次もサーブ、次もサーブ、一生サーブと惚れ込んでしまう人が多いです。所有者は、うまく説明できないけれど、高級ドイツ車では得られない何かがあると言います。希少車になりつつあるサーブと説明できないレスポンスを味わってみませんか。

初回公開日:2017年11月15日

記載されている内容は2017年11月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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