プリウスαの燃費向上の裏ワザ|夏、冬の外出でどう乗るか?
更新日:2024年07月31日
プリウスα燃費の良い走り方
2011年から発売となったプリウスα、3代目プリウスをベースにしたミニバンスタイルで5人乗りと7人乗りから選ぶことができます。本格的なハイブリッド車として設計されたプリウスαですが、その燃費性能は走り方や使い方に左右される部分も多くあります。燃費良く走るための取り扱い方について解説します。
プリウスαでの冬の外出
プリウスαの冬場や寒冷地での走行には、やはりヒーターが欲しくなります。エアコンによる暖房を利用すればこの電力の消費によって燃費が悪化してします。また、特に寒冷地での使用の場合には、バッテリーの特性上、十分な性能が発揮できない場合もあり、車室内の温度をある程度上げてやる必要もあります。この冬場の暖房をどう設定するかによって燃費も乗員の暖かさも大きく変わってきます。
始動時の暖房
プリウスαでは、通常、走行用バッテリーの充電量が十分に高ければエンジンが自動停止します。しかしながら始動時に暖房ONにしておくと、車内が温まるまでエンジンが自動停止しません。そのため最初から温度設定をあまり高くせず利用し、自然と走行によって車が温まっていくのを待つことで燃費が向上します。
また、寒冷地での始動時ですが、低温環境下では走行用バッテリーが十分な性能を発揮できません、過剰な暖気は、燃費性能上不利になりますが、バッテリーをうまく動作させるためにも、ある程度は暖気が必要です。
エコドライブモードでのエアコン動作
プリウスαでは、エアコンをAUTOに設定し、走行モードをエコドライブモードにすることで、エアコンの動作を燃費重視で制御しながら走行することができます。これによって比較的控えめな暖房の効き具合になってしまいますが、燃費とのバランスのとれたエアコン動作になります。
暖房を効かせたいときは?
プリウスαのドライブモードの設定をエコドライブ以外の設定にするか、もしくはエアコンをマニュアルで操作します。風量や温度設定を手動で行うことにより、車両側の自動調整が介入することなくエアコンをコントロールできます。また、外気導入/内気循環の切り替えは、内気循環にしておくことでより早く室内を暖めることができます。
シートヒーターを効果的に使う
プリウスαでは、グレードによってシートヒーターが装備されているモデルがあります。このシートヒーターも電力を使いますので燃費には多少影響がありますが、エアコンほどではありません。エアコンの効き具合を弱めにし、シートヒーターを効果的に使うことで暖かなドライビングが楽しめます。もちろん燃費第1で走行する場合には、エアコンオフで走行することをお薦めします。
プリウスαでの夏の外出
プリウスαにおいては、夏もやはりエアコンの効きと燃費の伸びが相反する動きになりますので、やはり涼しくし過ぎると燃費性能が低下してしまいます。暖房の時と同じく、エアコンをAUTOに設定しドライブモードをエコモードにすることによって、燃費重視でエアコンを制御しながら走行することができます。この場合、例えばアイドリングストップ時にエアコンの出力が弱まったりするなどの制御が自動的に行われます。
夏場の始動時
夏場はバッテリー温度が十分高いので、短時間の暖気で十分です。プリウスαを始動後、数分で出発し無駄なガソリン消費を抑制します。
冷房を効かせたいときは?
これも暖房の時と同じく、プリウスαのエコモードをOFFするか、エアコンをマニュアル設定で調整します。これで燃費走行とは独立してエアコンを動作させることができます。
燃費第1で走るには?
プリウスαで、エアコン関連の電力の消費を0にするためには、やはりエアコンをOFFするのが1番の策です。しかしながら、暑い車内で熱中症になったり脱水症状になる可能性もありますので、窓を開けたり水分を取るなど十分に気を付けて走行してください。特に暑い気候の場合には、やはり弱めにでもエアコンの利用をお勧めします。
高速道路
プリウスαのようなハイブリッド車では、エンジンが回っているときに、燃費効率が悪いエンジン回転領域をなるべく使わないように、モーターが不足するパワーをアシストします。たとえば加速が必要なときに、ドライバーがアクセルを踏み込むと、通常の車ではエンジン回転が高まり、踏み込み具合に応じてトルクの高いところまでエンジン回転が高まります。
ところがモーターで補助することができるプリウスαのようなハイブリッド車では、エンジンの回転を上げることなく、モーターがアシストして車を加速させようとします。それでもドライバーがアクセルを踏み続け、加速が足りないような場合には、エンジンの回転が上がりトルクがより高い領域を利用することになります。この結果、燃費が悪化してしまいます。
高速道路だけに限ったことではありませんが、回転計をみながら、エンジン回転が上がり過ぎないように運転するのが、燃費向上のコツです。静かにアクセルを踏み込むことにより、走行用バッテリーに残量があればほぼモーターアシストだけでも十分な加速が可能です。
プリウスαのメーター・インストルメントパネル内のマルチインフォメーションディスプレイには、ハイブリッドインジケーターによってハイブリッドシステムの現在の状態が表示されます。アクセル開度に応じて、インジケータの表示が変化するのですが、「PWR」の領域に達しないように「ECO」の範囲だけで運転をします。これだけでも燃料消費を抑えた運転が可能ですが、「ECO」領域の中でもインジケータのゲージができるだけ振れ幅が小さくなるように走る方が燃費を良くすることができます。
そのためには、急加速にならないようにアクセルを踏み、先の渋滞などによる速度低下が見込まれるときは、早めのアクセルオフで速度調節します。回生ブレーキによって、少しでも走行用バッテリーの充電をするようにするためにも、急激に停まらず、エンジン(回生)ブレーキで速度を調節しながら走行します。これによってエンジンが、ガソリン消費の激しい回転域を使いませんので、全体の燃費を向上させることができます。
エアコンをつけて
プリウスαのエアコンの動作は、上記のとおり、「エコモード」&「エアコンAUTO」で使うことで燃費重視でバランスのとれたドライブが可能です。エアコンの操作スイッチは、手動設定している項目以外はすべてAUTOの設定になりますので注意が必要です。例えばエアコンの風量を手動で設定した場合でも、外気導入・内気循環を手動で指定していない場合には、そこはAUTOで車側が自動的に切り替えて動作することになります。エコモードになっている場合にはAUTOになっている項目をシステムが自動的に制御します。
燃費の良いタイヤ
プリウスαに、低燃費タイヤを装着することにより、若干ではありますが、燃費性能を向上させることができます。タイヤの転がり抵抗を少なくすることにより、タイヤを転がりやすくして燃費を向上させます。よくタイヤのデモなどで見かけますが、両側が高く真ん中が低くなったスロープに転がすと、スロープ上で行ったり来たりを繰り返し、従来のタイヤよりも低燃費タイヤの方が長い間行ったり来たりして転がり続けます。
転がり抵抗の少ないタイヤは、その反面ウェット路面でのグリップ性能が低下する傾向があります。しかしながら最近では、シリカと言われる成分を配合することにより、これらの性能を両立するものが開発され販売されています。そして転がり抵抗係数は、A~AAAのランクで、ウェットグリップ性能は、a~dのランクで性能表示がされています。
実際の燃費性能との関係は、低燃費タイヤ以外のものと比較して3~5%程度の燃費改善が見込まれます。いままで1Lで10km走っていた車が、10.3~10.5km走るようになる計算です。これを聞いただけでは効果が小さいように感じますが、1万kmの走行で30~50L程度のガソリンを節約することができると考えれば、年間走行距離を勘案して、燃費性能の良いものを選ぶ方が得策です。
すでに燃費性能のよいプリウスαであっても、低燃費タイヤを使用するだけで更なる燃費改善が期待できます。
瞬間燃費表示で感覚を身に着ける!
プリウスαに限ったことではありませんが、メーター内の瞬間燃費表示を見ることでアクセル開度に応じた燃料消費の様子を知ることができます。特に走行中の坂道のアップダウンの度合いとアクセル開度に応じた加速の関係を感覚的に身に着けることができると、燃費走行にはとても役に立ちます。
例えば緩い下り坂では、ほとんどアクセルを踏み込まずに加速が可能ですし、逆にある程度スピードに乗っている場合には、アクセルオフにして回生による充電も可能です。緩い上り坂では、瞬間燃費値が極端に悪くならない程度に踏み込んで、燃料をセーブします。
プリウスαの瞬間燃費表示とハイブリッドインジケーターを意識した運転により、燃費を向上させる運転が自然と身に付いてきます。
燃費向上パーツ
ハイブリッド専用設計されており、燃費の面ではあらゆる対策が取られているプリウスαですが、後付パーツで燃費向上を期待できるパーツを紹介します。
後付けクルーズコントロールキット
プリウスαのクルーズコントロール設定車以外に、後から取り付けるタイプのクルーズコントロールキットが販売されています。こちらを装着して定速走行を行うことで、燃費の向上を狙っています。長距離の高速運転をよく行う方は、ドライバーの負荷を減らすという面でもあると便利な機能です。
燃費の面では、平坦で一定速で長距離を走り続けられる道路状況においては、クルーズコントロールによる定速走行による燃費の向上が可能です。人によるアクセル操作では、やはり長時間の定速キープは難しく、機械による制御の方が効果が期待されます。
燃費比較
プリウスαの現行モデルから過去のモデル、そしてプリウスシリーズの燃費性能を比較しながら見ていきます。
中古
2011年、東日本大震災の直後に発売されたプリウスα、2列シート車と3列シート車がラインナップされました。グレードは現行と基本は同じでG系とS系が展開されました。公称燃費性能は、10・15モード走行燃費31.0km/L、JC08モード走行燃費26.2km/Lを実現しています。
新型
プリウスαは、2014年にマイナーチェンジを実施し、これが現行車両として現在も販売が継続されています。1.8Lエンジンを搭載するハイブリッドシステムで、2列シート(定員5名)と3列シート(定員7名)が選択可能です。グレードは、大きく分けてG系とS系の2タイプ、公称燃費性能はJC08モード燃費で26.2km/L、レギュラーガソリン仕様です。
ハイブリッド
プリウスαのハイブリッドモデル発売以降、ベースとなったプリウスのフルモデルチェンジが行われています。トヨタのプリウスシリーズ間で燃費を比較して紹介します。
4代目プリウス
2015年にフルモデルチェンジしたプリウスは、ついに4代目。徹底した省燃費設計によりAとSグレードではJC08モード燃費で37.2km/Lを実現しました。さらにシンプルなEグレードにおいては40.8km/Lと40km/L代の数値を達成しています。
プリウスPHV
上記4代目プリウスをベースとしてプラグイン化されたモデルです。ハイブリッド車としての基本性能は同じであるため、JC08モード燃費は37.2km/Lを達成しています。
プリウスαの燃費性能
上記、「新車」の項目で紹介したように、現行プリウスαの燃費性能は、JC08モード燃費で26.2km/Lです。3代目プリウスがベースとなっていることもあり、燃費性能では新しい世代のプリウスに大きく溝をあけられています。
4代目プリウスの車両重量は1,310-1,460kg。これに対しプリウスαは1,450-1,490kgと車室内の大型化による重量増が影響しています。しかしながらバッテリーをたくさん積んだプリウスPHVと比較すると、逆に50kg程度プリウスαの方が軽量になっています。プリウスPHVに代表される、トヨタの新世代ハイブリッドの技術力の進歩が著しいことがわかります。
このプリウスαも、4代目をベースとしたものに置き換わることによって35km/L以上の燃費性能を発揮するものと期待されます。
プリウスαをよい燃費で走らせよう!
本格的なハイブリッド専用設計で、3列シートのミニバンスタイルを実現したプリウスα、マイルドハイブリッドでは実現できない高い燃費性能を達成しています。多人数の家族構成やたくさんの荷物を積み込む必要性から、このような燃費のよい3列シートのハイブリッド車の需要は大きく、プリウスαはそんな中で希少な存在です。
暖房や冷房を多用する季節には、どうしても燃費性能が犠牲になりがちですが、プリウスαをその特性を理解した使い方をすることで、ある程度燃費の悪化はさけることができます。アクセルワークや運転の仕方のちょっとした工夫で、プリウスαの燃費性能を向上させることが可能です。
初回公開日:2017年10月23日
記載されている内容は2017年10月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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