軽自動車の排気量とは?排気量・税金・メーカー別・車種別
更新日:2024年08月04日
軽自動車の排気量って何cc?
軽自動車の排気量について詳しくご説明します。
排気量をアップすると?軽自動車の最大排気量は?
そもそも自動車の排気量(cc)とは、自動車の原動力となるエンジン内部のピストンが押し出す混合気体の容積を表していています。
この混合気体とは、ガソリン車であれば、燃料のガソリンと空気が混合された気体で、この混合気体の容積が大きいほど排気量が大きく、これがエンジンプラグのスパークで、より大きな爆発的パワーを出せるということになるのですが、現在の軽自動車は「排気量660cc以下」と定められています。つまり、排気量が660ccを1㏄でも超えてしまう自動車は、もはや軽自動車ではないのです。
現在、軽自動車を所有する最大のメリットは、毎年支払わなければならない自動車税額の安さでしょう。排気量が大きいほど自動車税額が大きくなる普通自動車に比べて、平成27年4月の法改正で自動車税が増額されたとはいえ、排気量660㏄以下の軽自動車での1年間の自動車税額は10800円です。
ところが、排気量が1㏄でも多く超えた場合には自動車税は普通自動車と見なされ、排気量1000㏄未満で29500円にまで上がり、さらに排気量1500㏄以下であれば34500円となるのです。いかに軽自動車税が優遇されているかがわかります。
軽自動車の規格と制限って何?
税金面で優遇される軽自動車のは、最近の販売台数にも比例しているようですが、現在の軽自動車の大きさに関する規格は、全長3.40m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下とされています。これこそが軽自動車の大きさを制限するルールで、各自動車メーカーは、この制限の中で最大限の室内空間の確保や利用、確かな安全性など、様々なアイディアで切磋琢磨しています。
また、定員は4名以下で、高速道路の制限速度は100km/hとも規定されています。軽自動車の速度制限に付随して、日本国内の普通自動車の速度メーターは最高速度180km/hが一般的ですが、軽自動車は140km/hが一般的です。また装備される純正タイヤの速度限界も、普通自動車に比べて、軽自動車は低く設定されているのが一般的です。
排気量の変更と拡大の変遷は!?
軽自動車の排気量は、1955年に販売が始まった日本で最初の軽自動車は、わずか360㏄の排気量でした(現在のスズキが製造したスズライト)。その後、1975年に軽自動車の排気量は550cc以下に改正され、1990年に現在の排気量660㏄以下へと改正されました。
1990年からおよそ27年も続く660㏄以下という軽自動車の排気量ですが、この改正と税金優遇には、税額が大きく異なる普通自動車との「垣根」を壊そうとする声もあるようです。
つまり、軽自動車の最大のメリットである税金優遇措置が見直される可能性もあるのですが、といって悪い側面ばかりではなくて、軽自動車の大きさが見直されたことで、死亡事故からドライバーや搭乗者の命を守る為の安全性能が向上したことも事実なのです。
ハイブリッド軽自動車
普通自動車ではハイブリッドカーが売れに売れ、エコカー減税などの自動車税額の優遇もさることながら、ガソリン車をしのぐ低燃費が目立ちます。一方、軽自動車はというと、エコカーという言葉は耳にするものの、ハイブリッドという言葉はほとんど聞こえてきません。
実際にはハイブリッドエンジン搭載の軽自動車があるにも関わらず、ハイブリッド軽自動車が流行らない背景には、軽自動車そのものの価格が低いことが起因するようで、ハイブリッド仕様による価格高が、消費者にとっては割高に感じてしまうようです。
軽自動車のナンバープレートと特別仕様ナンバープレート
軽自動車の特徴を示すナンバープレートは、自家用であれば黄色いプレートに黒字、貨物などの事業用であれば黒色のプレートに黄色字というように定められています。この「黄色いナンバー」と「価格安」というイメージが先行して、軽自動車の黄色いナンバープレートを嫌がるオーナーがいるのも事実のようです。
そんな方に朗報ですが、2017年は「ラグビーワールドカップ」と、2020年の「東京オリンピック及びパラリンピック」を記念して、特別仕様として、軽自動車では初めての「白色ナンバープレート」の取得にが殺到しているようです。
取得には地域によって異なる寄付金と交付料金が別途必要なのですが、2017年4月に交付が始まったラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレートの申し込み者数は、東北地方では他の地域の数倍にもなったそうです。興味がある方は、国土交通省のサイトやお近くのディーラーに問い合わせてみて下さい。
軽自動車のメリットとなる排気量と税金の関係は?
排気量の小さな軽自動車と、普通自動車との違いによるメリットとしては、年間の維持費の違いがあげられるでしょう。維持費の中には、毎年5月の自動車税がありますが、減税を考慮しない条件で、排気量が660㏄以下である軽自動車の現在の軽自動車税額は年間10800円です。
これに対して普通自動車、例えば1200㏄の日産マーチは、年間で34500円の自動車税額となり、自動車税だけで年間2万円以上の差が生じます。10年も所有すれば、20万円以上もの差になるのです。
また、自動車の重さによって変わる重量税も、軽自動車は一律3300円ですが、先ほどのマーチであれば8200円となり、購入時や車検の際にも費用の差が生じます。また、消耗品であるエンジンオイルの量や、消耗パーツのタイヤやブレーキなど、大きな普通自動車と、小さな軽自動車では、全て価格となって差が生じます。
このように、税金面や消耗部品の価格が下がることで、普通自動車に比べて維持費が安い、軽自動車のの秘密に納得が頂けたかと思います。
の軽自動車とメーカー別・車種別・軽自動車の排気量
自販連と全軽自協によって発表された、2017年上半期の軽自動車販売台数の上位5車種は次の通りです。
第5位 ワゴンR(スズキ、658cc)5万8981台/スズキのブランドとも言える軽自動車。
第4位 タント(ダイハツ、658㏄)6万5225台/助手席と後部座席のスライドドアを全開すると148cmもの大開口ドアを装備したファミリーにの軽自動車。
第3位:ムーブ(ダイハツ、658㏄)6万7021台/燃費重視のモデルと、トルクとパワー重視のターボモデルが選べる、安定したを誇る軽自動車。
第2位:デイズ(日産、659㏄)6万7262台/日産と三菱の技術コラボで安全性を最優先とした、可愛いワゴンタイプの軽自動車。
第1位:新型N BOX(ホンダ、658㏄)9万4601台/軽自動車で最高峰の室内空間を備えたの軽自動車。その販売台数実績は普通自動車をも超える。
1位のホンダ新型N BOXは、エコカー減税100%の車種をおさえて、2位、3位から販売台数をおよそ3万台も多く売り上げるぶり。軽自動車という限られた制限を、最大限に工夫を凝らしたホンダのアイディアと技術を凝縮したような軽自動車で、軽自動車を感じさせないまでの室内空間にとどまらず、初代N BOXの不満点を一掃して、全く新しいN BOXとして生まれ変わった軽自動車。
一方で、女性にを博した日産のモコ(上写真)が2017年で販売中止が決まるなど、時代の変化を感じる中で、可愛らしいネーミングとルックスのㇻパン(スズキ)や、ターボ車の選択と高い燃費性能のミラ(ダイハツ)、軽スポーツという枠でコペン(ダイハツ)やS660(ホンダ)など、様々な顔を持った軽自動車のも、まだまだ根強いようです。
自分に合う軽自動車をみつける一番の方法とは?
の軽自動車の販売台数に見られるように、各メーカーで軽自動車の排気量による差はありません。
「排気量はどれも同じで維持費も安い」となれば、自分に合った軽自動車を探す為の要素は「どんな軽自動車が欲しいのか」という事になるのですが、普通自動車に比べれば、新車価格の幅は100万円~200万円台にとどまりますので、独身でも所帯持ちの方でも、十分手に入れられる予算範囲にとどまるのではないでしょうか。
自分スタイルに沿って、とにかく経済性を優先した低燃費を求めるのか、あるいは二人乗りだけど走行性能を楽しむスポーツタイプを求めるのか、あるいは軽自動車でも最大限の広い室内空間を求めるのか。軽自動車の選択肢は十人十色かも知れません。
でも購入する前に一つ気を付けることがあるとしたら、お近くのディーラーに是非足を運んで、試乗車に乗ることをお勧めします。普通自動車に比べれば維持費が安く、お手頃な価格で購入できても、決してドブに捨ててしまって良いほどの「金額」では無いはずです。購入してから「しまった!失敗した!」となる前に、必ず「実際の軽自動車」に乗ることは、とても大切なことです。
「制限」を「無限」に変えて、しかも庶民を助ける軽自動車
客観的に見て軽自動車は、税金面など、所有者の維持費を大きく節約してくれる、庶民のにとってはありがたい自動車でありながらも、一家には無くてはならないほどの移動空間を、わずか660㏄という小さな排気量のエンジンで、我々消費者の生活をパワフルに支えてくれている大きな存在である軽自動車。
法の「制限」という小さな枠組みの中で、もがいてもがいて、軽自動車の「無限」の可能性をもたらしてくれている自動車メーカーの熱き思いとその技術力の結晶。我々消費者が、それを選べる今の時代です。自分にあった車を選びましょう。
初回公開日:2017年10月11日
記載されている内容は2017年10月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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