デリカの燃費は向上したのか?車種別/エンジン別・新型燃費予想
更新日:2024年07月10日
三菱デリカの燃費に迫れ!
三菱のデリカを知っていますか。ほかのミニバンとは一味違う本格派4WD車です。まさに、アウトドアにぴったりな車といえます。ではこれから、新旧のデリカの燃費をご一緒に見ていきましょう。そうすれば、時代とともにデリカの燃費がどう変わってきたのかがわかるでしょう。
デリカスターワゴンとは?
「デリカスターワゴン」は、国内向けには1979年から1999年まで生産・販売されました。初代「デリカコーチ」の後継者として登場しました。注目を浴びるようになったのは、二台目のデリカスターワゴンです。同じ三菱の4WD「パジェロ」と並んで、本格乗用4WDの代表格的存在でした。
今までの商用車タイプのデリカとは一線を画すスタイルで、大きなガードバンパーが勇ましく、最低地上高も高くなっていて、路面を選ばない悪路走破性を持っていました。装備の充実も図られ、アウトドアでの使い勝手も良くなって、マニアックな「パジェロ」を敬遠していた、ファミリーユーザーにも受け入れられました。
エンジンは、2.5Lの4気筒OHCディーゼルターボと、2.0Lの4気筒OHC、2.4Lの4気筒OHCが用意されていました。トランスミッションは、4速オートマチックと5速マニュアルが設定され、駆動方式は、2WDとパートタイム4WDが準備されていました。なお、燃費数値は非公表となっています。
デリカスペースギアとは?
「デリカスペースギア」は、1994年から2007年まで生産・販売されていました。「スーパープレジャーRV」をコンセプトに、デリカスターワゴンの後継車として開発されました。今までの箱型ワゴンと違い、安全性を考慮して、僅かに突き出たボンネットにエンジンを積む、ミニバンの草分け的存在でした。
悪路走破性も素晴らしく、先代デリカスターワゴンと同様に、パジェロにも搭載の「スーパーセレクト4WD」が採用されていました。レバー一つで、経済的な2WD、走行を安定させるための4WD、悪路を走破するための「センターデフロック」の「ハイ」と「ロー」の4つのモードを切り替えることができました。
搭載されているオートマチックも特徴的でした。前期型のデリカスペースギアでは、変速ショックを抑え、走行状況に合わせた変則タイミングを任意で選択できる3モードのオートマチックでした。
後期型のデリカスペースギアでは、「INVECS-II」と呼ばれるトランスミッションが採用され、ドライバーのアクセルの踏み方を学習し、適切な変速タイミングを導き出すという先進的なトランスミッションでした。
エンジンは、3.0Lの6気筒SOHC24バルブと、2.8Lの4気筒SOHCインタークーラーターボディーゼル、2.5Lの4気筒SOHCインタークーラーターボディーゼル、2.4Lの4気筒SOHC16バルブの4種類のラインナップでした。トランスミッションは、4速オートマチックと5速マニュアルが準備され、駆動方式は、2WDと4WDの設定でした。
燃費やいかに?
では、デリカスペースギアの燃費はどのようなものでしょうか。販売が集中した、3.0Lのガソリンエンジンと2.8Lのディーゼルターボエンジンの4WD車を見てみます。
三菱公表のカタログスペック(10・15モード燃費)を参照すると、3.0Lのガソリンエンジンが、1リッターあたり7.7km、2.8Lのディーゼルターボエンジンが、1リッターあたり8.2kmと計算されています。
排気量の大きなエンジンに4WDを搭載し、車両重量が2トンにもなる重たい車ですので、この燃費数値は仕方のないところです。ただ、道を選ばぬ悪路走破性に魅力を感じるドライバーには、の車でした。
新型デリカD:5(ガソリン車)
デリカD:5は、2007年1月に販売が開始されています。D:5の5はデリカの5代目を指しています。同じ三菱の「アウトランダー」のプラットフォームを採用しています。
全モデルよりもさらに扱いやすく、4WDの走破性はそのままに、家族のミニバンとしての性能や装備を兼ね備えた車に仕上がっています。マイナーチェンジを繰り返しながら、燃費の改善にも取り組んでおり、アイドリングストップ機構を搭載するなど、2WD車・4WD車ともに燃費が向上しています
しかし、2016年に燃費偽装問題が発覚し、三菱自動車の信頼が大きく揺らぐことになってしまいました。現在では特別仕様車などを発表して、三菱自動車は再生の道を歩き出しています。
新型デリカD:5(2400ccエンジン)の燃費は?
それでは、新型デリカD:5の2.4Lエンジンの燃費を見てみましょう。エンジンは、2.4Lの4気筒DOHC16バルブで、トランスミッションはCVTのみの設定で、駆動方式は4WDのみ選べます。
気になる燃費は、三菱公表のカタログスペック(JC08モード燃費)を参照すると、1リッターあたり10.6kmと測定されています。燃費向上対策のおかげで、ガソリンの4WD車としては、良好な燃費数値となっています。
新型デリカD:5(2000ccエンジン)の燃費は?
今度は、新型デリカD:5の2.0Lエンジンの燃費に注目しましょう。エンジンは、2.0Lの4気筒SOHC16バルブで、トランスミッションはCVTのみの設定で、駆動方式は2WDのみ選べます。
燃費はどうでしょうか。三菱公表のカタログスペック(JC08モード燃費)によると、1リッターあたり13.0kmと測定されています。車両重量が、4WD車に比べ100kg近く軽いため、燃費は4WD車よりも良好です。
ただ、デリカD:5は4WDが似合う車ですから、2WDを選択するドライバーは比較的少なめです。
デリカD:5シャモニーの燃費は?
デリカD:5「シャモニー」は、特別仕様車となります。2016年に発売されたシャモニーは、運転席と助手席のスライドドアをワンタッチ電動式にしたクリーンディーゼルエンジン搭載車である「Dパワーパッケージ」をベースにして作られていました。
エクステリアでは、アウタードアハンドルとウインカー付き電動格納式リモコンドアミラーカバーをメッキ装飾し、メッキのフロントグリルやガーニッシュを、ベース車よりも上質なものにしていました。インテリアでは、本木目と本革巻きのステアリングを装着し、運転席にはパワーシートを装備し、ボディーカラーに2トーンカラーがラインナップされていました。
心臓部には、2.3Lの4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボディーゼルエンジンが積み込まれていました。トランスミッションは6速オートマチックのみの設定で、駆動方式は4WDのみの選択でした。
燃費やいかに?
では、デリカD:5シャモニーの燃費はどのようなものでしょうか。三菱公表のカタログスペックを参照すると、1リッターあたり13.0kmと計算されています。クリーンディーゼルエンジンのおかげで、走りと低燃費を両立できています。
デリカD:5アクティブギアの燃費は?
デリカD:5「アクティブギア」は、オレンジとブラックを巧みに用いて、アウトドアシーンにおいて、よりスタイリッシュな車に仕上げたモデルです。
フロントには、ブラックにオレンジの文字が引き立つ「バンパープロテクター」が採用され、フロントバンパーアンダーカバーやリアバンパーアンダーカバーがブラックに装飾され、フォグランプベゼルやドアミラーはオレンジで装飾されています。
インテリアも独特で、ステアリングやヒーターコントロールダイヤル、シート生地などにもオレンジが装飾として使われ、非常に目立つ車です。アクティブギアは、同じ三菱の「RVR」や「アウトランダー」にも適用されています。
心臓部には、2.3Lの4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボディーゼルエンジンが搭載されています。トランスミッションは6速オートマチックのみで、駆動方式は4WDのみの設定です。
燃費やいかに?
デリカD:5アクティブギアの燃費はどのようなものでしょうか。三菱公表のカタログスペック(LC08モード燃費)によると、1リッターあたり13.0kmと計算されています。価格が高めなのが気になりますが、アウトドアで使用すると目立つのは必至ですので、自分の好みと合えば買いでしょう。
デリカD:5ローデストの燃費は?
デリカD:5「ローデスト」は、デリカD:5をよりスポーティーに、より上質に仕上げたモデルです。専用フロントエアロバンパーや専用フォグランプ、専用メッキグリルや専用メッキリアガーニッシュなど、多くの部分を専用仕様とすることで、他のグレードと異ならせています。
エンジンは、2.0Lの4気筒SOHC16バルブと、2.3Lの4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボディーゼルの2種類が準備されています。トランスミッションは、2.0LエンジンがCVT、2.3Lエンジンが6速オートマチックとなります。駆動方式は、2.0Lエンジンが2WD、2.3Lエンジンが4WDのラインナップです。
燃費やいかに?
それでは、デリカD:5ローデストの燃費はどのようなものでしょうか。三菱公表のカタログスペック(JC08モード燃費)によると、両エンジンとも、1リッターあたり13.0kmと測定されています。悪路走行というよりも、街を駆け抜ける姿のほうが似合うデリカD:5といえるでしょう。
ディーゼルとガソリンどちらが?
4WDモデルの場合の燃費は、ディーゼルエンジンが1リッターあたり13.0km、ガソリンエンジンが1リッターあたり10.6kmとなっています。デリカD:5のクリーンディーゼルエンジン車は、非常にパワフルでトルク感があり、3.5Lのガソリンエンジンに匹敵するほどです。軽油代も安く低燃費ですので、パワーと燃費という観点で判断すると、ディーゼルエンジンをお勧めします。
ただ、デリカD:5のディーゼルエンジンは、マツダなどのディーゼルエンジンとは異なり、振動や静寂性に劣っているため、その観点から選ぶと、ガソリンエンジンを選択しても納得できるでしょう。2WDモデルはガソリンエンジンしか選択できませんが、4WDモデルは好みに合わせた選択が可能です。
次期デリカD:5情報
デリカD:5は、2018年にフルモデルチェンジする予定でしたが、ディーゼルエンジンの排気ガス審査が厳しくなり、搭載する予定であった新開発のディーゼルエンジンが不適合となったため延期となりました。三菱自動車が燃費測定の不正を行ったのが原因です。
そのため、フルモデルチェンジは2019年以降となり、それまではマイナーチェンジにとどめる予定です。
予想燃費は?
2019年以降のフルモデルチェンジでは、2.2Lのクリーンディーゼルエンジンが搭載される予定となっており、課題であった静寂性や振動も大幅に改善される見込みです。燃費については、現在の1リッターあたり13.0kmから15km前後に向上するという予想もあります。不正問題を克服して立ち直った新生三菱に期待します。
デリカの魅力を感じてみよう!
本記事では、三菱デリカの燃費についてみてきました。悪路走破性に優れた、三菱ならではのミニバンであるデリカは、魅力いっぱいの車です。D:5という名前を付け、さらにラインナップも豊富になりました。次の愛車にはデリカを選んでみてはいかがでしょうか。
初回公開日:2017年10月20日
記載されている内容は2017年10月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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