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日産ノートのスーパーチャージャーの評価|加速/ブースト

更新日:2024年07月27日

低燃費とエコという言葉を代弁する自動車として、ハイブリッドカーや電気自動車が注目されている中、純粋なガソリンエンジンでありながらもエコ両立を目指してスーパーチャージャーを搭載したコンパクトカー/日産ノートの魅力について紹介します。

日産ノートのスーパーチャージャーの評価|加速/ブースト

日産ノートのスーパーチャージャーの評価は?

ところでスーパーチャージャーってターボじゃないの?

スーパーチャージャーという言葉は聞きなれない人が多いでしょう。逆に、加速が速いガソリン車に搭載された部品でターボチャージャーという言葉を聞いたことがあるでしょう。スーパーチャージャーとターボチャージャー、いずれもチャージャーという言葉からか、速そう、あるいは凄そうといった印象を受けます。

チャージャーという言葉は、英語のチャージ(充電の意味)からくる言葉で、スーパーチャージャーは過給機と訳されます。そもそも同じ量の燃料であれば、そこに圧縮された多くの空気を送り込むことで、空気に含まれる酸素の量が増大して良く燃えます。

つまり、爆発的なパワーを生むことで高出力を得る仕組みですが、ターボは爆発した排気を利用して圧縮空気を送るタービンを回転させるので、俗にいうターボラグが発生します。

これに対して、日産ノートDIG-Sシリーズに搭載されたスーパーチャージャーは、エンジンの回転動力をそのまま利用して圧縮空気を送るので、アクセルオンの低回転域から高出力を得られるという利点が得られます。

また、ターボ式チャージャーに対してメカ式チャージャーとも呼ばれ、エンジン部分は一般的には、そのメカ構造は複雑になり、エンジン自体も大きくなります。

一方で、高温の排気を利用することで冷却装置(インタークーラー)が必要不可欠なターボ車に比べて、スーパーチャージャーは無駄な冷却装置が不要で、アイドリング状態からでも高出力を得られるのが、スーパーチャージャーとターボチャージャーの大きな違いです。

日産ノートのエコとスーパーチャージャー

1.2Lで直列3気筒エンジンの日産ノートDIG-Sは、ミラー式サイクルとスーパーチャージャーを採用した新開発のHR12DDRエンジンによって、低回転域から1.5Lエンジンに匹敵する強いトルク(14.5kgf・m)が得られると共に、低燃費(26.2km/L)をも両立したと発表されました。ガソリン車の日産ノートが目指したのはパワーと低燃費の両立でした。

現行型ノートE12

2005年に販売が始まった初期型のノートはE11型と呼ばれ、1.5L直列4気筒エンジンが主流で1.6Lエンジンのモデルも存在しました。燃費も18.2km/Lでした。

これに対して現行型ノートE12型では、エンジンは直列3気筒1.2Lエンジンにダウンサイジングしましたが、スーパーチャージャーを搭載することで、トルクやパワーは1.5Lに匹敵しつつも、26.2km/Lという大幅な低燃費を実現しました。排気量1.5Lと1.2Lでは、年間の自動車税額がおよそ5000円異なる上、スーパーチャージャー搭載モデルは100%減税も達成しました。

ノートのスーパーチャージャーの加速は?

速い?でも加速感が無い?

スーパーチャージャーを搭載した日産ノートX DIG-Sのカタログスペック値は、98馬力、最大トルク14.5kgf・m、最大燃費26.2m/L(販売価格174万円)です。0-100km/h加速が11秒台前半ですので数値は速いですが、実際に試乗してみると思ったよりも加速感が感じられないという評価が気になります。

無段変速を武器とするCVTと、スーパーチャージャーがもたらす加速感が、ドライバーの期待値に達しない理由は、どうやらエコを目指した日産のエコスーパーチャージャーの仕上がりが原因で、パワーと燃費の両立の難しさが背景にあります。

実際、1800回転以下ではスーパーチャージャーは動作しない燃費優先の仕上がりで、エコモードであれば徹底的に燃費を優先して、スーパーチャージャーは全く動作しない仕組みになっています。

日産によれば、0-100km/h加速は11秒台前半。うたい文句どおり、1.5リッター並のデータは出ているのだろうし、実際、3人乗車+カメラ機材でも、加速は必要十分なのだが、ガツンとくるパンチはない。

出典: http://www.webcg.net/articles/-/625 |

ではブーストアップは可能?日産ノートE12型のチューニングは?

ガソリン車E12型ノート専用のスーパーチャージャーキット

技術の日産が目指したE12型ノートは、エコスーパーチャージャーの名に沿った低燃費とパワーの両立ですが、実際に乗ってみると、その両立は一長一短で妥協が含まれてしまっています。かつての日産らしさを追求したノートの実現を愛するドライバーのコンセプトに沿うように、E12型専用の社外製パーツが販売されています。

ターボ式チャージャーであれば、圧縮する圧力を高めることで、送りこむ空気量を増大してパワーを増大させることは可能ですが、ガソリン車ノートE12型のスーパーチャージャーはメカ式ですのでそうはいきません。

その代わり、IMPUL製のスーパーチャージャーパワーキットという商品が販売されていて、関連メカ部品と共に燃調を制御するコンピューターをチューンすることでパワーは増大できます。

日産ノートのファンが支える社外製パーツ

IMPUL製のスーパーチャージャーパワーキットBは、部品だけで30万円程度のコスト高になりますが、一方でエコであるべき燃費性能が落ちてしまう特性があります。

また、より効率的にパワーを増大させる吸気系、排気系部品の他、得られたパワーを乗りこなすための足回りや、いざというときのブレーキ部品も揃っています。時間と予算とその効果を視野に、自分色のノートに仕上げられることもガソリン車ノートE12型の特徴だと言えます。

日産が示した現行E12型ノートの新たな可能性

一部の日産ノートファンを覗き、日産サニー以来、他メーカーのハイブリッド車に押されて販売台数が伸び悩んでいた日産に、30年ぶりの2016年11月の月間販売台数1位に返り咲いた車がE12型ノートe-POWERでした。「やっちゃえ日産」の言葉の勢いが消費者に認められた瞬間でした。

日産ノートe-POWERは、1.2Lガソリンエンジンを搭載しているものの、その目的はバッテリー充電だけに限定され、日産ノートe-POWERの駆動系は100%電気自動車です。

日産ノートe-POWERの放つ最大トルク25.9kgf・mは、ガソリン車スーパーチャージャーの14.5kgf・mを大きく突き放して、2Lターボクラスの加速という、電気自動車ならではの新しい可能性を示しました。

ノートのスーパーチャージャーの中古車は狙い?

日産ノートe-POWERの登場で日産ファンは活気づいています。中古市場でも現行E12型のスーパーチャージャーを搭載したDIG-Sシリーズが(程度にもよりますが)100万円以下で販売されています。中にはIMPUL製スーパーチャージャーキットを装着した車種も販売されています。新車のノートe-POWERが190万円代の価格で販売されているので、お得感は大きいです。

また、ノートe-POWERのバッテリー性能はまだまだ発展途上ですが、航空機から始まった歴史あるスーパーチャージャーを搭載したガソリン車ノートの実績の信頼性は高いと言えます。

また、コンパクトカーながらも、高速走行を視野に入れるならば、1.5Lクラスの加速性能をもたらすスーパーチャージャー搭載のDIG-Sシリーズは、1.2Lの維持費と低燃費の両方を備える優秀な車種です。

技術の日産を継承するスーパーチャージャー

最近の日産は、自動車にトキメキと驚きという夢を搭載して、リーフ100%電気自動車とノートe-POWERハイブリッド型電気自動車を武器に、果敢にエコ優先の新車市場へと攻め込んでいます。一方で、これまで培ったガソリンエンジンを追求したスーパーチャージャー搭載ノートは、今は中古市場を賑わしています。

確かなガソリンエンジンの技術を受け継ぐE12型ノートは、社外製パーツとコアなファンに支えられ愛されている自動車の一つですが、唯一惜しい点があるとすれば、マニュアルトランスミッションの選択が無い事でしょう。

もし、ガソリンエンジンの日産ノートを購入する機会を得るのなら、スーパーチャージャーを搭載したDIG-Sの試乗をお奨めします。技術の日産をご自身の肌で感じることができるのですから。

初回公開日:2017年11月08日

記載されている内容は2017年11月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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