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AT車のロックアップ機構の不具合|ジャダー/エブリィ

初回公開日:2017年12月12日

更新日:2017年12月12日

記載されている内容は2017年12月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

現在の自動車は、AT搭載車が、かなりの台数を占めています。操作性が簡単で便利なAT車ですが、ロックアップ機構のトラブルが発生する場合があります。今回は、AT車のロックアップ機構の原理や構造や不具合について紹介していきましょう。

AT車のロックアップ機構の不具合|ジャダー/エブリィ

AT車の原理って?

今や、自動車の動力伝達機構のほとんどがAT車(オートマチックトランスミッション車)です。1980年代前半までは、MT車(マニュアルトランスミッション車)の普及率のほうが高かったのですが、自動車技術の飛躍的進歩や時代背景もあり、年々AT車の普及率が増加しました。ここ数年の乗用車販売台数のうちAT車の比率は、98%を超えています。

確かにAT車は操作が簡単で、便利です。そんなAT車の種類や原理、構造について紹介します。

ATの種類

ATには、クラッチ機構や変速機構により数種類に分類されます。各自動車メーカーが採用しているATは、次の2種類が多く見られます。

トルクコンバーター式多段変速機構付AT

トルクコンバーター式多段変速機構付ATは、クラッチ機構にトルクコンバーターを採用し、変速機構に遊星歯車(プラネタリーギヤ)を用いたATです。トルクコンバーターにより発生した油圧を使用し、遊星歯車の構成部品のリングギヤ・ピニオンギヤ・サンギヤを制御して変速します。

トルクコンバーター式無段変速機(CVT)

トルクコンバーター式無段変速機は、クラッチ機構にトルクコンバーターを採用し、変速機構に無段階に変速できる可変プーリーを用いたATで、CVTと呼ばれています。このCVTは、現在主流になりつつあるトランスミッションです。

AT車のロックアップ機構の構造

ATのクラッチ機構として使用されているトルクコンバーターですが、その原理と構造はどうなっているのでしょうか。トルクコンバーターの原理と構造について、紹介します。

トルクコンバーターの原理とは?

トルクコンバーターの作動原理について、扇風機を例に説明しましょう。まず、扇風機を向かい合わせに置きます。向かい合わせに置いた扇風機の一方の電源をいれ、扇風機を回します。そうすると空気が流れ、風が発生し、もう一方の扇風機の羽根が回転する、という仕組みです。

トルクコンバーターの構造は?

トルクコンバーターの構造は、金属製の円盤状のケース内に、ポンプインペラ・タービンランナー・ステータと呼ばれる金属製の羽根が入っていて、ケース内にAT用オイルが満たされています。先程挙げた例は、電源を入れた扇風機をポンプインペラ、もう一方の扇風機をタービンランナーに置き換えた物です。

エンジンの回転により、ポンプインペラが回転すると、AT用オイルに流れる力が生まれ、タービンランナーを回転させます。タービンランナーは、ミッションの出力軸に繋がっていますので、ミッションを動かすことが可能です。

ステータは、ポンプインペラとタービンランナーの間にあり、トルク増幅の役目をします。ステータ内にはワンウェイクラッチが備えられており、ポンプインペラとタービンランナーの回転速度が近づくと、ステータがタービンランナーと共に回り、伝達効率を維持します。

AT車のロックアップ機構の制御方法

ATに使用されるトルクコンバーターですが、オイルを介して回転を伝達するという構造上、どうしても伝達効率のロスが生じます。その伝達効率のロスをゼロにする役目が、ATのロックアップ機構です。

ロックアップ機構とは、トルクコンバーター内のタービンランナーとエンジンを直結して伝達効率のロスをゼロにする物です。ロックアップする作動領域は、アクセル開度と車速で決められています。また、ロックアップの制御は、現在はほとんどが電子式を採用しています。

AT車のロックアップ機構の不具合

ATも機械ですので、何らかの原因で故障する場合があります。AT用オイルの劣化によるものや、電子制御用部品の故障、変速機構の内部部品の磨耗、トルクコンバーターの内部不良など原因はさまざまです。

症状もさまざまで、「変速しない」「2速発進する」「バックしない」「OD(オーバードライブ)に入らない」「変速時にショックがある」「エンジンが空吹かしに状態になる」「走行中、異音がする」「走行中、振動がある」「ジャダーが出る」など、さまざまです。

ジャダーってなんだ?

最近のATのトラブルの中で、ジャダーが発生する事例が多くあります。ジャダーって一体、どんな症状なのでしょうか。

ジャダーとは、定期的に起こる連続した振動の事で、「ダダダダダダ」といったような表現だと分かりやすいでしょうか。

ジャダーが発生する原因の一つに、トルクコンバーターのロックアップ機構の不具合があります。

AT車のロックアップ機構のショック

ATのロックアップ機構の不具合の症状に、ロックアップON・OFFの時にショックがある場合があります。特にCVTに発生する件数が多いです。原因として、ロックアップソレノイドやロックアップクラッチといった、ロックアップ機構を構成する部品の不具合や、ATを総合的に制御するATコントロールコンピューターのプログラムのミスマッチ、AT用オイルの劣化などがあげられます。

AT車種別ロックアップ機構の不具合は?

先程も紹介しましたが、トルクコンバーターのロックアップ機構に不具合が生じると、ジャダーと呼ばれる振動や、ロックアップ作動時のショックなどがあります。次に、車種別にロックアップ機構の不具合事例を紹介します。

エブリィ

スズキの軽自動車ワンボックスカーのエブリィですが、搭載されるトランスミッションの種類は、ワゴンタイプは4速ATのみで、バンタイプ(商用車)は5速マニュアル・4速AT・5速オートギヤシフト(AGS)になります。4速ATには、ロックアップ機構は装備されていません。

マークX

トヨタのミドルクラスセダンのマークXは、2004年から生産されています。マークXのATの不具合は、使用年数が増えるほど、走行距離が増えるほど、多くなる傾向にあります。

マークXに搭載されるATは、トルクコンバーターのロックアップクラッチに不具合が出やすい傾向です。不具合が出ると、ロックアップ作動時にショックが出る事例が報告されています。また、それ以外のATの不具合の事例も報告されており、AT用オイルの劣化によるトラブルが発生すると、変速不良や変速ショック、変速時のタイムラグなどが症状として現れます。

MINI

ミニクーパーといえば、マニアも多いし女性に人気のある車です。現在はBMWが生産・販売をしています。BMWミニのクーパーSというグレードには、6速マニュアルミッションとアイシン製のロックアップ付き6速ATがあり、他の車種と同じように、ATのトラブルが出ます。ロックアップ機構のトラブルよりは、バルブボディーという油路を切り替える部品に不具合が多いです。

レガシィ

スバルの代表車種の一つである、レガシィですが、やはりこの車種も使用年数の増加や走行距離の増加が進むと、ATのトラブルが出る傾向にあります。変速時のショックや吹け上がりの違和感、ロックアップ作動時の振動などの症状が出ます。

メーカー別AT車のロックアップ機構の不具合

では次に、メーカー別のAT車のロックアップ機構の不具合の傾向について紹介していきます。

マツダ

マツダの場合、最近の車両に搭載されている、スカイアクティブドライブというミッションは、ロックアップ領域を拡大しています。ロックアップ領域を拡大することによって、伝達効率を上げ、燃費の改善をしています。

CX-5のATで、ロックアップ機構が直接の原因では無いものの、ロックアップの入り方の違和感などの症状が出る不具合が、多少あると言えるでしょう。

スバル

スバル車の場合、ロックアップ機構自体のトラブルではなく、バルブボディー内のセンサー故障で、ロックアップが入らなくなるというトラブルがあります。なぜバルブボディー内のセンサーが故障するのかは諸説あるようですが、AT用オイルの量や発熱による劣化で、各部品に悪影響を及ぼす場合があるそうです。社外AT用オイルの使用で不具合が出る場合もあります。

スズキ

スズキ車の場合は、最近搭載されているCVTにロックアップ機構が装備されています。スズキ以外のメーカーにも言えますが、燃費改善対策の一環で、ロックアップ付CVTを採用する車種が増えています。ATの不具合に関しては、走行距離が増えた軽自動車や古い年式の軽自動車に故障事例が多いです。ロックアップ機構の不具合はあまり聞きません。

故障の原因は、AT用オイルの発熱による劣化で、内部部品に悪影響を及ぼしトラブルになるケースが多いです。走行中のATの滑りや異音が発生した状態だと、修理は軽自動車と言えども高額になる場合があります。

ホンダ

ホンダ車の場合、AT車の不具合としてロックアップソレノイドの故障や、ロックアップクラッチの不具合によるトラブル事例があります。また、ロックアップ機構の不具合ではないですが、初期型フィットやモビリオ、エアウエイブなどの小型車で、発進時にスターティングクラッチのジャダーが発生する車が頻発していました。

トヨタ

トヨタ車の場合、現行のアルファード・ヴェルファイア30系の前期、ノア・ヴォクシー80系後期、ハリアー60系で、ロックアップ機構に不具合が出る場合があると言えるでしょう。不具合が発生すると、エンジンチェックランプや、トラクションコントロールインジゲータや、プリクラッシュセーフティーワーニングランプが点灯します。

このロックアップの故障に関しては、対象車に該当していれば、メーカーの無料修理対応期間が延長されています。

便利なAT車だけど油断は禁物!

今回は、AT車のロックアップ機構の不具合などについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

AT車は非常に便利ですが、便利であるがゆえに軽く見がちです。ATの内部構造はとても繊細で複雑です。ATのトラブル発生タイミングや症状も色々ですので、定期的に点検やメンテナンスを実施して、突発的なトラブルが起きないようにするのも大切です。

ATの不具合を感じたら、すぐに販売店や整備工場に点検を依頼しましょう。

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