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暖機運転は必要か(意味/やり方)・バイク/車の種類別の暖機運転

更新日:2024年04月07日

今の新しい車に暖機運転は必要なのか?不要なのか?多くの意見が交錯しています。しかし、正確な検証情報が少なく、正しい暖機運転の仕方も意外と知られていません。エコカー全盛の時代に応じた暖機運転とは?正しい暖機運転で愛車が長持ちするノウハウを詳しく紹介します。

暖機運転は必要か(意味/やり方)・バイク/車の種類別の暖機運転

今の車に暖機運転は本当に必要か?

車やバイクに乗るの時に、暖機運転は行っていますか。そもそも、暖機運転という言葉を知らない人も中には存在します。過去、車やバイクで出掛ける際に良く聞いた暖機運転ですが、最近はめっきり聞かなくなりました。この暖機運転の有無に付いては、実にいろいろな意見があります。実際のところ、必要か不要なのかを検証してみましたので紹介します。

暖機運転の意味

暖機運転とは、朝一番などのエンジンが完全に冷えた状態で始動させ、低負荷運転(アイドリング)を行い、一定の温度まで上昇させる事です。過去の車やバイクでは、始動直後はエンジンが不安定で、走行中に停止したりする事が多々ありました。それらに伴う事故も発生しており、未然に防ぐために暖機運転を行い、エンジンの本調子を発生させてから発進していました。

しかし、今の車やバイクは電子制御でエンジンがコントロールされており、朝一番の始動直後でも普通に走ることができます。そのため、不要論が出てきました。しかし、メーカーなどは過去のような暖機運転は不要でも、車体各部が冷えてる状態ですので、いきなりの全開走行はやめてほしいと言う意見もあります。

暖機運転のやり方

では、正しい暖機運転とはどういうやり方なのでしょうか。調べてみますと、実は「こうです」と言うものが存在していません。車やバイクなどの他、メーカーもそれぞれに違う主張を持っていることがわかりました。

自動車メーカーの意見を平均してみるとベースになるのは、今のエンジンは性能が向上し、基本的に暖機運転は必要で、エンジン各部にオイルを馴染ませるために30秒ほどアイドリングすれば良く、車体の暖機運転もあるので30秒ほど経過したら、ゆっくりスタートして走る事が望ましいとあります。

30秒という具体的な数字が出てきました。エンジンオイルがエンジン内部に行き渡るのに30秒なので、これは納得できる数字です。その他にも、すべてのメーカーが言う「ゆっくり発進して下さい」にも意味があります。

車体の暖機運転とは?

先に出てきた「車体の暖機運転」とは、暖機運転と言えばエンジンと思う人は多いでしょうが、実は車体にも暖機運転は必要です。車やバイクは、タイヤを代表に軸を中心に回転する部品がたくさんあります。それらもグリスで回転摩擦を下げていますが、冷えた状態では本来の性能を発揮する事はできません。

暖機運転後に、ゆっくりスタートする意味はここにあります。つまり、エンジンのように自ら温度を上げる事ができない部品ですので、ゆっくり走らせて走行摩擦で馴染ませることが、車体の暖機運転と意味しています。このゆっくりスタートして行う暖機運転により、各部品の辺摩耗を防止する他、故障の抑止にもなります。

バイク・車の種類別の暖機運転のやり方

では、実際にバイクは車とは暖機運転の仕方や考え方が違うのでしょうか。同じエンジンで動く乗り物ですが、構造やエンジンの大きさが全く違うので気なるところです。エンジンの諸元表などを見ると、明らかに車よりバイクの方が、エンジンの回転数が高回転指向となっています。つまり、エンジン負荷は車よりバイクの方が高いと考えられます。

それだけに、暖機運転の必要性があるように思えるバイクは、果たして本当に必要なのかを検証してみました。

バイク

バイクの暖機運転の正しい方法と言うのは、不思議なことにはっきりと定義されていませんでした。メーカーなどの車両取り扱い説明書には「暖機運転をしてっゆっくり発進させます」となっています。ここにも、暖機運転の仕方は掲載されていませんでした。

ですが、車より小さなエンジンで高回転まで回して使用するバイクの場合、明らかに車よりもシビアコンデションです。さらに、車体の暖機運転を考えるとチェーンを使って動力伝達をしてる構造が、多くこのチェーンの暖機も必要です。

エンジンの暖機運転終了後は、ゆっくりと走り出して車体の暖機運転が必要で、車よりもバイクの方が暖機運転は必要と言えるでしょう。

また、エンジン部分にも注目するのがキャブレターの存在です。このキャブレターで、エンジンが吸い込む空気量と燃料の量を調節していますが、キャブレター内を通る空気や燃料の量などが安定するのに、少し時間を必要としたのも暖機運転をする1つの理由です。

2サイクルエンジン

今では、排ガス規制の影響で2サイクルエンジンの姿を見なくなって久しいです。白煙を吐きながら、パランパランと軽い音を奏でながら走っていたスクーターが懐かしいです。諸外国では、現役で走っていますが多くは撤廃されています。日本でも過去、2サイクルエンジンが主流で、車やバイクで使用されていました。

2サイクルエンジンの特徴は、燃料とエンジンオイルを一緒にエンジン内で燃やす構造です。そのため白煙が出ます。エンジンもシンプルな構造ですから、エンジンを暖める暖機運転ではなく、昔使用されていたキャブレターなどの吸気装置が、きちんと稼働するのに暖機運転が必要とされていました。

4サイクルエンジン

今の主流は、この4サイクルエンジンです。音も静かでオイルも燃やさないので、排ガスもクリーンで燃費も良いエンジンですが、構造が少し複雑になっています。これだけの部品が動いてるエンジンですから、過去は当然暖機運転の必要がありました。今は、その性能が向上し過去のような暖機運転は不要とされています。

この4サイクルエンジンの特徴は4工程で、1回の爆発を行うことから4サイクルと呼ばれ、吸気や排気に弁構造を持っています。これが、部品を増やす一番の理由です。また、オイルを内部循環で使用するので白煙が出ませんが、一定期間でオイル交換などのメンテナンスが必要です。また、今の日本ではバイクも車も全てこの4サイクルエンジンが使用されています。

現在の自動車の暖機運転の仕方では、先の4サイクルエンジンが搭載されているので、長時間のアイドリングは不要です。始動して30秒ほどアイドリングしたら、ゆっくりと出発し車体の暖機運転をします。街中であれば、普通に走れば問題ないでしょう。およそ距離で5kmほどと言われています。

このように走りながら暖機運転をすることを「走行暖機」と呼ばれており、近年ではエンジンや車体の負荷を抑えた走行で行うことが、エコの観点から推奨されています。

マツダcx-3の暖機運転

マツダでのCX-3、ガソリンとクリーンディーゼルの2種類のエンジンが搭載されています。それぞれのエンジンにより特徴があり、軽快な走りを生むガソリンエンジン、心地良い走りのクリーンディーゼルと分類されています。燃費もカタログ値では、クリーンディーゼルの方が勝っており、はクリーンディーゼルです。

CX-3に搭載されている両エンジンは、現在の技術の粋を詰め込み設計されたエンジンです。特に新設計新開発のクリーンディーゼルエンジンは、過去のディーゼルエンジンとは違い、クイックスタート機能が搭載されていますので、以前のようにグロープラグで暖める動作はありません。

暖機運転は、ガソリンエンジンと同じ30秒ほどオイルを回して、後はゆっくりとスタートすれば良いエンジンです。市街地走行では、暖機運転を意識する必要もありません。

rx8の暖機運転

マツダの誇る今は無きロータリーエンジンを搭載した、最後の車がRX-8です。世界でこのロータリーエンジンを一般市販車に搭載して、販売したのはマツダだけです。そのロータリーエンジンですが、従来のようにピストンなどの構造を持たず、回転子がエンジン内部を回転する構造ですから、とてもシンプルで先にあった2サイクルエンジンの構造に近いです。

とてもシンプルなのですが、その設計にはかなりの苦労があったそうです。近年の排ガス規制に合致せずその姿を消しました。走りには定評があったようで、マツダのスポーツカーとして当時はを博しました。このロータリーエンジンは、当時のスポーツカーの使命として燃費よりもパワーですから、かなり高度な設計で作られています。

そのパワーを生むために、市販車ですがエンジン部品のクリアランスをギリギリまで狭めた設計ですので、暖機運転は絶対の必須項目となっていました。

ホンダS2000

次に、ホンダS2000に登場していただきました。1999年4月に発売が始まったホンダスポーツのオープンカーです。2000㏄4気筒エンジンで、市販車では驚きの9000回転を回せるエンジンで、当時の車好きを夢中にさせました。

この一般市販車で9000回転まで回せるエンジンは他には無く、唯一の存在です。当時も先のRX-8と同様、燃費よりもパワーの時代ですから、かなり過激なエンジンが設計できた時代背景でした。

搭載されていたF20と命名されたエンジンですが、ホンダがレースで培った技術をそのまま市販車にフィードバッグしており、一部ではレース用エンジンの部品も使われていたようで、朝一番のエンジン始動後は必ず暖機運転が必要でした。

メーカーもオーナーになる方には、その辺をしっかりと説明して、暖機運転にはかなり意識していた経緯があります。今とは随分違いがあります。

hybrid車

エコカーとして時代を作ったhybrid車はどうなのでしょうか。エンジンとモーターの2つの駆動力を持ち、状況に応じてモーター走行やエンジン走行を車が自動で切り替えて、燃費消費を最大限に抑えてくれます。余計な燃料を燃やさないことは、余計な排気ガスを出さないというコンセプトで設計されています。

エンジンを始動といっても、スイッチを押すのが一般的なスタイルになっていますが、ここでエンジンが回らない車種が多く、すでに暖機運転の概念は存在しません。走り出しは、モーターで静かに動きはじめ、気が付けばエンジンが勝手に始動し、そして知らない内に停止しています。

完全に車でコントロールされているので、エンジンの暖機運転を考える必要は全くありません。しかし、車体は別で同じように回転軸などを使用してるので「ゆっくり発進」は必要です。

電気自動車

まだまだ種類は少ないものの、既に電気自動車も登場して来ました。当然、エンジンは搭載されておらず、モーターのみで駆動しています。ガソリンも不要で排ガスも出ず、エコカーの頂点となっています。当然、エンジンの暖機運転は不要ですが、やはりこちらも車である以上、タイヤなどの回転軸は有しているので、車体の暖機運転は必要でしょう。

この先、ヨーロッパの車メーカーは、ガソリンエンジン搭載の車を完全に撤廃して、電気自動車に切り替えると発表しているメーカーもありますから、今後の主流になるのは電気自動車といえるでしょう。

ビンテージカー

車が趣味で、ビンテージカー(イワユル古い車)を所有されている御仁もいらっしゃるでしょう。普通の人は買わない車種と思えますが一応、調べてみました。

やはり、構造や設計が古くなるほどアナログになり、人の手によって調整する部分が増えてきます。朝一番のエンジン始動も儀式のような操作が求められたり、気軽にとは行かないのがビンテージカーです。当然ながら、暖機運転も必要でその仕方も、車種によっては個性があります。

例えば、クランクを手で回したり、燃料ポンプを手で押して調整したりと、いろいろと調整する事が多いですが、好きな人はそういう「メンドクサイ」部分を楽しんでおられるようで、それはそれで大いに結構なことです。今では手に入らない貴重な車でしょうから、末ながく大切に乗っていただき、車文化の一片を未来に向けて貢献していただきたいです。

暖機運転をしなかったらどうなる?

では、暖機運転を全くしなかったらどうなのでしょうか。エンジンは壊れるのでしょうか。せっかく気に入って購入した愛車です、暖機運転をしなかったから壊れたのでは、寂しい話ではありませんか。

しかし、安心してください。最近の車であれば、先にも述べたように壊れることはありません。電子制御でコントロールされた最近のエンジンは、操作ミスなどで起こる過大な負荷からも、エンジンが守られるように作られています。一般的な使い方では、壊れることはありません。

果たして暖機運転の必要性は?

ここまで暖機運転について、いろいろと検証してきましたが、最終的に今の新しい車には過去のような停車した状態で、アイドリングする暖機運転は不要です。

その代わり、朝一番などのエンジンが完全に冷え切った状態でのスタートにおいては、オイルが巡る30秒ほど待ち、ゆっくりスタートして目的地に向かえば、十分な暖機運転(走行暖機)になる事が解りました。

また、エンジンだけでなく車体の暖機運転も必要で、これもゆっくりスタートして走行暖機を心掛けることにより、不要なトラブルを少なくし、愛車の状態を長持ちさせることも解りました。

朝一番の忙しい時間にイライラと暖機運転をしなくても良いです。その代わり、エンジンを掛けて一呼吸おいてゆっくり出発し、安全運転を心掛けることは優しい運転となり、しいては車体の暖機運転も行えますので一石二鳥と言えます。

初回公開日:2017年12月10日

記載されている内容は2017年12月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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