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新車の慣らし運転(車種別)と注意点・慣らし運転が必要な理由

更新日:2024年09月05日

新車の慣らし運転は車のエンジンやサスペンションの動きを馴染ませる意味で必要です。車の性能や長持ちをさせるためにも慣らし運転は行ったほうが良いでしょう。ここでは新車の慣らし運転の必要性や高速道路での注意点、メーカー別の慣らし運転や距離・回転数などをご紹介します。

新車の慣らし運転(車種別)と注意点・慣らし運転が必要な理由

新車の慣らし運転とは?

新車を購入してから行う「慣らし運転」とは、購入してから一定の走行距離、期間を安定した速度で運転し車の状態を良好にしていくことです。新車はパーツ同士が馴染んでいないため、エンジンやトランスミッションに強い負荷を与えると表面にキズを付ける可能性があります。

その結果、エンジンの性能が低下してしまうことになるので、事前のウォーミングアップが必要です。近頃の車はエンジン技術が進歩しているので、慣らし運転の必要がないと言われることもありますが、長く乗り続けたい場合は慣らし運転は大切です。

実際に慣らし運転で走ることで、組み立て時の不調(締めたねじの緩み)や、部品同士のバランスの崩れなどの故障の原因に気付くことができます。技術の進歩で以前ほど慣らし運転の必要がないとしても、エンジン内部でパーツが触れ合う箇所がないわけではありません。

新車に負担をかけないよう慣らし運転をしましょう。

新車の慣らし運転が必要な理由とは?

新車を購入して安定した状態になるまでは初期故障の原因が発生する可能性があるとされています。最近の車は技術が進歩して性能が精密化してため、初期故障の可能性は低いという考えもありますが、部品同士の相互作用で不具合が起きないわけではありません。

新車の出荷時に点検はされていますが、実際の走行で熱変化や振動でねじが緩んでしまったり何らかのトラブルが起きてしまうことがあります。また、新車の作動は安定していないため急な負担をかけることでも不具合が発生してしまう可能性があります。

そのため、新車購入直後は車に負担を与えない状態で一定走行距離に達するまでの間は慣らし運転が必要とされています。新車の慣らし運転をすることにより、エンジンの調子を把握できたり長く持たせることにつながります。

そして新車の不具合に早く気付くことができたり、燃費の保持や加速のバランス保持などに繋がるとされています。

新車の慣らし運転のポイント

新車のエンジン内部には細かなな凹凸(バリ)があります。そして駆動することでロスが発生するのでバリを取りエンジンにあたりをつけてあげる必要があります。新車は購入直後の走行する駆動によって、金属同士の摩擦にまだ馴染んでいません。

慣らし運転はそのためでもあり、一般道のような道を一定の速度で走り続けてもバリがなかなか取れず残ってしまいます。慣らし運転では一般道道と高速道路をバランスよく走ったり、高速道路を長く走ることがです。

慣らし運転では負荷を少しずつかけていくことが大切で、急な高回転をさせずゆっくりと摩耗を行いアタリや馴染みを付けることがポイントです。

車種別(メーカー別)の新車の慣らし運転

新車の慣らし運転は各メーカーにより異なります。慣らし運転を行った車と行わなかった車とでは、将来的に燃費良し悪しや走行性能に差が出てくると言われています。近頃の新車は性能が優れているとはいえ、慣らし運転をするにこしたことはありません。

では慣らし運転の必要性など各メーカー毎に考え方がありますので、ここではメーカー別に新車の慣らし運転についてご紹介します。

トヨタ

トヨタの場合、新車の慣らし運転の見解としては通常の安全運転を心がけていれば各部品が自然になじんでくるので慣らし運転は必要ないというものです。新車購入者本人がその車に慣れるまでの運転期間が慣らし運転と考えてもらえれば大丈夫という考えです。

つまり、法定速度の範囲内での走行はすでに慣らし運転になっているということです。

スバル

スバルの場合は、例えばBZRなら1,000kmまでは4,000rpm以下で慣らし運転をしてほしいという内容です。スバルは新車の慣らし運転が必要な車種に関しては取扱説明書に記載してあります。

それでも取扱説明書にはエンジンの回転数を抑えて走るという説明のみなので、それ以外の慣らし運転は必要ないということです。

日産

日産の場合、新車の慣らし運転は走行距離が1,600kmに達するまではエンジンの回転数を4,000rpm以上に上げないことと、アクセルを完全に踏み込んで走行しないこと、急発進をしないこと、急ブレーキは避けることが大事だという考えです。

これらの注意事項を疎かにした場合、エンジン寿命の短縮、性能低下のおそれがあるという考えです。新車の慣らし運転はエンジン性能を最大限に引き出すためにも必要だというのが日産の見解です。

ホンダ

ホンダの場合新車の慣らし運転は、最近の車はエンジンや部品の精度、機能が進歩しているので特に慣らし運転を行う必要はないという考えです。ただ、車の性能を保持するためや長く乗るためには慣らし運転も必要だと言っています。

車の取扱説明書に慣らし運転期間の記載がある場合はその指定の期間、取扱説明書に慣らし運転期間の記載が無い場合ならエンジンや駆動系の保護を考えて、急加速や急発進を避けながら1000kmまで慣らし運転をしてほしいという意見です。

マツダ

マツダの場合、現在の車は部品やオイルの品質が向上したので特別に慣らし運転をする必要はないという考えです。急発進・急加速・エンジンへの負担を避けて走行することで十分ということです。

ただし、ロータリーエンジンについてはメタル類・シール類をなじませる理由から、1,000kmまでは空ぶかしを避け、エンジン回転数を7,000rpm以上にせず、急発進、急加速をしないように心がけることが必要ということです。

スズキ

スズキの場合は新車購入者本人がその車に慣れるまでの期間を慣らし運転だと考えています。ですから、慣らし運転の必要性や具体的なやり方などは特に説明していないので必要はないということでしょう。

新車の慣らし運転の方法と注意すべき点とは?

新車の慣らし運転を行う際に気を付ける点を各項目別にご紹介します。新車をより長くもたせるために慣らし運転で注意すべき点やコツをしっかりつかんでおきましょう。

AT新車の慣らし運転の仕方

ATの新車の場合はエンジンをかけてすぐに発信せず、油温が上がるまでしっかり暖機運転することが大切です。後はゆっくりアクセルを踏んでゆっくり加速が基本です。慣らし運転のの距離は1000~1600kmくらいまでです。

ギアの慣らし運転でもあるので、一般道も走行しギアチェンジの多い機会を作りましょう。慣らし運転の期間は緊急時を除きブレーキはゆっくり踏み込むことが大切です。

慣らし運転をしながらシフトアップのタイミングやキックダウンのタイミングを知ることができ、また、下り坂でのシフトダウンでエンジンブレーキはどのような効き方をするのかなど感覚をつかむこともできます。

CVTの新車の慣らし運転の仕方

新車のCVTの慣らし運転の場合はどうするべきなのかというと、どの車でも慣らし運転の方法は同じです。あたりをつけ、エンジン・サスペンション・ブレーキも慣らすという目的です。そしてタイヤの剥離剤を取る意味もあります。

そして自分と新車が慣れるという目的のために慣らし運転を行いましょう。AT車と同じように急発進、急ブレーキを避けて1000kmから1600km位の距離を目安に回転数を抑えながら慣らし運転をしていけば問題ありません。

高速道路での慣らし運転

新車の慣らし運転を高速道路で行う場合、速度が一定しているのでエンジン、トランスミッションに負担がないという点がメリットとなります。そして高速なため短時間で長い距離をこなすことができます。

また新車の慣らし運転は安定した速度で走行することが大切なので高速道路は最適だと言えます。ただ、高速道路での慣らし運転はブレーキ、トランスミッションの慣らしが難しいというデメリットがあります。

走行距離500kmまでは時速50~80k前後で一般道、1000km近くになったら時速80km・回転数3500~4000を目安に高速道と、一般道と高速道路を併用して慣らし運転をするのもです。アクセルは一気に踏み込まずゆっくり加速しましょう。

ハイブリッド車の慣らし運転

ハイブリッドの新車については特別な慣らし運転はなく、普通車の場合と基本は変わりません。急なアクセルの踏み込みはせず、回転数を抑えながら走行することが大切です。車に負担をかけない運転が慣らし運転です。

普通車の場合と同じで1000~1600kmを目安に慣らし運転を行っていきましょう。

慣らし運転に必要な距離

新車の慣らし運転で目安となる走行距離は1000~1600km程度が一般的です。1000km走ることが目的ではなく、車を馴染ませることがポイントなので一気に1000km走行するのはできません。

できれば200kmを5回に分けて走行するなど、1000kmに達するまでは複数回に分けた慣らし運転をするようにしましょう。

慣らし運転の回転数

新車の慣らし運転では急加速は避け、ゆっくりと回転数を上げていきましょう。新車購入時から500kmまでは半分の回転数で、1000~1600kmまでは回転数は3500~4,000回転を守ることが大切です。

急アクセルや急発進は避け、一定のエンジン回転数を維持するように心がけましょう。制限速度を守り安全運転をしていれば適切な慣らし運転になります。

オイル交換の時期

新車を購入し走行していると、エンジン各部にアタリがつくまで金属の摩擦などで鉄粉や水分などがオイルの中に混じってしまうことがあります。新車購入後はディーラーでの1ヶ月点検などを行いながらオイル交換をすることをします。

オイル交換の時期はディーラーや、車両ごとにことなる場合がありますので各指示に従いながらオイル交換をしましょう。新車の時期にオイル交換やエレメント交換を怠ると、エンジンが悪化していくおそれがあるので適切な時期を守ることが大切です。

1000km走行したらオイルとオイルフィルターを交換するというのが一般的な目安で、さらに3000kmになったら再びオイルとフィルターの交換をすることをします。

タイヤも慣らし運転が必要

新車の時期はタイヤも新品です。タイヤは新品のときは表面に剥離剤が残っているのでツルツルしておりまだ性能を完全に発揮することができません。新車の慣らし運転というのはタイヤのためでもあります。

タイヤの皮剥きといって、ひと皮剥いてあげることでタイヤ本来の性能グリップ力を発揮することができます。

・<ダンロップ>乗用車・軽トラック:走行速度80km以下で走行距離100km以上
小型トラック:走行速度60km以下で走行距離200km以上

・<ブリヂストン>夏タイヤ:80km以下で走行距離100km以上・ 冬タイヤは60km以下で走行距離200km以上

メーカーの基準を参考に、新品タイヤの時期は慣らし運転を必ず行い事故やトラブルがないよう心掛けましょう。

新車の慣らし運転中にエンジン回転数が高くなった場合

新車の慣らし運転の最中にエンジンの回転数が高めな状態で走ってしまった場合、慌てる必要はありませんが、まだブレーキが馴染んでいないこともあるのでうまくブレーキが効かないことがあります。

極端に回転数が上がってしまうことはないので、ゆっくりブレーキをかけながら止まりましょう。そうならないよう新車のうちは無茶な運転は避けて「少しずつ」という意識をもって慣らし運転をしましょう。

タコメーターがない場合の慣らし運転

新車の慣らし運転の目安になるエンジン回転数のタコメーターがない場合は、高速道路は時速80km程度に抑えて走りましょう。大型トラックに追走するのもです。大型トラックには大抵リミッターがついているので制限速度前後で走行することが多いからです。

山道はできるだけ走行せず、通る場合は上りが時速30km前後で下りはエンジンブレーキはできれば使わないようにしましょう。また、急な加速をせずシフトダウンはしないことが大切です。

一般道などを流れに合わせて走行していれば、回転数が3000を超すことはあまりないので心配はないでしょう。また、心配であればスマートフォンにエンジン回転数を表示させるアプリもあるので活用してみましょう。

新車の慣らし運転で安全なカーライフを送ろう

新車の性能は万全だと思っても、アクセルやブレーキの効き具合やステアリング感覚は以前の車と全く同じではなくメーカーや車ごとにも大きく違います。運転に自信があっても、自分が新車に慣れることも大切です。

慣らし運転で車の性能を把握しながら初期の不具合を見極めることが肝心です。慣らし運転が必要かどうかは意見が分かれていますが、慣らし運転の必要性については安全性や新車の性能、寿命を考えると行うことがふさわしいと言えます。

慣らし運転を行ったほうが車のためでもあり、自分のためでもあります。技術や部品の精度が向上してもやはり慣らし運転で実際に走ることでエンジンやサスペンションなどの動きをスムーズに馴染ませることができます。

素敵な新車を購入できたのですから、安全に快適にカーライフを送るためにも無駄にはならない慣らし運転を行いましょう。

初回公開日:2018年01月11日

記載されている内容は2018年01月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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