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車・二輪でのドリフトのやり方・注意点|at/mt/軽トラ

更新日:2024年09月03日

レースゲームなどでおなじみのドリフト走行ですが、実際の車でもやり方次第でドリフトができることをご存知でしょうか。実際にかっこいいドリフトができるなら、一度はやってみたいですよね。そこで今回は、実際の車でのドリフトのやり方を解説してみました。

車・二輪でのドリフトのやり方・注意点|at/mt/軽トラ

ドリフト走行をマスターしよう

皆さんは「ドリフト走行」というドライビングテクニックを知っていますか。ドリフトとは、車のリアタイヤを滑らせてコーナーやターンを決めるというテクニックです。カーアクションやレース、またはゲームなどで見たという人も多いです。

そんなドリフト走行をやるのは一見難しそうですが、実はドリフトにはれっきとしたやり方や方法があります。確かにドリフトは高度なテクニックで、できる方も少ないイメージがあります。

しかし、適切な方法で適切なやり方を身に着けさえすれば、ある程度の運転テクニックがある人なら必ずドリフト走行ができるようになります。覚えが早ければ、数か月でマスターすることも十分可能です。

車好きな人やレース観戦が好きな人なら、一度はドリフト走行をやってみたいという人は多いです。そこで今回は、そんなドリフトのやり方を車種別・難度別に解説していきます。

ドリフトって何?

ドリフト走行とは、車がカーブに差し掛かってコーナリングするときにあえてタイヤが滑っている状態をキープし、かつ滑り具合をうまくコントロールして車を操るテクニックのことを言います。

ドリフトを積極的にコーナリングに取り入れることで、フロントタイヤだけでなくリアタイヤで車体の向きを変えることができます。狭いコーナーや小さなヘアピンカーブなどの走行が難しいレーンをより早く走り抜けることが可能であり、かつタイムを縮めるのに大いに役立ちます。

また、ドリフト走行は見た目もかっこよく、ギャラリーを沸かせることができるテクニックでもあります。

ドリフト走行とグリップ走行

コーナーで後輪を滑らせるドリフト走行に対し、日常で車を運転するときに用いている走行方法を「グリップ走行」と呼びます。グリップ走行ではハンドルとブレーキ操作でしっかりと路面をつかみながらコーナーを曲がるため、タイヤの減りが少なく済みます。

また、F1レースで主に使われている走法はドリフト走行ではなくグリップ走法です。高速で走行するフォーミュラカーは、直線走行でさえタイヤのすり減りが早いため、ドリフト走行を行うとピットインの回数が多くなってしまい、レースには不利になります。

ドリフト走行のメリット

ドリフト走行は確かに難しい技術ですが、効果的に使用することでレースでも活用することができます。ドリフトの最大のメリットは、コーナーでスライド走行を行うことで進行方向に素早く車の向きを変えられる点です。車の向きを変えるのに取られる時間が短縮され、次の加速に向けての体制が取りやすくなります。

ドリフト走行が特に生きてくるのは、ヘアピンカーブなどの急角度のコーナーです。グリップ走行は安定性がある代わりに小回りが利きにくいため、急なコーナーではドリフトに比べてスピードが落ちやすくなります。

そしてドリフトの一番の魅力は技術としての一面ではなく、その見た目の派手さや美しさにあります。実際にドリフト走行で競い合う自動車競技では、区間ごとのタイムのみならずドリフト時の角度やライン取りなどにも焦点が当てられ、その正確さや美しさ、かっこよさが勝敗の分かれ目になることもあります。

ドリフトのやり方を学ぶ前に知っておきたいこと

早速ドリフトのやり方を解説していきたいところですが、その前にドリフトについてもっと詳しく解説していきましょう。ここでは、ドリフトのやり方を覚えるうえで必要なドリフトがいかにして起こる現象なのかといった根本的な知識や、ドリフトがやりやすい車・やりにくい車について説明していきます。

ドリフトはどんな現象?

ドリフトがリヤを滑らせて、その挙動をカウンター(逆ハンドル)と呼ばれる技術でコントロールしながらコーナーをスムーズにクリアするテクニックということは先にも書きました。しかし、その時に車に何が起こっているのかを理解しておかないと、練習してもなかなか上達しません。

ドリフトの上達には、具体的なやり方を覚えるだけでなく現象をきちんと理解し、解析できるようになっておく必要があります。ここでしっかりと覚えて、早い上達を目指しましょう。

オーバーステアとアンダーステア

ドリフトのやり方を覚えるためにまず知っておきたいことは「オーバーステア」と「アンダーステア」の意味と原理です。

「オーバーステア」とはFR車(いわゆる後輪駆動車)がコーナーを通過する際に、後輪駆動のためリヤが外側に逃げる挙動を起こす現象のことを言います。また、「アンダーステア」とはFF車(要するに前輪駆動車)に多く見られる現象で、コーナーを通過する際にスピードがつきすぎていると前輪駆動のためにフロントが内側に入りきらず、大回りになることです。

ドリフトとは「オーバーステア」を利用して、車が流れているほうにハンドルを切る「カウンター」という技術を用いた「ステアリングコントロール」と、アクセルの踏み加減を調整する「アクセルコントロール」によって車をコントロールしているという状態です。

ドリフトがやりやすい車

基本的には、やり方さえ選べばどんな車でもドリフトは可能です。しかし、車の中にもドリフトがやりやすい車とドリフトしにくい車があります。ドリフトのやりやすい車の条件は、「FR車(後輪駆動車)であること」と「ターボ車であること」の二つです。

FR車のほうが良い理由は、先にも書いたとおり「オーバーステア」が発生しやすく、ドリフトのコントロールがしやすいためです。ドリフトの基本はこのオーバーステアを利用して車体をコントロールすることなので、ドリフトをマスターしたい人にはFR車がです。

ターボ車とは、ターボチャージャーという「過給機を装着した車」のことです。ドリフトは車のパワーがあればあるほどやりやすく、ターボ車はそのためのパワーを低コストかつ有利に引き出すことができます。さらに、NA(自然吸気)エンジンで同様のパワーを出す改造を行うよりも、大幅にコストを削減できます。

いろいろなドリフトの種類

一口にドリフトと言っても、実は複数の方法が存在します。ここでは、中でも基本的なドリフトのやり方を4種類紹介します。

ドリフトのやり方として区別されてはいますが、違いはコーナーに進入するときの車の態勢の作り方のみです。細かい車体のコントロール方法などはほとんど同じものになります。

慣性ドリフト

慣性ドリフトは、高速でコーナーに侵入することが特徴のドリフトです。高速でコーナーに侵入すると車のリヤが外に流れるので、そこでアクセルを抜かずにカウンター(逆ハンドル)を充てます。その態勢からコーナー出口(立ち上がり)で車の向きをコースラインどおりに戻し、コーナーをクリアします。この一連の流れが慣性ドリフトです。

注意すべきなのは、カウンターを充てた際にハンドルを一定にしないということです。リヤの流れ具合を目で見て判断しながら、ハンドルを少しずつ切ってこまめなコントロールを心がけるようにしましょう。

ブレーキングドリフト

ブレーキングドリフトは、コーナーに進入する際にフットブレーキをフルにかけるか、サイドブレーキをかけることで車体のフロントを中心に車を回転させ、わざとリヤを滑らせるというやり方です。意図的に滑らせたリヤにカウンターを充ててアクセルコントロールを行い、そのままの勢いでコーナーをクリアーします。

慣性ドリフトがどちらかと言えば機能的に優れているのに対して、ブレーキングドリフトは「魅せる」ドリフトを行うことが最大の目的となっていることも特徴の一つです。

また、ABS(アンチロックブレーキシステム)の付いている車はヒューズを抜いておく必要があります。もちろんこの改造を施したままでの公道の走行は厳禁ですので、必ず確認するようにしましょう。

シフトロックドリフト

シフトロックドリフトとは、高速走行から急激なシフトダウンを行ってエンジンの回転数を制限し、シフトロックをかけることでフロントに荷重を欠けるドリフトのやり方のことです。シフトロックによってリヤを流し、ハンドリングとアクセルコントロールで車をコントロールしています。

フェイントドリフト

フェイントドリフトとは、コーナーに進入する際にあえてハンドルを外側、つまり曲がるべき方向とは逆側に切って、外向きになった車を急ハンドルで無理やり内側に向かせることを利用してリヤを流すやり方です。

外側から急激に内側を向かせることでリヤを滑らせた後、ハンドルコントロールとアクセルコントロールで調整しながらコーナーをクリアします。

初心者向けのドリフトのやり方

さて、いよいよ具体的なドリフトのやり方について説明していきます。ここでは初心者向けに、ドリフト中に行う一連の操作のやり方を流れに沿って一つ一つ見ていきましょう。

ドリフトのきっかけ作り

ドリフトのやり方の中で初めに習得すべき技術は、ズバリこの「ドリフトのきっかけ作り」です。この技術を習得しないことには、ドリフトのやり方を練習するどころか始めることすらできません。というわけで、最初にこのきっかけ作りのやり方のコツを紹介します。

一番簡単なのは、本来停車時に使用するサイドブレーキを使うやり方です。先ほど紹介したブレーキングドリフトのやり方の要領で、スピードを十分につけた状態で、コーナーに進入する直前にサイドブレーキを思いきり引きます。その後リヤが滑り出す感覚があれば、成功です。

何度も練習を繰り返してやり方を体に覚えこませ、サイドブレーキと後輪の滑り具合を何となくの感覚でつかむことができたら、ようやく第一段階終了です。次のステップに進みましょう。

アクセル・ブレーキでドリフトを維持

ドリフトできっかけを作れるレベルになったら、次はドリフトを維持する練習に入りましょう。この段階では、ドリフトのきっかけを過ぎてスライドした車体をうまく維持する練習をします。

滑り出した車体を維持するためには、ハンドルを切りながらFR車の場合はアクセルを、4WDならばサイドブレーキを使う必要があります。その状態からハンドル操作を行い、車体がスピンしないギリギリの状態で維持することができればOKです。

この練習のゴールは、上に書いた「車体がスピンしないギリギリの状態を維持する」感覚をつかむことです。サーキットや広い場所などで繰り返し練習して操作を体に染みこませ、どんな操作をすればどのような状態になるのかを感覚で掴みましょう。

アクセルで体制を戻してストレートへ

最後に、ドリフトの状態から抜け出して体制をもとに戻し、直進につなげるやり方を習得しましょう。具体的には、スライドによって曲がり終えたコーナーの終わり目に差し掛かったタイミングで、車体を直進の姿勢へと戻すやり方です。

コーナリングの終わり目が見えたら、車体が進行方向に向くようにハンドリングとアクセルで調整を行い、直進の体制へと戻します。この時、絶対にブレーキを踏んではいけません。スライドの状態でブレーキをかけたが最後、車体はバランスを失ってスピンしてしまいます。

このタイミング・感覚をつかむためには実車でのドライビングを繰り返すことも大事ですが、実際のレースの動画やレースゲームを使うやり方もあります。3人称視点から車体の動きを見ることができるため、ドリフトを行うタイミングや慣性のかかり方などを視覚的に理解することができます。やり方がわからず行き詰まった時、試してみましょう。

車でのドリフトのやり方

MT(ミッション)車

上記で解説したやり方はMT車を想定したやり方なので、そのとおりにやれば基本的に問題はありません。

また、ドリフトのやり方を覚えるにはMT車がもってこいです。ギアチェンジがドライバーに委ねられている分加速がやりやすく、シフトダウンの効果も大きいため、初心者はできるだけMT車から始めるようにしましょう。

AT(オートマチック)車

結論から言うと、AT車でドリフトを決めるのは非常に難易度が高いです。MT車ならドリフトのシチュエーションによってギアチェンジを行い、適切な対応を行うやり方が可能です。しかしAT車では能動的なギアチェンジが不可能であり、自分の操作で対応していくやり方に切り替える必要があります。

また、AT車はMT車と比べてアクセルを踏んでも加速力の領域が少ないことも特徴です。AT車でのドリフトの際は、ローギアやセカンドギアなどの登坂用のギアに変速するやり方が一般的です。このやり方を使用して、上で紹介した練習を行えば、AT車でもドリフトを行うことが可能です。

具体的なやり方

では、より詳細なAT車でのドリフトのやり方を解説していきます。

まずは再度ブレーキを引いてドリフトのきっかけを作り、AT車のギアを低いギアに変速してからアクセルを踏んでドリフトを維持します。そのまま、ハンドル操作を使って直進状態へと戻していきます。

この流れを何度も繰り返し練習すれば、だんだんと感覚をつかんでいくことができます。MT車からの転向となった場合には感覚の違いに戸惑うこともあるでしょうが、頑張ってやり方を覚えましょう。

4WD(四輪駆動)

4WDの車でのドリフトは、AT車のやり方よりもさらに難しいものになります。大きな理由としてはブレーキ・サイドブレーキともに4輪全てにかかることになる上、ドリフトの前提になる荷重移動にもろに差し支えるためです。

4WDに適したやり方としては、上で紹介したフェイントドリフトがです。ただし4輪が同時に駆動しているため、ハンドル操作は非常に難しいものになります。あくまで4WDのドリフトは魅せる目的ではなく、コーナーをクリアするためだけの技術と捉えた方が良いです。

二輪でのドリフトのやり方

バイクでのドリフトの原理は、基本的に4輪車と同じです。ただしバイクの場合、4輪車でのテクニックに加えて左右のバランスをとることが必要になってきます。加えて、市販されているバイクではドリフトを行うことは困難です。ドリフト用にセッティングを行う必要があります。

バイクでのドリフトには、まずパワースライド(フロントタイヤは滑らせず、リアタイヤのみを滑らせる)から始める必要があります。それができるようになれば、次は4輪車と同じようにカウンターを当てていきます。ここまで来れば、あとは細かいアクセルワークで傾いた車体を調整していくだけです。

車種別のドリフトのやり方

軽トラ

軽トラというと運搬用の車両のイメージが強く、軽快な走りをするというイメージはあまりありません。しかし、軽トラは一般的な乗用車と比べてパワーを上げるためのチューニングが施されているため、やり方によってはパワフルなドリフトを行うことも可能です。実際、軽トラレースやドリフトの世界大会もあるほどです。

軽トラでのドリフトのやり方自体は、上で紹介したものと変わりありません。MT車やAT車、4WDの軽トラでの操作の際も全く同じです。

レガシィ

レガシイでもドリフトは可能です。もともとのエンジンパワーなどの性能が優れているため、AT車・4WDともに無改造でドリフトを行うことができます。上記のやり方で操作に慣れていけば、習得することができます。

ドリフトのやり方の注意点

ドリフト走行は見た目が派手で、しかも使い方によってはコーナーリングを有利に運ぶことができます。しかしながら、派手な分やり方には注意が必要です。

ドリフト走行とは、路面との摩擦で車体を滑らせ、曲がりやすくする技術です。つまり曲がりやすくなるということは、スピードを落とさざるをえないということです。特に舗装された道路では、駆動力が異なる方向に向いてしまうため、早く走ることにつながらない場合も多くあります。

さらに、ドリフト走行はタイヤやコースに大きなダメージを与えかねないリスキーな技術でもあります。しかも最近ではタイヤの性能が大きく向上しているため、ドリフトを行う目的が「魅せる」ことのみになっているのが現状です。

ドリフトを「正しく」活用しよう

ここまでドリフトのやり方を解説してきましたが、ドリフトを習得するにあたって一番重要なのは「覚えた技術をどう使うか」です。レースやショーとしてドリフトを使えばギャラリーを盛り上げ、レースを有利に進めることも可能ですが、公道で使えばその限りではありません。

公道で見世物としてドリフトを行えば、それは交通妨害や騒音などの迷惑行為に様変わりします。どんな技術にも言えますが、ただ身につけた技術をむやみに見せびらかしているだけでは意味がありません。

正しい場所で正しく披露しなければ、どんな技術も賞賛の対象にはなりません。しっかりとルールを守り、ドリフトを行うようにしましょう。

初回公開日:2018年05月09日

記載されている内容は2018年05月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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