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【種類別】駆動方式|FF/ハイエース/MR/プリウス

更新日:2024年06月28日

自動車にはいくつかの駆動方式あります。FF、FR、MR、RR、4WDという駆動方式の選択は、自動車の走行特性が大きく変わる選択を意味します。では駆動方式の違いによってどんな特性が異なるのか、自動車の駆動方式と荷重に関するお話です。

【種類別】駆動方式|FF/ハイエース/MR/プリウス

種類別駆動方式

外観では判断がつきにくいのですが、自動車の駆動方式には、FF駆動方式、FR駆動方式、MR駆動方式、RR駆動方式の4つの種類があります。これらは自動車のエンジン配置位置(フロント、中央、リア)と、駆動するタイヤの位置(前輪、または後輪)を表しています。

駆動方式を知らなければ、雪道でチェーンを設置するのに、正しく駆動輪にチェーンを設置することができずに、雪上で空回りしてしまいます。また、駆動方式によって、それぞれ自動車の走行特性が変わります。では具体的に見てみましょう。

FF駆動方式

FF駆動方式は、エンジンが自動車のフロント(Front)に位置して、駆動するタイヤも前輪(フロント、Front)なので、「Front」と「Front」のそれぞれの頭文字の「F」をとって「FF」と呼ばれています。後輪にエンジン動力を伝えるドライブシャフトが不要なことから、室内空間を広くとれるメリットがあり、今日の自動車で多く見られる駆動方式です。

ホンダのインテグラや、ダイハツのコペン、トヨタのカムリ(初代はFR)など、多くの市販車に採用されている方式ですが、駆動輪とハンドル操舵輪が同じですので、最小回転半径が大きくなり、コーナーに高速でツッコんでタイヤグリップが負けると、外側に膨らむアンダーステア傾向が強くなる特性があります。また、トヨタのハイブリッド車プリウスや、日産のエルグランドにも採用されています。

FR駆動方式

FR駆動方式は、エンジンが自動車のフロント(F)に位置して、駆動するタイヤは後輪(リア、R)なので「FR」と呼ばれています。一部の大型セダンのクラウン(トヨタ)や、スポーツタイプのトヨタ86シリーズやスープラ、日産のシルビアや180(ワンエイティ)、ホンダのS2000やマツダのRX7シリーズなど、走り好きなドライバーに好まれるのがFR駆動方式です。また、バンタイプのハイエース(トヨタ)にも採用されています。

FRが走り好きなドライバーに好かれる理由とは?


FR駆動では、前輪がハンドル操作専用に、後輪が駆動専用となることで、前後輪の役割が分担され、より高出力エンジンの搭載が可能であったり、前輪のハンドル操作専用フィーリングがドライバーに良く伝わるという理由で、走り好きのドライバーには好まれます。また、フロントに負荷が高いFF駆動に比べて、タイヤローテーションが少ないという利点もあります。

MR駆動方式

MR駆動方式は、ミッドシップエンジン(中央配置、Mid ship)で、後輪駆動(リア、R)の駆動方式です。トヨタのMR2やMR-Sをはじめ、ホンダのNSX、軽自動車ではS660、三菱アイに採用されています。重いエンジンが自動車の中央にあることで重量バランスが良く、高速でコーナーを曲がれるという走行特性があります。

一方で、良すぎる重量バランスが仇になってスピンし易いというデメリットも見られ、走り好きなドライバーでも好みで分かれる駆動方式だと言えます。また、ホンダのNSXには、4WD設定もあります。

RR駆動方式

ドイツのポルシェなどに採用されている駆動方式で、エンジンが後方(リア、R)配置、後輪(リア、R)駆動方式です。普段よく見かけるFFやFRの自動車と異なり、フロントのボンネットの中はトランクになっているので空間があります。後輪駆動で、後輪軸よりも後方にエンジンが配置されればRR駆動方式となります。

特性として、駆動する後輪にエンジンの重さがかかることから、トラクションが有利に働いて加速性能が良いという点と、ブレーキを踏んだ際にフロント側に荷重が移動して、荷重バランスが良くなることからブレーキ性能が良いという利点があります。

一方で、前輪が軽すぎて直進安定性が悪いという点と、コーナーで内側に曲がりやすいオーバーステア傾向が強いというデメリットもあります。

2WD

2WDとは、2Wheel Driveの略で、二輪駆動を意味します。つまり、FR駆動方式、FF駆動方式、MR駆動方式、RR駆動方式のいずれかが2WD駆動方式にあてはまります。つまり、同じ2WD駆動方式でも、エンジンの位置と、駆動輪後の位置で、その自動車の走行特性は大きく異なります。

4WD

一方、4WDは4Wheel Driveの略で、四輪の四輪駆動も含めてAWD(All Wheel Drive)とも呼ばれます。4WD駆動方式を採用している自動車は、常に四輪が駆動するフルタイム4駆方式のスバルのインプレッサや、三菱のランサーエボリューション(ランエボ)の他、通常はFR走行で、前輪がスリップ(滑り)しだした時に時々四輪駆動する日産のGT-Rがあります。乗用車でも寒冷地用に加えて4WD駆動設定があります。

ラリー競技で、後輪の片側が破損して、三輪の状態でも走れる姿が見られるなど、フルタイム4駆の走行性能には驚かされます。FF駆動の荷重配分に加え、後輪に動力を伝えるドライブシャフトが加わり、FF駆動方式よりも、より安定した4WDならではのコーナリング特性と、雨天時でも安定した直進性能を得られます。

またラリー技術を継ぐインプレッサやランエボは前後輪のデフを電子制御しています。

軽トラ

軽トラは、軽トラックの略式名称で、660㏄以下のエンジンで最大積載量は350kg以下とされるトラックです。日本の農村部や漁港では後部に荷物を運搬できる利便性が重宝されていて、運送業者の「赤帽」のトレードマークにもなっています。

その駆動方式は、ほとんどがFRまたは4WDですが、過去にはRRやFFレイアウトの軽トラも存在し、ホンダのアクティはMRが採用され歴史もあります。また、1部を除いて一人乗りの軽トラックで三輪車というダイハツのミゼットの安全性能をリニューアルして、一人乗り四輪軽自動車のミゼットⅡというユニークなものもあります。

ハイゼット

英語でHIJETと表記されますが、ハイゼットと呼ばれるダイハツが製造するトラックです。1960年11月に発売が開始された軽自動車型トラックとしては最も古くからあり、3ドアのバンタイプのモデルもあります。駆動方式はFRと4WDを採用しています。

ミニクーパー

ドイツのBMWが製造する3ドア型、5ドア型のユニークな形の自動車で、FF駆動方式または4WD駆動方式を採用しています。直列4気筒の1.4L、1.6Lエンジンを搭載したNA車種と、ターボ車種があり、オープンカータイプの車種もあります。オシャレな外観から、のある輸入車の一つですが、ドイツならではの安全性能も向上しています。

荷重配分で自動車の走行特性を変える駆動方式

純粋に自動車を操る楽しさを味わうならば、全ての駆動方式を運転してみることが必要かも知れません。でも最近の自動車に求められる性能は、自動車の空間容積を限りなく広くできるFF駆動方式ばかりが目立ちます。

スノーボードに乗って斜面を滑走していると、速度の恐怖に負けて腰が引けてしまうと、操舵しているフロントの荷重が抜けて、全く曲がらない事態に陥ることがあります。それだけ荷重は方向コントロールに影響を与える要素であって、タイヤのグリップ性能と、自動車が曲がる性能にも大きく影響を与えます。

自動車の駆動方式を知ることは、自動車の荷重配分を想像して、その自動車の基本特性と、走行限界時のポテンシャルを知ることになりそうです。外観デザインや機能だけにとらわれないで、純粋に自動車の走行特性を創造することも、自動車を安全に運転するドライバーに必要な知識と感覚というスキルを磨くことになりそうです。

初回公開日:2018年01月17日

記載されている内容は2018年01月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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