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警笛鳴らせの標識の意味とある場所・夜も鳴らすのか|鉄道

更新日:2024年07月03日

警笛鳴らせの標識を教則本ではなく実際に設置されているものを見たことがありますか?今回は普段あまり見かけることの少ない警笛鳴らせの標識について、標識の意味、どこで見られるのか、だれが設置しているのかなどについてご紹介しています。

警笛鳴らせの標識の意味とある場所・夜も鳴らすのか|鉄道

警笛鳴らせの標識の意味

今では運転免許を取得するときに手にする教則本でしか見かけない、警笛鳴らせの標識の意味をご存知ですか

警笛(けいてき)とは自動車、鉄道車両、船舶などが、自らが近づくことを音を使って他の通行対象に知らせるために使用する保安用具です。鉄道車両では気笛、道路交通法では警音器と呼ばれています。

鉄道

鉄道の場合は気笛吹鳴標識(きてきすいめいひょうしき)といい、鉄道会社によりデザインは異なります。JRは「✖」印です。列車の接近を知らせるために気笛合図を行うことを指示する標識です。騒音として問題視されることが多くなり、最近ではあまり見かけなくなりました。

自動車

警音器(クラクション)を鳴らさなければいけない場合として、道路交通法第五十四条では以下のとおりに決められています。この中にある道路標識が警笛ならせの標識になります。警笛鳴らせという標識は道路標識の分類では規制標識に当たります。

規制標識とは特定の交通方法を禁止したり、特定の方法に従って通行するよう指定したりする標識です。警笛鳴らせの標識は警音器(クラクション)を鳴らして通行するよう指定しているということになります。

この標識がある区間では、クラクションを鳴らして対向車に車両の存在を知らしめる必要があります。逆に道路交通法第五十四条に決められた場合以外の警音器の使用は禁止されています。

(警音器の使用等)
第五十四条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。

出典: http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/... |

警笛鳴らせの標識のデザインは誰が決めた?

標識の種類は「昭和三十五年総理府・建設省令第三号」(「道路標識、区画線および道路標示に関する命令」)で決められています。現在この省令は国土交通省と警察庁で共同所管されていて標識の種類によりどちらの組織の管轄かが決まります。改正の必要が生じた場合は管轄する組織内部でデザインを含めて原案を考え、決済を受け官報への掲載を経て正式に決まります。

警笛鳴らせの標識は都道府県公安委員会が設置管理者ですので、警察庁の管轄となります。従って警察庁内部でデザインが決められたと考えられます。

現在ある標識のデザインを考えた個人を特定することは困難です。一部の標識は国際連合道路標識のデザインに合わせて改正されたものもあります。

警笛鳴らせの標識の設置場所は誰が決めている?

鉄道

鉄道標識の設置管理者は、各鉄道事業者となっています。

自動車

警笛鳴らせの標識は規制標識であるとご紹介しました。標識の種類はほかに案内標識、警戒標識、指示標識があります。標識設置管理者は標識の種類により決まっていて、下表のようになっています。警笛鳴らせの標識は規制標識であり都道府県公安委員会が設置管理者となります。

道路管理者は国道が国土交通省、都道府県道は都道府県、市町村道は市町村、高速道路はNEXCOとなっています。

種類設置管理者
案内標識道路管理者(国土交通省、都道府県、市町村、NEXCOなど)
警戒標識同上
規制標識都道府県公安委員会(ただし危険物積載車両通行止め ・最大幅 ・自動車専用の規制標識は道路管理者が設置管理者となる)
指示標識同上(規制予告については道路管理者が設置管理者となる場合もある)

警笛鳴らせはどこで見れる?

鉄道

上野~黒磯間を結ぶJR宇都宮線の蓮田駅と白岡駅間に汽笛吹鳴標識があります。おおよその場所を地図でご紹介します。GoogleMapのストリートビューの画像では角度の関係で標識は写っていません。

自動車

警笛鳴らせの標識は道路の改良工事とともに道幅が広げられたり、カーブが緩やかになったりして設置が必要な個所が減ってきました。ブラインドコーナーではカーブミラーが設置されることが多くなり、警笛鳴らせの標識は山道などでしか見かけなくなりました。

警笛鳴らせの標識が残っている個所があるので、道路標識に絞っていくつかご紹介します。

東京

東京都内で警笛鳴らせの標識が見られるのは、郊外となりますが東京都小金井市東町です。ブラインドカーブとなっていてカーブミラーもありますが、警笛鳴らせの標識が設置されています。山道でないのは珍しいです。おおよその場所を地図でご紹介します。

北海道

北海道内で警笛鳴らせの標識が見られるのは、今は廃止されてしまったJR江差線の吉堀駅と神明駅を結ぶ道道5号線です。ブラインドカーブとなっていて民家が隣接しており、民家から出てくる自動車との出会い頭の衝突の危険があるため警笛鳴らせの標識が設置されています。おおよその場所を地図でご紹介します。

山形県

山形県と宮城県を結ぶ国道256号線上の笹谷峠を越えるところは、山形県側から向かって九十九折が続く箇所が3つあり、その3つ目に入るところに標識があります。おおよその場所を地図でご紹介します。

大阪府

大阪府内で警笛鳴らせの標識が見られるのは、大阪府豊能町内の府道110号線の希望ヶ丘東交差点付近です。ブラインドカーブとなっていて住宅地や会社の建物が隣接しており、住宅地や建物から出てくる自動車との出会い頭の衝突の危険があるため、警笛鳴らせの標識が設置されています。おおよその場所を地図でご紹介します。

岐阜県

岐阜県の県道97号線の1車線区間は道が狭いうえにブラインドカーブが多くあります。対向車との出会い頭の衝突の危険があるため、警笛鳴らせの標識が設置されています。おおよその場所を地図でご紹介します。

高知県

高知県高知市と高知県安芸市東洋町を結ぶ国道493号線の下の地図で示した地域では、警笛鳴らせの標識が数多く設置されています。いずれも対向車との出会い頭の衝突の危険があるためです。

宮崎県

国の名勝・天然記念物に指定されている高千穂峡付近を通る県道50号線上の地図で示した付近に複数の警笛鳴らせの標識があります。1車線でブラインドコーナーとなっています。対向車との出会い頭の衝突の危険があるために設置されています。

警笛鳴らせは夜でも有効?

夜はヘッドライトの明かりで対向車の存在がわかるから、クラクションを鳴らす必要がないのではないかと思われるのは間違いです。

警笛鳴らせの規制標識に時間帯を指定した補助標識がついていなければ、昼夜問わずクラクションを鳴らす必要があります。補助標識がついていれば、そこに記載されている曜日や時間帯に従ってクラクションを鳴らします。

警笛鳴らせは必ず鳴らさないといけないの?

先にご紹介した道路交通法第五十四条で決められている警音器を鳴らさなければいけない場合に鳴らさないと道路交通法違反となります。

道路交通法第五十四条に違反した場合の罰則規定が第百二十一条の六号に規定されています。それによると「二万円以下の罰金または科料に処する」となっています。反則金制度で支払う場合は普通車では6千円となっています。

警笛鳴らせの標識がある箇所は、クラクションを鳴らして対向車に知らせないと危険なので設置されています。罰則があるからではなく事故を回避するために、標識があったらクラクションを鳴らしましょう。

第百二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、二万円以下の罰金又は科料に処する。
(省略)
六 第五十四条(警音器の使用等)第二項又は第五十五条(乗車又は積載の方法)第三項の規定に違反した者
(省略)

出典: http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/... |

反則金制度とは?

正式名称は交通反則通告制度といい、自動車または原動機付自転車を運転中の軽微な交通違反に限り、一定期日までに法律に定める反則金を納付することにより、裁判所の審判を受けず前科もつかないという日本の法律運用制度です。

自動車の普及に伴って違反があまりにも多く、全てを裁判所を通した手続きをしていられないので、負担を軽減するためにできた制度です。

標識が設置されている理由を理解して安全運転を!

ここまで、警笛鳴らせの標識の意味と設置場所などについてご紹介しました。

警笛鳴らせは規制標識の1つで都道府県公安委員会が設置管理者となっています。道幅が狭いが一方通行ではないうえに見通しが悪く、対向車が来ると出合い頭の衝突事故が発生する危険がある場所に設置されています。

警笛鳴らせの標識があったら速度を落としクラクションを鳴らして、対向車に存在を知らせましょう。慣れない土地では普段見かけない標識が設置されていることがありますので、出かける前に下調べして安全運転を心がけましょう。

初回公開日:2018年01月18日

記載されている内容は2018年01月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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