脱輪とはどういう状況か・脱出方法と仮免で脱輪しても受かるのか
更新日:2024年08月14日
車の脱輪に関しての対処法は?
ちょっと油断してしまったことによって、車のタイヤが脱輪してしまうことがあります。急に脱輪を起こしたときはどうすれば良いか分からない方も多いでしょう。そこで今回は、車のタイヤが脱輪した時の対処法についてご紹介してまいります。
脱輪とはどんな状況のこと?
車のタイヤが脱輪した状態とは、走行中にタイヤが外れることや走行中のタイヤが道を外れて側溝などの溝にはまってしまう状態のことを脱輪といいます。車を普通に使っていてタイヤが外れてしまうことは滅多に起こりませんが、溝などにはまってしまい脱輪することは十分に考えられます。
教習所で脱輪とはどんな状態?
教習所には側溝などの溝はありませんが、教習所でも脱輪と呼ばれる現象があります。教習所で起こる脱輪とはタイヤがコースから外れてしまうことで、コースを区切っている段差に乗り上げてしまうことや白線の外にタイヤが出てしまうことをいいます。
教習所での脱輪はS字やクランクなどで起こりやすく、脱輪の対応方法を間違えてしまうと検定中止などにつながってしまいます。
教習所で脱輪したらどうなるの?
教習所での脱輪による減点は3種類に分かれており、脱輪の度合いによって減点される点数が異なります。それぞれ状況が異なるので、各項目詳しく見ていきましょう。
脱輪(小)
脱輪(小)とは縁石にタイヤを軽く擦ってしまう状態のことをいいます。脱輪(小)は場内で5点の減点となり。路上では10点の減点となります。段差に乗り上げなくても減点されてしまうので、注意しましょう。
脱輪(中)
脱輪(中)とはタイヤが縁石に乗った状態で停止した状態のことをいいます。脱輪(中)の状態は20点の減点となりますがそれだけでは検定中止にならないので、縁石に乗ってしまった場合は一度下がって縁石に乗らないように走行しましょう。
脱輪(大)
脱輪(大)とはコース外に出たまま進んでしまうことをいいます。縁石などに乗ってしまった場合であれば停止せずに進んでしまう状態で、縁石(大)の場合は検定中止となってしまいます。コースの外に出てしまった場合や縁石に乗ってしまった場合は、一度停止してからやり直すようにしましょう。
仮免時に脱輪しても合格できるの?
仮免試験の時に脱輪を起こした場合は、脱輪の度合いによって合格できる場合とそうでない場合があります。
前の項目で説明した脱輪小・中であれば減点されるだけなので、試験を続けることができますが、脱輪(大)の場合は検定中止となるので不合格になってしまいます。また、脱輪(中)は20点の減点となるので、他の項目で10点以上の減点があれば不合格となってしまいます。
脱輪した場合でもそのまま通過しなければ検定中止にならないので、脱輪した場合は他の項目に注意しながら試験を続けましょう。また、減点項目が脱輪(小)または脱輪(中)だけであれば十分試験を合格できるので、最後まで諦めずに試験を続けましょう。
教習所で脱輪した時の対処法は?
教習所で脱輪してしまったときは必ず停止しましょう。一度停止して下がれば減点される点数を小さくすることができますが、そのまま進んでしまうことは危険行為となってしまい、検定中止になってしまいます。
一番良いことは脱輪しないことですが、最初は車に慣れていなくて脱輪してしまうこともあるでしょう。L字クランクなどで後輪が脱輪してしまったときは、ハンドルを切り始めるタイミングが早い証拠です。
後輪が脱輪してしまったときはハンドルを切り始めるところまで一度下がり、ハンドルを切り始めるタイミングを少し送らせてみましょう。こうすることで後輪の脱輪を防ぐことができます。
道路で脱輪した時の脱出方法は?
自分の車で走行していた時に側溝などに落ちて脱輪した場合は、その状態から脱出しなければなりません。そこで、次の項目からは路上で脱輪した時の脱出方法についてご紹介しましょう。
ハンドルを切って脱出する方法
脱輪してしまった場合、状況によってはハンドルを切ることで脱出できる場合があります。車の駆動方式が前輪駆動か4輪駆動であれば、ハンドルを切ってタイヤの側面を側溝の端に当て、アクセルをゆっくり踏みながらハンドルを操作すると脱出できることがあります。
ジャッキを使って脱出する方法
ハンドルを切っても脱出できない場合は、ジャッキを使って対応すると良いでしょう。車によってはスペアタイヤに交換するための車載ジャッキが装備されていることがあるので、その場合は車載ジャッキを使って車を持ち上げましょう。
ジャッキで車を持ち上げるときは車と道路の隙間にジャッキを入れ、車を持ち上げてから溝の隙間にブロックなどの硬いものを入れて足場を作ると脱出できます。しかし、車種によっては車載ジャッキを積んでいない車もあるので、車載ジャッキが搭載されていない車は自分でジャッキを用意しなければ脱出できません。
車を人力で持ち上げる方法
この方法は軽自動車などの重量が軽い車限定の脱出方法ですが、軽自動車などは大人数人で持ち上げることができます。そのため、車の重量が軽くて周りに人がいる状態であれば、車を人力で持ち上げて脱出を試みても良いでしょう。
牽引ロープで引っ張ってもらう
この方法は牽引ロープと別の車が必要になりますが、別の車に引っ張ってもらうことで脱出できる場合があります。牽引ロープで脱出する時は、車を繋いだ後にロープが張るまでゆっくり引っ張ります。ロープが張ったら救援車のアクセルを踏み、車を脱出させます。
この方法は牽引ロープや他の車が必要になる上、引っ張る車の馬力や引っ張られる車の重さなども関係してくるので、中には牽引ロープで脱出できない場合もあります。
ロードサービスを利用して脱出する
自分で脱出することが難しいと判断したときは、ロードサービスを利用して脱出すると良いでしょう。ロードサービスを呼べば確実に脱出することができ、一番安全に脱出することができます。
自分で脱出することが難しいと感じたときは、加入しているロードサービスやJAFなどを利用して脱出しましょう。
脱輪による車へのダメージは?
脱輪状態から脱出した後は、車にダメージがないか確認してください。脱輪した時に下回りをぶつけてしまいオイルや冷却水などが漏れている可能性もあるので、脱出した後は液漏れなどを起こしていないかどうか確認しましょう。また、脱輪で下周りの部品を破損していることも考えられるので、車の下回りにあるマフラーなどの部品が外れていないかどうか確認しましょう。
脱輪で壊れやすい部品は?
脱輪した時はホイールやタイヤなどへのダメージや、下回りのダメージなどに注意する必要があります。車の異常を確認するときはタイヤに引っ掻いたような跡やえぐれている部分がないか、ホイールに異常な歪みがないかどうか確認しましょう。
また、これらの部品に異常がなかったとしても足回りの部品に歪みやズレが発生している可能性もあるので、脱輪したときは早めに近くの工場で点検を受けるようにしましょう。
路上での脱輪は事故になる?
道路の隙間にある側溝などに落ちてしまった場合、「速度がゆっくりだったし人を巻き込んでいないから、これは事故にならないのでは」と考える方も多いでしょう。しかし、側溝などに落ちてしまった場合は「自損事故」という扱いになります。脱輪した時に標識や側溝、ガードレールなどを壊してしまった場合は、壊したものを弁償する必要があります。
また、タイヤが外れてしまうことも脱輪といいますが、この場合も事故扱いになります。また、外れたタイヤが他の車に当たってしまったときは物損事故になります。いずれの場合も物を壊してしまったときは壊したものを弁償する義務があるので、物を壊してしまったときは警察に連絡しましょう。
タイヤが外れた時は誰のせい?
車のタイヤが外れてしまったときは、その事故が誰のせいになるか気になる方もいるでしょう。タイヤを整備工場などで交換した後にタイヤが外れてしまった場合は整備工場にも責任がありますが、自分でタイヤ交換をした時は自分の責任になります。そのため、自分でタイヤ交換をした時は脱輪を起こさないように十分注意しましょう。
脱輪の修理代はどのぐらい?
脱輪した時は、その修理代にいくらかかるか気になる方もいるでしょう。脱輪した時に車が壊れておらず、ガードレールなども破損していない場合は修理代は発生しませんが、脱輪で車を壊してしまった時は壊れた部品を修理しなければなりません。
車の修理代は部品によってかかる金額が変わるので、その状況によって修理代が変わります。次の項目から詳しく見ていきましょう。
タイヤを破損してしまった時の修理代は?
脱輪でタイヤが破損してしまった時は、タイヤ交換をする必要があります。
タイヤ交換にかかる費用は、他のタイヤの状況によって費用が異なります。タイヤ交換をしたばかりであれば破損したタイヤのみを交換すれば良いですが、他のタイヤが摩耗した状態であれば、車のバランスを考えて2本交換か、4本交換する必要があります。
タイヤ1本のみ交換するのであれば1万円程度で修理することができますが、タイヤ4本交換するのであれば、数万円かかります。
ホイール交換にかかる費用は?
ホイールを破損してしまった場合は、ホイールの修理ができるのであれば修理しましょう。ホイール修理は傷の度合いやホイールのデザインなどによって異なりますが、安いところだと1〜2万円程度で修理することができます。
ホイールを交換する場合は、そのホイールと同じデザインのホイールがなければ1本だけの交換ができません。また、ホイール1本の値段もホイールのデザインなどによって異なります。もしホイールを全て交換するのであれば、10万円近くかかってしまうこともあります。
下回りの破損やホイールアライメントは?
下回りの部品を破損してしまった場合は、どの部分を破損したかによって修理にかかる費用が異なります。タイヤなどを繋いでいる、「足回り」と呼ばれる部分のパーツが破損してしまった場合は、修理に数万円かかってしまうことがあります。また、部品の取り付け位置が狂ってしまった場合は、ホイールアライメントと呼ばれる調整作業を行わなければなりません。
ホイールアライメントにかかる費用は、大体1万円前後の費用がかかります。車種によってはもっと費用がかかる場合や安く済むこともあるので、あくまでも目安として考えておきましょう。
脱輪は正しい対処が必要
ここまで教習所や道路上での脱輪についてご紹介しましたが、タイヤが脱輪してしまった時は正しい判断をすることが重要です。
教習所では脱輪の対処方法によって減点される点数や検定の合否が変わってくるので、正しい手順で対応することが非常に重要になります。また、道路上で脱輪してしまった時はそのときの状況に合わせて対応することが重要になります。正しい判断で脱輪から脱出し、脱出した後は車の状態をきちんと確認しましょう。
初回公開日:2018年02月05日
記載されている内容は2018年02月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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