クラクションの音の種類・交換にかかる費用とならない時の対処法
更新日:2024年10月06日
クラクションの意味
自動車などの警笛装置として備わっているクラクションですが、使い方も車の譲りあいから横道から割り込む時などの合図のクラクション、衝突などを未然に防ぐ目的で鳴らすクラクション、後の車が前の車に発進を促すクラクション、ありがとうを伝えるクラクションなど使い方はいろいろです。
また、クラクションにはさまざまな音を鳴らすクラクションがあります。普通自動車のクラクションとバスやトラックなどのクラクションでは音の高さや周りに受ける迫力が違ってきます。また、クラクションには使い方によってはトラブルになるケースもあります。
ここからは、便利でありながら、使い方を間違えるとトラブルのもとになるクラクションの種類やクラクションの故障の時や自分好みの音を求めてのクラクションの交換などクラクションに関することをご説明しましょう。
クラクションの道路交通法の意味
さまざまな使い方ができるクラクションですが、本来の意味と道路交通法の意味とはどんなものでしょうか。まず、道路交法54条2項には、クラクションを鳴らしてはいけないという記載があります。また、道路標識によりクラクションを鳴らさなければならない場所もあります。
さらにクラクションは道路交法54条により、左右の見通しのきかない交差点、見通しのきかない上り坂の頂上で道路標識などにより指定された場所、車両や歩行者との衝突など危険を防止するためやむを得ないときなど使える場所や機会が限られています。
以上のように、道路交通法では前の車の発進の要求や車両や歩行者との衝突など危険な状態でもないにも関わらずむやみにクラクションを鳴らしてはいけないということです。むやみやにクラクションを鳴らすこととクラクションを鳴らさなければならない場所で鳴らさなかった場合は罰金刑になる可能性があるので注意が必要です。
クラクションの音の種類
クラクションの意味と正しい使い方、道路交通法の意味など理解できました。ここでは、クラクションの音の種類について説明しましょう。クラクションの種類には、柔らかなサウンドが特徴のアルファホーン、高音と低音、2つのを合わせた和音による、重厚感あふれるサウンドが特徴のユーロホーン、余韻の残るサウンドが特徴のアリーナホーンなどがあります。
クラクションを形から見て見ると、振動板(ダイヤフラム)・共鳴板(レゾネーター)などで構成されている「平型ホーン」、空気の振動を共鳴させ音を増幅する共鳴管(カーリング)と振動板などで構成されているトランペットのような形をした「渦巻き型ホーン」の2種類があります。
また、クラクションには、700Hz/580Hzの超高音域、580Hz/480Hzの高音域、480Hz/400Hzの中音域 、420Hz/350Hzの低音域などに分類できます。次項で説明します。
クラクションの音域の特徴
迫力のあるエアホーンサウンドが楽しめるのが超音700Hzのクラクションです。ヨーロピアンサウンドホーンとして使われているのが480Hz/400Hzの中音域のクラクションです。突き抜ける高音サウンドが特徴の580Hz/480Hzの高音域のクラクションになります。
さらに上質な低音と響き渡る重低音サウンドを楽しむことができるのが420Hz/350Hzの低音域のクラクションです。また、力強い響き音と美しい音色が特徴なのが、550Hz/440Hzの中高音域のクラクションです。
また、心地良く余韻が残る音、迫力満点の重低音などさまざまな音色の特徴を持ったクラクションがあります。
トラックのクラクションの音はなぜ大きいのか?
普通自動車のクラクションの音に比べてなぜトラックなどの大きな車はクラクションの音が大きいのでしょうか。2トン、3トン小型トラックから10トントラックなど大量の荷物を運ぶトラックは、他の車との衝突を避けるためのハンドル操作や急ブレーキでの回避できないので、大きな音量で相手の車に警告して事故を未然に防ぐ必要があります。
そのため、普通自動車に備えてあるクラクションの音よりも大きな音量となります。特に大型トラックは全長が12メートルほどあり、最大積載量も6500kg以上と危険回避に機敏な動きができないので相手に危険回避を求める意味もあると考えられるでしょう。
クラクションが鳴る仕組み
クラクションの種類は理解できました。ここでは、平型ホーンと渦巻き型ホーンのクラクションが鳴る仕組みについて説明します。
平型ホーンの構造
国産車の多くに標準で取り付けられているのが平型ホーンです。ここではその平型ホーンの構造について説明します。
平型ホーンの構造は、電磁石となるポール、磁力を発生させるコイル、ポールの引き寄せ、ポールと衝突したときの振動を共鳴板に伝える役割があるシャフト、シャフトがポールに引き寄せられた後に元の位置に戻すバネのような働きのある振動板、ポールと衝突したときの音を増幅させる働きがある共鳴板など7点の部品で構成されています。
平型ホーンの鳴る仕組み
ここでは、平型ホーンの鳴る仕組みについて説明します。平型ホーンの鳴る仕組みは、自動車の車のハンドルについているクラクションボタンを押すと、端子により電気が平型ホーンの内部にあるコイルに伝わりそこに電気が流れことでポールが電磁石となり、シャフトを引き寄せます。
シャフトが引き寄せられたことにより、バネの役目のある振動板がへこみ、シャフトはポールへ衝突し、その衝突の振動が音を共鳴させたり増幅する共鳴板に伝わりクラクションの音が放出されます。
渦巻き型ホーンの構造
レクサス・スカイラインなどの高級国産車では標準に取り付けられているのが 渦巻き型ホーンです。ここでは、その 渦巻き型ホーンの構造について説明します。
渦巻き型ホーンの構造は、平型ホーンの構造とほとんど同じですが、平型ホーンとの違いは、シャフトがポールに衝突した振動で音を共鳴させたり増幅させる共鳴板(レゾネーター)がある平型ホーンに対して渦巻き型ホーンは、空気の振動で音を共鳴させたり増幅させる共鳴管(カーリング)構造になっている点です。
渦巻き型ホーン鳴る仕組み
渦巻き型ホーン鳴る仕組みは、平型ホーンの鳴る仕組みとほとんど同じですが、ポールと衝突したときの振動の音を共鳴板に伝える役割のあるシャフトに対して渦巻き型ホーンは、シャフトはポールと衝突せずただポールを引き寄せる働きだけです。
また、渦巻き型ホーンはトランペットなどの管楽器と同じ原理で音が増幅されて放出されます。
車のホーン選びの注意点
ここでは、車のクラクションを交換する時の選びの注意点について説明します。ホーンは道路運送車両法で規制される保安部品です。自分の好きな音のクラクションにするには、道路運送車両法で規制している項目に抵触しないように注意が必要です。
道路運送車両法のホーンの音量は、自動車の前方2mの位置において115db以下908db以上と規定されています。また、ホーンは車外に音を発する装置であつて「ピーポーパー」といった音の変化があるものではなく音が一定していなければなりません。また、ミュージックのような音色のホーンも備えることができないことになっています。
クラクション
ここでは、クラクションをいくつか紹介します。
PIAA スレンダーホーンHO-12
こちらのクラクション「PIAAスレンダーホーン」は、軽快な音質と高級車に備わっているような品のある音質を鳴らすのが特徴です。また超薄型の39.8㎜で、しかも軽いため、取り付けスペースが限られている小さな車やバイクなどにも取り付けることができます。
また、衝突回避などいざの時にも周りにしっかりと響きわたるホワァーといった威嚇的な音ではなくやさしのある音色なので親しみさえ持てるクラクションです。
以前危険な場面で標準ホーンを鳴らしたが、相手はおろか自分にも余り聞こえないような有様であやうく右直事故(右折矢印で進入しようとしたら対向が赤にも関わらず直進してきた)になりかけたので購入を決意。先人の知恵を拝借し、リレーなしの配線分岐のみで取り付けて使用中ですが問題なし。リレーなしなので本来の音量までは達していない可能性もありますが、
出典: https://www.amazon.co.jp/PIAA-%E3%83%94%E3%82%A2-%E3%80%9... |
何度テストしても不具合もないし音量もまあ充分だと思います。
MITSUBA アリーナIII ホーンMBW-2E23R
こちらのクラクション「MITSUBA アリーナIII ホーンMBW-2E23R」は、心地良く響かせて余韻が残る音色と軽快に明るく、明朗でキレの良いサウンドのヨーロピアンサウンド調の音色の2種類の音を楽しめるのが最大の特徴です。
また、新設計のコントロールBOXを採用しているので、簡単に取り付けることができるクラクションです。さらにこちらの製品は、保安基準適合品のため車検にも合格します。
相変わらず良い音しています。色々ホーンも変えてきましたが最後はやっぱりこれでしょう!エコーがきいています。取り付け簡単でDIY出来る方ならオススメします。
出典: https://www.amazon.co.jp/MITSUBA-%E3%83%9F%E3%83%84%E3%83... |
レクサスLEXUS LS600hL 純正ホーン
こちらのクラクション「レクサス LEXUS LS600hL 純正ホーン」は、どの車種でも取り付けることは可能です。見た目もカーボン柄のデザインを使用しているので、高級感があります。音質は重みのある高音が特徴のあるクラクションです。
今まで乗っていた車に同じものを付けていたが、車を買い換えたため、それを外して付けようかとも思ったが、車が新しくなったので、ホーンも新しくしようと思い購入した。純正のホーンに比べると、深みのある音色で気に入っている。ただ、ほとんど鳴らすことがないため、時々、畑の真ん中の道を走り、窓を全開にして鳴らし、その音を楽しんでいる。
出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%94%E3%8... |
MITSUBA アルファーIIコンパクト クラクション
こちらのクラクション「MITSUBA アルファーIIコンパクトクラクション」は、小型ホーンでありながら、大音量を鳴らすことができるクラクションです。シングル渦巻ホーンのため、どこでも取り付けることができます。高音でよく響くユーロホーンタイプのクラクションです。
価格が安いので、アルファホーンもとうとうmade in chinaに成ってしまったかと思っていましたがJapanの、刻印に驚きました知り合いの車に取り付けだったので、不安も無く安心して取り付ける事が出来ました❗車を持ち込んだオーナーも、驚いていました。
出典: https://www.amazon.co.jp/MITSUBA-%E3%83%9F%E3%83%84%E3%83... |
クラクションの交換にかかる費用の目安
ここでは、自分の持っている自動車のクラクションの音が好きではないとか、故障などでクラクションを交換することになった時のクラクションの交換にかかる費用の目安についてご説明しましょう。クラクションの交換の工賃は、クラクションが備えられている場所によって大きく変わってきます。
ボンネットを開けてクラクションだけの交換であれば交換の工賃は3000円ほどですみますが、バンパーやフェンダーなどの取り外しが必要になれば、通常の交換の工賃3000円の倍にあたる6000円ほどになります。また、エアバッグタイプのホーンの交換は、エアバッグのバッグ部分がアッセンブリーとなるため交換費用が高額になる事もあります。
また、ホーンを持ち込んでの交換になると、ディーラーやカーショップなど交換場所にもよりますが、ホーンを購入して取り付けてもらう場合に比べて、工賃が割高になる可能性もありますので確認が必要です。
クラクションの交換方法
ここでは、クラクションの交換方法について説明します。まず、依存のクラクションを取り外します。次に、クラクションを取り付け前に、配線がプラスコントロールかマイナスコントロールかを確認しましょう。
配線が1本で、ホーンを金具で車両に固定されているタイプは、プラスコントロールになります。また、配線が2本の場合はプラスコントロールとなります。配線を確認したらコントロール線の先に付いている端子を外してコントロール線にギボシ端子を付けましょう。
平型端子付き配線をプラスとマイナスで二本ずつ用意します。プラス配線と反対側にはギボシ端子を取付け、マイナス配線にクワ型端子を取付けます。以上で準備が終了です。詳細の配線については次項で説明します。
ホーンの配線方法
前項でもお話しましたが、ホーンを取り付ける前にはホーンが2つで、各々のホーンに端子が2つあるタイプ・ホーンが2つで、ホーンに端子が2つと1つの組み合わせのタイプ・ホーンが2つで、各々のホーンに端子が1つあるタイプなど自分の車のホーンの配線方法を確認する必要があります。
では、ホーンが2つで、ホーンに端子が2つと1つの組み合わせのタイプのホーンの配線方法について説明します。ホーンの配線には、電源コード、アースコード、コネクターなどが必要です。
1つ目のホーン配線方法は依存の電源コード、アースコードの接続部を外します。依存の電源コード、アースコードとつながっているコネクタと交換するホーンの電源コードとアースコードを取り付けます。2つ目のホーンは電源コードの取り付けは1つ目のホーンと同じでアースコードに関してはボディーアースとして車体に固定すれば完了です。
クラクションが鳴らない時の対処法
ここでは、自動車ではあまりなく、バイクなどで多く見られるクラクションが鳴らない原因と鳴らない時の対処法について説明します。
まず、クラクションが鳴らない原因ですが、クラクションはステアリング中心にスイッチが付いていることがほとんどでそのスイッチの接点の接触不良、クラクションをならすスイッチを動作させるバッテリーからのコードの断線などが考えられます。
また、クラクションを鳴らすためのスイッチのオン・オフをコントロールしているリレーの故障も考えられるでしょう。さらに、あまりないのですが、クラクション本体の故障の可能性もあります。さらに、バッテリーの劣化によりオン・オフをコントロールしているリレーの動作不良なども考えられます。
スイッチの接点の接触不良の対処法
ここでは、クラクションが鳴らない原因の対処法について説明します。まずスイッチの接点の接触不良の対処法ですが、クラクションを鳴らすためのスイッチの接点にゴミやほこりが溜まっている場合が多いのでそのため、スイッチの接点に振動を与える意味で何回もクラクションを押し続けることです。
バッテリーの確認方法
ここでは、クラクションが鳴らない原因のバッテリーからのコードの断線やバッテリーの劣化の確認方法についてご説明しましょう。まずバッテリーからのコードの断線ですが、断線には見た目ですぐにわかる断線と完全に線が切れていない接触不良的な断線があります。
見た目ですぐにわかる断線は線を替えることで解決しますが、接触不良的な断線は接触不良を起こしている箇所を見つけるのに大変苦労するため、最終的にはコード(線)を替えることになります。
また、バッテリーの劣化によるクラクションが鳴らない時の確認方法は、エンジンをかけた状態でクラクションが鳴らないのであればクラクション本体の故障が考えられるでしょう。エンジンもかからなくて、クラクションも鳴らないのであれば、バッテリーの劣化と判断できます。
リレーの不具合による対処法
クラクションが鳴らない原因が、オン・オフをコントロールしているリレーの不具合の場合の対処法は、ボンネットのヒューズボックス内か車の室内のヒューズボックス内にあるプラスチックの箱の中にある基盤の上に搭載されているリレーの交換になります。
クラクションがなりっぱなし・止まらないときの対処法
クラクションがなりっぱなし・止まらないときは周りの人へ迷惑などの影響も大きくて大変困ってしまいます。そんなクラクションがなりっぱなしになるまた、止まらなくなる原因はなんなのでしょうか。
クラクションなりっぱしの原因は、オン・オフをコントロールしているスイッチの接触不良、また車の盗難防止の対策で取り付けたセキュリティシステムが作動してクラクションがなる場合があります。
まず、オン・オフをコントロールしているスイッチの接触不良の対処法は、電源を供給しているバッテリーからのコードを外すしかありません。本格的な修理としては、車の多くのクラクションがエアバックと一体化しているので接触不良を起こしているスイッチだけを交換することができずハンドルごとの交換になります。そのため、ハンドル代として高い費用がかかります。
セキュリティシステムの作動でクラクションがなる場合
車のセキュリティアラームは、車に異常があったときに周囲の人や遠く離れた車の持主に警告を知らせるため甲高いクラクション音が鳴り響きます。セキュリティアラームによりクラクション止まらないときには、セキュリティシステムを動かしている電源の供給もとのバッテリーから切り離せばクラクションは鳴らなくなります。
ここで、セキュリティ誤作動でクラクションがなる時の原因についてご説明しましょう。施錠された車のドアを機械的な鍵を使用せずに車のドア・トランクの施錠・開錠、エンジンの始動が可能なスマートエントリーシステムや電子キー に内蔵されているメカニカルキーなど以外の方法で不正に解錠された場合は、セキュリティシステムの作動でクラクションがなる場合があります。
クラクションを連続で鳴らす意味
上手く利用すれば、他の車とのコミュニケーションとして、また事故を未然に防ぐアイテムとしての用途を持っているクラクションですが、相手を威嚇するなどクラクションを連続して鳴らしたりすると、思わぬトラブルになることもあります。
クラクションを連続で鳴らす意味としては、車や歩行者との衝突の危険性を感じた時には危険回避にクラクションを連続して鳴らして相手に注意や警告を発する意味があります。ただ、後ろの車が前を走行している車をあおるために連続してクラクションを鳴らすような使い方はしないように心がけたいです。
クラクションを鳴らして違法になることはあるのか
他項でもお話しましたが、道交法54条の規定により原則としてクラクションは鳴らしてはいけません。 むやみにクラクションを鳴らすことは、本来クラクションが持っている見通しの悪い交差点や、先の状態がわからない道路の曲がり角など車や衝突など危険を防止するためやむを得ない場合などクラクションを鳴らす重要性が薄れることになります。
また、クラクションを鳴らせの道路標識の標識のあるところで鳴らさなかった場合は違反処分を受けます。この場合の罰則としては、5万円以下の罰金になります。さらに速度の遅い前を走行している車に速く走行するように威嚇的なクラクションや普通に歩いている歩行者に対してクラクションを鳴らすことも違反になる場合がありますので注意が必要です。
クラクション本来の役割として使用するように心がけましょう!
車やバイクに使用されているクラクションの音の種類やクラクション型、クラクションの交換にかかる費用の目安などを紹介してきました。また、クラクションの意味、クラクションの鳴る仕組みなども紹介しました。
クラクションをむやみやたらに鳴らすことは違反になることも理解できました。また、なぜトラックのクラクションの音が大きいのかもわかりました。さらにクラクションが鳴らない時の対処法、クラクションがなりっぱなし・止まらないときの対処法についても説明しました。
今回説明したクラクションの意味、クラクションの法的な意味をよく理解して他の車とのコミュニケーションツールとしてまた、クラクション本来の役割として使用するように心がけましょう。
初回公開日:2018年01月17日
記載されている内容は2018年01月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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