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スタンディングウェーブ現象の現象の音と速度・起きる原因

更新日:2024年10月18日

どんな車にも起こりうるスタンディングウェーブ現象。突然タイヤがバースト(破裂)してしまう現象ですが、そのメカニズムと対処法は案外知られていません。ここではそんなスタンディングウェーブ現象の原因と、どうするべきなのかを紹介していきます。

スタンディングウェーブ現象の現象の音と速度・起きる原因

スタンディングウェーブ現象を予知する音はある?

スタンディングウェーブ現象はどんな車種、どんなドライバーにも起こりうる、ときには人の命をも奪いかねない危険な現象です。

まずスタンディングウェーブ現象を簡単に説明すると、タイヤが高速回転することで歪みの波が発生し、その波が大きくなり、かつ内部に熱を発生させることでタイヤがバースト(破裂)してしまう現象です。高速域で走行中にタイヤがバーストすればどうなるか。それは運転免許証を保有している人なら誰でも容易に想像がつきます。

ここではそんなスタンディングウェーブ現象の発生のメカニズムを知り、どう防ぐのかをぜひ学んでください。実は表題のスタンディングウェーブ現象が発生する直前に音があるのかないのか、という点を先に結論づけると、音はありません。そのため、なおのことスタンディングウェーブ現象についてはしっかりとした知識を身につけておくべきです。

スタンディングウェーブ現象が起きる速度とは?

スタンディングウェーブ現象が起こる原因は、単純に説明するとタイヤの空気圧と速度の関係になります。低速では発生することはほとんどなく、高速域に入ると発生する現象です。では、具体的に時速何キロで走行することでスタンディングウェーブ現象が発生するのでしょう。

これは一概には言えません。なぜなら、タイヤの材質や空気圧、車重が速度と密接に絡んでくるからです。空気圧が高く、車重が軽ければスタンディングウェーブ現象の発生は低くなります。一方で、車重が重く、タイヤのゴムが軟らかいものであると高速域の中でもわりと遅い方だとしてもスタンディングウェーブ現象は発生します。

高速度であるほど発生しやすいメカニズム

スタンディングウェーブ現象が発生するの要因はいくつかありますが、重要なのは高速で走行すると起こりやすいということになります。タイヤはゴムでできていますから、地面に接地したあとに必ず波を打つ現象が起こります。

この波が高速になればなるほど、元の状態に戻る前に再度地面に接地し、そのエネルギーが大きくなり、さらに波が大きくなっていきます。大きくなった波にエネルギーに対し、タイヤのゴムが耐えきれなくなったとき、タイヤはバーストしてしまいます。

ただ破裂するだけならいいのですが、高速走行でタイヤが弾けると車がバランスを崩し、横転したり、蛇行して壁に衝突することもあります。タイヤは細いワイヤーが入っているので、それらで車の部品も破壊される恐れがあります。

低速域では波打ちが次に地面に接地するまでに収まるので、バーストするほどの激しいスタンディングウェーブ現象は発生しません。

スタンディングウェーブ現象が発生する原因を探ろう

スタンディングウェーブ現象が発生するメカニズムのひとつが速度で、もうひとつはタイヤのゴムの材質になります。タイヤは燃費をよくするもの、騒音をまき散らさないもの、レース用などさまざまな種類があります。そして、それらは溝の形状やゴムの材質が違っています。

冬の雪道などで効果を発揮するスタッドレスタイヤなどはゴムの材質が軟らかいです。軟らかいゴムはご存知のように伸縮性に富んでいるので、スタンディングウェーブ現象が起こりやすくなります。

それから、仮にゴムが硬い種類であったとしてもスタンディングウェーブ現象が起こることもあります。それはタイヤの空気圧に関係してきます。

大きな原因は空気圧にある!

スタンディングウェーブ現象が起こるのはタイヤの高回転でタイヤの歪みが波となって収まりきらなくなってしまうことです。ゴムの材質が軟らかくなくても、もし空気圧が低ければ軟らかいことと似た状態となって、高速域でスタンディングウェーブ現象を発生させます。

適正な空気圧は車種によって異なります。ドライバーは必ず適正な空気圧にすることで、できる限りスタンディングウェーブ現象を発生することを防ぐことが可能になります。

低空気圧と速度の関係で熱を持つ?

スタンディングウェーブ現象でなぜタイヤはバーストするのでしょうか。

それは、タイヤが波を打つ際には運動エネルギーを発生させています。ただでさえタイヤが地面に接することで摩擦熱が発生していますし、波打つことでその摩擦抵抗が増加して熱を持ちます。これらがタイヤの中でどんどん高温に達してしまい、タイヤ自体が耐えきれなくなって破裂してしまいます。

タイヤのゴム自体の耐久性でいえば、古いタイヤも空気圧が正常でもスタンディングウェーブ現象が起こりやすくなるので注意が必要です。

スタンディングウェーブ現象が起きたときの対処は?

普通のタイヤのパンクよりもスタンディングウェーブ現象が怖いのは、必ず走行中に発生することです。しかも、高速で走っているときに起こる可能性が高いので、より危険が大きくなります。

では、車種別にスタンディングウェーブ現象が起こったときの対処方法を見てみましょう。いずれにしても、共通する事項は「落ち着いて対処する」ということです。高速度でバーストが起こると車の挙動を制御するには繊細な操作が必要になるからです。慌てずに対処することを心がけてください。

普通乗用車の場合

普通乗用車の場合、車のバランスはわりと優れていますから、落ち着いて対処することができます。肝心なのは急ブレーキや急ハンドルは厳禁ということを忘れないことです。バーストすることで車のバランスは正常時から大きくかけ離れています。急に操作を行うとあっという間に大事故に繋がってしまいます。

冒頭でも書いたように、スタンディングウェーブ現象を予知できる音はありません。ドライバーがスタンディングウェーブ現象を知るのはバーストの音を聞いた瞬間になります。可能であれば瞬時にどのタイヤがバーストしたのかを把握できることがベストです。

タイヤがバーストしたら、とにかく車を安定させることです。特に高速域ではあっという間にバランスが崩れ、車が左右に揺さぶられてしまいます。そのときにはアクセルを緩め、急ハンドルを切らずにゆっくりと路肩に車を寄せていきましょう。

バイクで発生した場合

バイクは車重が軽いのでスタンディングウェーブ現象が起こることは稀ですが、古いタイヤを使っていたり、スポーツタイプのバイクでカーブなどを攻めた走りをしていると起こる場合もあります。基本的にはバイクであればスタンディングウェーブ現象は後輪に発生すると言われます。

走行中にスタンディングウェーブ現象が発生した場合、カーブを曲がっている最中であればほとんど対処法がないほどあっという間に転倒することでしょう。直線で発生した場合は、普通車と同様、急ブレーキなどを使わないようにしながらバランスを保ち、路肩に寄るしかありません。

トラックなど大きなタイヤの場合

トラックなどの大型車の場合、スタンディングウェーブ現象の発生の可能性が高まります。しかも、高速域で走行していなくても起こる場合があります。

それはトラックは、トラックの車重そのものが重いため、タイヤが正常な空気圧であってもかなり押しつぶされた状態になります。その最初からある歪みがそれほどの高速域ではなくてもスタンディングウェーブ現象を引き起こし、タイヤをバーストさせてしまいます。古いタイヤならなおさら発生率は高まります。

トラックの場合、積荷も重いですので、走行中にスタンディングウェーブ現象に見舞われた場合はまず車のバランスを取ることを先決にしましょう。ブレーキとハンドル操作は最小限にし、ゆっくりと路肩に車を寄せて停車します。

スタンディングウェーブ現象が高速道路で起きやすいワケ

スタンディングウェーブ現象は一般道ではなかなか起こりません。起こるとすれば、多くが高速道路になります。一般道では都心部は渋滞などもありますし、信号があるため、そこまで速く走る必要もありません。

一方で高速道路は制限速度が高いため、これまで説明してきたスタンディングウェーブ現象のメカニズムに合うということもありますし、そもそも高速道路は長距離移動が目的でもありますから、摩擦や歪みの蓄積がより大きくなって、深刻な熱を持ってバーストしてしまいます。

そのため、ドライバーは高速道路を使う際はよりスタンディングウェーブ現象の対策として、車の空気圧などのチェックをするべきです。

高速道路以外だとどんなシチュエーション?

一般道では起こりづらいですが、これはあくまでも都心部や繁華街近辺などの話です。高速道路以外でも、例えば直線が多く信号の少ない郊外の国道や、日本全体では夏場の路面が超高温になるときなどです。少数派としてはレース関係でサーキットでもスタンディングウェーブ現象は起こります。

つまり、ドライバーはいつでもスタンディングウェーブ現象と隣り合わせで車を運転しているので、いつも予防対策や、万が一にスタンディングウェーブ現象が発生したときの対処法を学んでいくべきです。

スタンディングウェーブ現象を防ぐ方法は簡単!

スタンディングウェーブ現象を未然に防ぐことは案外簡単なことです。発生直前まで予知できる音はありません。車の乗り味の変化に敏感な人であればタイヤの挙動の変化や、摩擦抵抗の増加による足回りの重みで知ることができますが、一般のドライバーにはわかりづらいです。

そのため、スタンディングウェーブ現象への最大の対処方法としては未然に防ぐ対策をすることです。それは、毎回乗る前に必ず空気圧を調べ、適正な状態にしておくことです。近所のガソリンスタンドでもできますから、特別に道具を揃える必要もありません。

また、定期的に車を点検して、タイヤの溝の深さ、使用開始からこれまでの経年劣化などを見ておきましょう。これらの行為は車を保有している人には当然の日常点検です。これを怠らないだけでスタンディングウェーブ現象は防げますので、必ず走り出す前に車の足回りは見ておきましょう。

初回公開日:2018年01月13日

記載されている内容は2018年01月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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