センターラインの種類・長さ・記号とオーバーした時の過失割合
更新日:2024年10月22日
センターラインの種類
道路を走っているとセンターラインの種類が一つではないことに気づくのではないでしょうか。線の種類や色もさまざまで、いろいろなパターンがあります。それぞれどんな意味かきちんと理解できているでしょうか。
自動車免許を持っている方なら、自動車学校で勉強しているはずですが、いまいち自信がないという人が多いのではないでしょうか。そこで今回はセンターラインの種類と意味をご紹介します。
白の破線
センターラインの中で一番目にする機会が多いのが白の破線(点線)のセンターラインです。どこを走っても必ず目にすると言って良いくらいに使われています。よく目にするからこそ、その意味をきちんと覚えておきましょう。
このセンターラインの意味は「はみ出しての追越が可能」となります。破線と実線は道路の幅で使い分けられており、幅が6m未満の道路のセンターラインは破線で、6m以上の道路のセンターラインは実線になります。
白の実線
白の連続した実線は、「はみ出し禁止」「追い越しのための車線変更も禁止」という意味になります。白のセンターラインは、どんな理由があってもはみだして走行することができません。白のセンターラインは追い越しても大丈夫と、逆に解釈している人が多いので認識を改めなければいけません。
白の実線のセンターラインは、主に片側2車線の道路のセンターラインとして使われています。事故車両や停止車両がいたとしても、センターラインを超えて追い越しをする必要がないので「はみ出し禁止」となっています。
オレンジの実線
オレンジ(黄色)の実線のセンターラインもよく見かけます。オレンジのセンターラインは「追い越し禁止」と認識されている方が多いのですが、実際は「追い越しのためのはみ出し禁止」です。
狭い道路のセンターラインとし使われていることが多く、車線変更も禁止となります。オレンジの実線は規制の意味を含んでいるので、センターラインをまたいで追い越しをした場合は即刻「違反」になりますので注意が必要です。
ただし、工事車両や停止している車両を避けるために、はみだして走行することは違反にはなりません。
白とオレンジの組み合わせ
白線とオレンジ線を組み合わせたセンターラインもあります。その場合は、それぞれの線が持っている意味を組み合わせて考えてください。
オレンジ実線の間に白の破線があるセンターラインは、「はみ出し禁止」を意味します。この場合は外側にある黄色実線が優先です。中央の白の破線は対向車線との境を示すためのものです。
オレンジ実線の間が白の実線になると、意味は「はみ出し禁止」ですが「オレンジ線まではまたぐことができるが、白線を越えてのは見出しは禁止」となります。どちらも中央付近の走行に注意を促しているセンターラインですので、このようなセンターラインを見たら走行には十分注意しましょう。
白の実線が2本
白の実線が2本というセンターラインも存在します。このセンターラインの意味は白の実線と同じです。ではなぜ2本線なのでしょうか。
特に注意が必要な道路のセンターラインであることを2本線で強調しています。絶対に反対車線にはみ出さないように注意勧告として目立たせています。つまり「危ないですよ」と言ってくれているありがたいセンターラインです。
中央分離帯
「中央分離帯」もセンターラインに区別されることを知っている人は少ないのではないでしょうか。ガードレールや植え込みなどで反対車線との間を区切ったものを「中央分離帯」と言い、線のみで区切ったものを「中央線」と言います。どちらも法律上はセンターラインとして扱われます。
対向車の正面衝突を避けるために設置されていますが、ヘッドライトの光線を遮断して夜間の交通事故を防止する役目もあります。交通安全上大きな役目を果たしていますが、緊急車両がUターンできないなどデメリットになることも指摘されています。
センターラインの長さ
センターラインの種類について見てきましたが、長さも気になりませんか。実は一般道と高速道路でセンターラインの長さは異なっています。
一般道のセンターラインの白線の幅は20センチメートルと定められています。長さはと言うと、白い実線部分が5メートル、破線のラインがない部分が5メートルで合計10メートルになります。
高速道路のセンターラインの幅は一般道と同じく20センチメートルと決められています。長さは白い実線部分が8メートル、破線のラインがない部分が12メートルで合計20メートルになります。
つまりセンターラインで車間距離を測れるようになっています。センターラインばかり気にしていると危ないですが、知っているのと知らないのとでは大違いです。センターラインを目安に安全な車間距離を保って安全運転してください。
センターラインの記号
現在のところ日本の道路標識にセンターラインを意味する記号はありません。幅員減少や車線数減少を表す標識では、実線で表されています。
センターラインオーバーの過失割合
センターラインオーバーで事故を起こしてしまった場合、またはセンターラインをオーバーしてきた車と事故してしまった場合、どちらも経験したくありませんが過失はどうなるのでしょうか。
センターラインオーバーしたのだから過失は100:0と考えがちですが、どうもそうではない場合もあります。
はみ出し事故
道路交通法では、「車両は道路の中央から左側部分を、左寄りで通行しなければならない」と定められています。センターラインオーバーの過失の割合は加害者側が100パーセント、被害者側が0パーセントというのが基本です。しかしセンターラインオーバーされた被害者側にも過失が問われる場合もあります。
カーブや狭い道路での事故の場合は、お互いに注意して走行する義務があることから、どちらか一方の過失とは言いがたいという理由で被害者側も過失を問われることがあります。
また工事車両や停止車両を避けるためにセンタラインオーバーして事故を起こした場合も、被害者側も事前に予測ができたのではないかとされ、過失を問われることがあります。
センターラインのない道路の走り方
生活道路になっているような細い道などにはセンターラインが引いていないことがあります。そんな道路はどう走ったらいいのでしょうか。
日本では左側通行の原則と言うものがありますので、センターラインのあるなしに係わらず車は左側を走りましょう。ただし一方通行の道路や工事などで左側を走ることができない場合などは例外となります。
センターラインの色
センターラインにはどんな色があるのでしょうか。現在のところは白とオレンジ(黄色)の2色しかありません。それぞれの色を見ていきましょう。
白線
白線はセンターラインの基本です。実線と破線(点線)の2種類があります。
白い破線:はみ出し可・追い越し可
白い実線:はみ出し禁止
破線と実線ではみ出し可がはみ出し禁止になったりと意味が全く異なってくるので、しっかり覚えなければいけません。
オレンジ(黄色)
オレンジ(黄色)色のセンターラインは実線のみで、「追い越しのためのはみ出し禁止」です。オレンジ線は注意勧告を意味していますので、この色のセンターラインが引いてある道路は特に注意して走行しましょう。
センターラインに注意して安全運転しよう!
センターラインは私たちドライバーに注意を促したり、車間距離を測れたりといろいろな役割があります。工事車両や停車中の車両を追い越すなど、やむを得ない場合以外は基本的に追い越しなど無理な運転はしないようにしましょう。
自動車学校で習ったはずの道路標識や交通ルールですが、忘れていたり勘違いしていたりします。この機会にもう一度交通ルールをしっかり理解して、安全運転を心がけましょう。
初回公開日:2018年01月12日
記載されている内容は2018年01月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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