オービスの種類一覧・Nシステムとの違い・仕組み・光り方
更新日:2024年10月12日
オービスの種類一覧
オービスとは自動速度取り締り機の事で、速度超過した車両のナンバープレートと運転手を自動で撮影するカメラです。おもに一般道路や高速道路のスピードが出やすい長い下り坂や事故多発地点に設置されています。
オービスの種類は数種類存在し、速度を計測する方法も機種ごとで違っています。オービスで検挙されるスピード超過は、一般に赤切符と言われるスピードで、オービスの種類に関係なくほぼ同じ速度超過での検挙となります。ただし各都道府県で速度超過の値を変動させている場合があります。
Hシステム
オービスの中で全国設置数はHシステムです。このHシステムは大阪の阪神高速道路に初めて設置されました。今から30年ほど前に阪神高速道路の暴走族対策として導入されたのが始まりで、阪神のHをとってHシステムと呼ばれるようになりました。
オービスの種類の中でこのHシステムはレーダー波を出して速度を測定します。しかしレーダー波は周りの状況に影響されやすく誤測定が相次ぎ各地で訴訟問題も多く起きています。
スペックは、40km/h~220km/hまでの測定が可能であり、カメラは1500×1500画素CCDカメラ/シャッタースピード 約1/1000秒を使用しています。撮影すると瞬時に最寄りの警察署に伝送されるデジタルカメラを使用しており、従来のフィルム切れの心配がなくなりました。
LHシステム
LHシステムは、史上最強のオービスとして警察の威信をかけて設置が進められています。LHシステムはループコイル式で、ループコイルの頭文字のLとハイスピードのHをとってLHシステムとなずけられています。
オービスの種類の中でLHシステムは、注意をしていないと見過ごしてしまうほど小型化されたカメラとなっています。オービスの設置ポイントの手前には2回自動速度取締機設置区間と表示が出ますから、事前にオービスがある事がわかります。
LHシステムはループコイル式なので、アスファルトの白線がありCCDカメラでその白線で撮影が行われます。
移動式オービス
移動式オービスとは小型で持ち運びができる新型のオービスです。ネズミ捕りとの違いは、他のオービスと同じく違反者には後日はがきで連絡が着ます。
オービスの種類の中で唯一レーダー探知機のGPS機能も使えないので、設置ポイントを把握することができません。また生活道路や夜間にも移動式オービスは設置される事がありますから注意が必要です。
高速
オービスの設置場所は年々増える傾向にあります。高速道路ではかなりのスピードで抜いていく車でもオービスが光らない事があります。それは高速道路では40km/h以上超過していなければオービスが撮影しないと言われているのが原因と考えられます。
高速道路は一般道路よりスピードが出やすい事から、オービスの設置個所も多くなります。オービスの種類のループコイル式、Hシステム、LHシステム、最新の移動式オービスすべてが配備されます。その中でループコイル式は、フィルム式でカメラの撮影方向が限られていますから、複数車線がある場合は全ての車線をカバーすることができません。
例えば湾岸線は3車線あり千葉県の某所にあるループコイル式は一番左側の走行車線は撮影不可となっており、真ん中の走行車線と一番右の追い越し車線のみ速度超過の時に撮影されます。
一般道
一般道でも数多くの種類のオービスが設置されています。今までは速度が出やすい所や事故多発地点にオービスが設置されていましたが、2017年3月から住宅街にも移動式オービスを設置するようになりました。
今まで一般道路ではオービスの反応するスピードはその道路の制限速度の30km/h以上ではないかとされていましたが、住宅街では20km/h以上の超過から撮影されたという報告があります。
HシステムやLHシステムの場合、毎日走っている道なら設置場所を把握できますが、移動式オービスを住宅街に設置されると場所の特定が難しい事から、取締り対象の車両は多くなりました。
種類別オービスの特徴とNシステムとの違い
オービスには数種類のシステムが存在しますが、良く間違われるのがNシステムです。Nシステムというのは、全国の警察が道路上に設置する自動車ナンバー自動読み取り装置です。
Nシステムは通行するすべての車両のナンバーと顔写真を撮影しています。撮影すると瞬時に犯罪者車両のナンバープレートと照合され、一致されると数秒で近くの警察車両などに通報されて該当車両の確保に向かいます。
撮影されるのはナンバープレート、車内、日付、通過速度です。その場所の制限速度をオーバーしていても、Nシステムを速度取り締りに使用しないことになっていますので、赤切符の通知は来ません。
オービスはNシステムと違い、その種類に関係なく事前にオービスが設置してあることを知らせる看板が2枚から4枚表示してあります。Nシステムは小型でLHシステムと間違えやすいですが、事前告知があるか無いかで見分けることができます。
カメラ
オービスのカメラの種類は、古いループコイル式を除いて全てCCDカメラを搭載しています。夜間でも撮影できる赤外線カメラを搭載していますが、撮影画像は白黒となっています。
撮影精度は、意外に低いという警察官からの証言もあります。ナンバープレートはカメラのあるポイントから見ると非常に小さく映り、しかも高速移動している車両をオートフォーカスで撮影するので、その難易度が高い事は理解できるでしょう。
警察関係者の話では、通常高速道路での速度超過で撮影されて顔とナンバープレートがくっきりと映る速度域は130km/h~150km/h以下であることが今の技術での限界と言われています。しかし実際のオービスの対応速度は、Hシステムで220km/h、LHシステムでは240km/hまで撮影可能とされていますが、実際は破棄される写真が多いといいます。
通知など
オービスに撮影されてると写真をプリントアウトして、その車の所有者をナンバープレートから割り出し、通知書を所有者のもとに送ります。この間およそ1、2週間程度と言われています。しかし古いタイプのループコイル式だとフィルム式なのでまとめて写真を現像する事になるので、概ね1~2か月かかると言われています。
今はデジタル化が進み撮影されると直ぐにプリントアウトできるのでもっと早く数日で通知書が届くことがあります。
オービスに撮影された記憶があるにもかかわらず、数か月経っても通知書が送られてこない場合は、オービスの種類でフィルム式の場合のフィルム切れで撮影されていなかった可能性があります。その他撮影画像に他の車が一緒に写っていた場合や、鮮明でない場合も検挙を見送られます。
オービスの種類別仕組み
オービスにはスピード測定方法に種類があり、また撮影する媒体にも種類があります。スピード測定方法は、現在レーダー波式とループコイル式とに分かれます。レーダー探知機でオービスの存在を知ることができるのは、レーダー波式のオービスでループコイル式はGPS機能が搭載されたレーダー探知機でなければその存在を知ることができません。
レーダー式
レーダー波式のオービスは、もっとも古くからあるオービスの種類で誰でも一度は見た事があるタイプでしょう。最初に道路上にレーダー波を照射するアンテナがありそのすぐ後の路肩などに撮影用のカメラが設置されています。
レーダー波を照射するアンテナは四角い物と球体の物があり、10mから15m手前でレーダーを車に照射して帰って来る時間から速度を割り出し速度超過があれば撮影をします。路肩にカメラのある古いタイプは、フィルム式なのでフィルム切れにより撮影ができない事があるので、現在は新しいオービスに変えるために撤去が進められています。
四角い通称はんぺん型のレーダーを持つオービスの種類は、Hシステムで、こちらはフィルム切れの心配がないデジタルカメラを使用しています。
ルーブコイル式
現在最も主流になってきているオービスが、ループコイル式です。この種類のオービスは、カー用品店で売られているレーダー探知機で検知できないので、オービスの存在を知ることができません。そこでGPS搭載のレーダー探知機が販売され事前にオービスの位置を地図上に登録して近くに来ると警報を出す仕組みになっています。
ループコイル式は、道路上に溝を切って電磁コイルが埋め込まれており、そこを通過する車両を磁気センサーで速度を計測しています。
ループコイルはカメラのおよそ60m手前のアスファルト内に埋め込まれておりその先にある白線で撮影される仕組みになっています。白線でスピードを落としてもすでに遅いという事になります。
ループコイル式は積雪に弱い事が指摘されているので、おもに都心部を中心に設置が進んでいます。
フィルムなど
オービスの種類には今なおフィルム式で撮影しているカメラもあります。フィルム式はフィルムが無くなれば撮影できないという弱点があるのと、撮影の段階がフィルムの最初のほうだと通知が届くのに数月以上かかることもあり、現在は撤去方向に進んでいます。
フィルムに変わり現在はデジタルカメラを導入しており、撮影されるとデータ通信により迅速に警察署で処理できる体制になってきています。
オービスの光り方の種類
オービスには光方の種類があると勘違いしている人が中には大勢います。しかしオービスの光方は全て同じで赤く光ります。この光は撮影用のフラッシュではなく、違反者にオービスによって撮影されたことを知らせるために光らせています。
オービスの種類に関係なく、撮影は赤外線で行っているので夜間でも撮影のためのフラッシュをたく必要がありません。オービスが光ればその後反省しスピードを落とすことがほとんどなので、あえて撮影に関係ない赤い光をけん制のために発光しています。
フラッシュ
オービスには撮影用のフラッシュは存在しません。多くの方が勘違いしている赤い光は撮影用のフラッシュではないからです。
オービスの種類に関係なく、フラッシュは赤くひかり、夜であれば目の前が赤く染まるほどの光です。しかし安全走行に支障をきたすような強い光ではなく、光ったことへの罪悪感をドライバーに促せる効果が非常に高いです。
昼間でもその赤い光は周りの車にも認知されるほどの光を放ちますから、当然違反したドライバーもその閃光にきずきます。
たまに白く光ったように感じる時は、撮影されたのではなく太陽光などがカメラのレンズに反射して光ったように見えるだけです。
バイクなど
バイクはフルフェイスのヘルメットをかぶり、しかもフロントにナンバープレートが装着されていないので、どんな種類のオービスでも撮影することは不可能です。一時期後ろからも撮影するオービスの種類も登場しましたが、高額なコストをかけて開発した割にはその効果が得られません。それはドライバーの顔が撮影されないことが失敗の原因と言われています。
オービスの種類より安全運転をしましょう
今回はオービスの種類について解説してきました。オービスの種類にかかわらずスピードを出し過ぎれば必ず撮影するカメラです。オービスの種類を勉強して設置場所を把握し、スピード違反を逃れようと考える諸氏もいるでしょうが、交通事故の原因の大半はスピードの出し過ぎが原因です。
スピードは魔力であり、そのスピードに取りつかれた人は数多くいますが、自分のためだけでなく家族のためにもぜひ安全運転を心がけてください。罰金で済んだと思えば安いものでしょう。もしかすれば命を落としていた可能性もあることを肝に銘じましょう。
初回公開日:2018年02月16日
記載されている内容は2018年02月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。