【人数別】車での上座の位置|タクシー/自分が運転/左ハンドル
更新日:2024年06月25日
車での席は決まっている?
日本の習慣には上座という目上を敬う席があり出入り口に1番近い席が末席で反対に1番遠い席が上座になります。車にも上座があります。家族や友人で車に乗るのならなにも気にせずに乗った順とかで自然に座る位置が決まってきます。
しかし仕事中に会社の上司やお客様と乗車する場合は、席次を守って自分は必ず目上の人に失礼のない席に座らなければいけません。
同乗する人達もお互いが失礼のない席に座ります。車でどの席に誰が座るかは社会人にとって仕事にかかわる大切なことです。
人数別車での上座の位置
1人で乗るなら普通は助手席の後ろの乗り降りしやすい席に座ればいいのですが、大勢で乗車する時は各々の序列があるのでそれに従った席に座ることになります。
上座には1番目上の人が座り、そのメンバーの席次に応じて決まった席に座っていきます。運転手が会社と関係ない部外者の運転する車に乗車の場合、例えばタクシーに乗車する時はどうでしょうか。
3人で乗車は
上座は運転席の後ろの席、後部座席の右側になります。目上の人を待たせない意味で3人の主席にあたる人が最初に車に乗り込みます。次席が助手席の後ろの席で助手席が末席になります。上位の人からその席順とおりに座っていきます、しかし女性がいる場合は事情が変わります。
特に着物を着ていたりスカートを履いていたりした場合は足を開きづらく車の奥の上座まで移動が難しいからです。そのケースでは助手席かその後ろの席か乗り降りし易い席が上座になります。上座は目上の人への気遣いを考えての席なので状況によって変わってくるので臨機応変に対応してなければいけません。
特に主席の人が希望したり決めた席は最優先事項なので口を挟んではいけません必ずそれに従います。
4人乗車では
3人、4人で乗車は社員達のよくある移動のパターンです。基本的にいつも上座は運転席の後ろの席になるので主席の人から車に乗り込みまず上座に座ります。次席が助手席の後ろで次は後ろ座席の真ん中になり助手席は末席になります。3番目の席、後ろ座席の真ん中に座る人は上座の席の人と2番目の席次の人の会話の邪魔をしないようにしなくてはいけません。
ですから乗車前に席を交代するか次席の人に話をしたほうがいいでしょう。より車内の空気を和ませるのは仕事上大切ことだからです。助手席に座る人は運転手に道を教えたりする役目がありまさに助手と同じです。タクシーの場合は料金の支払いもこの席に座っている人の役割なので3人乗りの時もこの席が上座に対しての下座、末席になります。
7人、8人で乗車の場合は
これは3列シートのバンなどで釣りやゴルフなどに大勢で行く時にあるケースですがこの場面でも必ずメンバーには序列があります。乗車する場合はもちろん上座に座る序列最上位者から乗り始めます。上座は2列目の運転席の後ろの席、次席が助手席の後ろ、3番目はその真ん中、4番目は助手席となっています。ここまでは4人で乗車するときと同じ席次になります。
しかし3列目があるのでさらに序列があり5、6、7番目は最後部座席の右からの順になり末席は最後部の左席になります。車の上座の基本的な座席は後部座席の右側ですが数列の席がある場合は進行方向に対してより前の列が上座となり飛行機に乗機するときも同じです。
状況別車での上座の位置
上座の位置は車に乗る人達の序列を考えて常に目上の人に対しての尊敬を表わしているものでなくてはなりません。しかし上座の席は状況により変わるものでいつも同じではありません。色々な状況が考えられますので状況別を具体的に説明していきます。
自分が運転する場合は
誰が乗車するかで上座が変わります。上司、お客様、同僚や部下を乗せる場合はどうなるでしょうか。
会社の上司だけは
会社の上司を乗せて自分が運転している場合、上座は基本どおり運転席の後ろの席になります。ですからタクシーの3、4人乗り時と同じ席順で次席が助手席の後ろ、3番序列の人は後部座席中央、末席は助手席になります。
会社の上司とお客様は
お客様と会社の上司を乗せた場合1番の上座はやはり運転席の後ろでお客様が座ります。上司は次席になる助手席の後ろに座り他に会社の人がいる場合は助手席に座ることになります。お客様が2人および3人の時はお客様が後部座席にお客様たちの序列どおりに座ります。しかしお客様の席順は彼らに任せるほうがいいでしょう。そして会社の上司は末席である助手席に座ります。
上司が2人とお客様が2人の場合は上司の上位者が後部座席の真ん中に、もう一人が助手席にすわります。タクシーの4人乗りの序列と同じですがお客様2人が序列の1,2番と考えます。
同僚同士では
同乗者も運転手と同じ序列になるので上座は助手席になります。次は運転席の後ろの席、助手席の後ろの席、真ん中の席の順になります。しかし一応席順は決まっていますが実際は体が大きい人は助手席に座ったり話がしたい人が隣合わせになったりでその時の雰囲気で決まることが大半です。
上司が運転
会社の上司が運転している時は乗車メンバーの力関係によって上座が変わります。誰が1番力があるかがポイントになります。
自分と上司だけは
助手席に自分が座ります。常識的に考えて後部座席は上座になりますから部下が座る席ではありません。友人が運転する車に乗る時に1人で後部座席に座るでしょうか。必ず助手席に座るはずです。同じ理由で上司が運転する車に乗る時は上司に敬う意味を込めて助手席が上座になります。
会社に仕事をくれるお客様と自分は
このお客様は会社に利益をもたらす大切な人です。当然この中では1番の上位者となり運転席の後ろの座席、上座に座ります。自分は末席である助手席に座ります。しかし後部座席であればお客様の好きな席に座っていただいて構いませんしもし希望するなら助手席でも問題ありません。要は1番の上位者を敬うことが重要なことです。
会社が仕事を上げているお客様と自分は
この場合は判断が難しくなりますが普通は助手席が上座になりお客様が座り運転手に敬意を払うかたちになり3番目の上座である助手席の後ろに自分は座ります。このお客様と会社では会社のほうが強い立場にあります。ですから例え新入社員でも会社の一員ですからこのお客様より上位になります。
しかし謙虚さを忘れてはいけないのでお客様が助手席なら自分は運転席の後ろには座らずに助手席の後ろに座ることになります。
お客様が運転する場合は
基本的には上司が運転するのと変わりません。力関係での敬意の払い方を考えればいい話です。会社に仕事をくれるお客様が運転している車に乗った場合運転者は会社より上位になります。
ですから上司は敬意を払い助手席に座り自分は助手席の後ろに座ります。しかし反対に会社が仕事をあげているお客様が運転している場合は上司と自分の方が運転者より上位になります。
このため上司は1番の上座である運転席後ろの席に座り自分は助手席ではなく上司の隣に座ります。要するに運転者と乗る人の立場の違いで乗る席、上座が変わります。
左ハンドルの車での上座の位置
ここまで右ハンドル車について記述してきましたが左ハンドル車でも基本は変わりません。日本の交通法規で車は左側通行ですから運転手を除く乗員の車の出入りは安全を考えて通常左側のドアからになります。左ハンドルの車でも交通法規は変わりませんから右ハンドル車と同じく出入りは左側ドアを使用します。
日本の上座の考え方は出入口から1番離れている席であることです。その席は右ハンドル車の場合は運転席の後ろの席になりますが左ハンドル車でそこは助手席の後ろを指しています。
運転手が部外者の場合その席が1番の上座、2番目は運転席の後ろ3番目は後ろ座席の真ん中で助手席はハンドル位置が左右関係なく末席となります。運転手が誰かで上座が変わるのも右ハンドル車と同じなので基本さえわかっていれば迷うことはないはずです。
海外での車での上座の位置
海外に行くと日本と違い車が右側通行の国があります。交通法規だけではありません習慣も違います。上座という考え方さえ無い国もありますから日本の習慣を押し付けることは控えるべきでしょう。しかし上座の基本は目上の人に対する敬意と気遣いですから世界中どこへ行っても勘違いされることを防げば通用することです。
ですから基本的には日本の上座の考えで大きな間違いはありませんが上座に座るべき人にどこの席に座るか、座りたいのかを聞いてみるのが1番の気遣いではないでしょうか。
上座の位置は本当に間違いないか?
テレビを見ていて安倍首相が車から降りるとき後部座席左から降りてくるのを見ました。首相は日本で1番目上の人で当然上座に座るはずです。マナーの教則本で車の上座は運転席の後、後部座席の右側になっているのですがどういう訳なのでしょうか。
実際にはどうなの?
安倍首相もそうですが実際に霞が関の官庁に来る車の後部座席に乗っている人達はほとんどが後部左座席から降りてくるのをよく見ます。なぜでしょうか、答えは簡単明瞭で乗り降りに便利だからです。特に着物を着ていたら男でも後ろの左ドア側の席から運転席の後ろの席まで移動するのは大変で、女性ならなおさらです。
そして運転席の後ろが1番安全だからと言われていますが果たしてそうでしょうか事故にあえば後部座席のどこの席でも危険には変わりません。そして運転手付きの車に乗る人の運転手が危険な運転をすること事態考えられませんし運転手のお尻を前にして座っているのもおかしなことです。
上座は優しさから
以上のことから本当の上座はどこの席なのでしょうか。それはやはり乗り降り口から一番離れた後部座席の右側です。乗り降りに便利なのは誰が見ても聞いても後部左座席に間違いありません。しかし実際に車に乗る時にお客様より早く車に乗り込めるでしょうか。土砂降りの雨の中をお客様より早く車に入れるのでしょうか。
できる訳がありません。もしそれをやったら重要な商談も瞬時に消えることを覚悟するほど気遣いに欠けているのは日本人なら誰が見てもわかる簡単なことです。上座は単に便利なだけで決められているのではなく大切な人に対しての気遣い、マナーから上座を決めてそこに座る人を敬っているのが現実ではないでしょうか。
人間関係が重要です
上座というのはハッキリ言えば階級差別です。しかし人を敬う習慣は人間関係を円滑にする潤滑油ではないでしょうか。この習慣は日本人だけにあるわけではありません。明確に上座と言い現わさない国でも似たような文化はあります。人間関係は言葉と習慣を超越して全人類に共通している本当に大切なことです。
初回公開日:2018年03月14日
記載されている内容は2018年03月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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