飲酒後に運転できるまでの時間・アルコール別例3つ
更新日:2024年09月23日
交通ルールとは
交通ルールとは、道路を利用するすべての人が安全に通行できるように定められたルールのことです。現在、道路を通行する物の中で最も危険だとみなされているのが自動車であり、自動車を運転する人はそのことをきちんと理解しておかなければなりません。
自動車は運転している側としては便利ですが、他の通行者に危害を加えてしまう危険性も孕んでいます。そのため、特に慎重に交通ルールを守らなければなりません。
主な交通ルール
基本的な交通ルールは特に身の安全を確保するために必要なものであるので、遵守しましょう。「歩行者は道路の右側の歩道を歩く」「自動車は左車線を走行する」「信号が青の時に進む、赤の時に停止する」など、誰でも知っているようなルールですが、これを守ることが何よりも大切です。
中には「いちいち守るのは面倒だ」と感じる決まりもあることでしょうが、その1つ1つに理由があることを理解しましょう。
違反しやすい交通ルール
交通ルールの中で、違反しやすいものを以下に紹介します。違反しやすいというのは、「しても良い」ということではなく、検挙数が高いということです。きちんと取り締まられますので注意しましょう。
自動車のスピード違反、一時停止違反、シートベルト非装着が最も違反率の高いルールです。他にも、信号無視、スマホなどの電子機器を操作しながらの運転、駐車違反などが挙げられます。ちょっとした「面倒」が違反に繋がっています。
アルコールに関する交通ルール
アルコールが関与する交通事故、事件には重大なケースが多く、交通ルールでの取り締まりも強化されてきています。酒気帯び運転や飲酒運転によって引き起こされる事故では、被害者が死亡したり重症を負う事件が多く含まれています。
自動車は、運転する人にとっては目的地まで楽に到達できる便利な乗り物ですが、歩行者や自転車を運転する人にとっては凶器以外の何物でもありません。
飲酒運転とは
「飲酒運転」とは、アルコールの影響下にある状態で自動車を運転することです。アルコールは気持ちを大きくさせ、正常な判断を妨害する効果があるため、非常に危険な行為です。
「飲酒」という名前がついていますが、「飲みながら運転すること」に限定されているわけではありません。運転中に飲んでいなくても、体にアルコールが残っていれば「酒気帯び運転」および「飲酒運転」に当たります。
定義
飲酒運転に当たるかどうかは、体内のアルコール濃度、つまり呼気中のアルコール濃度に寄ります。飲酒運転にも段階があり、アルコール濃度によって違反点数や罰金額が変わることもあります。
呼気1リットルに含まれるアルコールの量が0.15mg以上のとき、飲酒運転に該当し、道路交通法違反となります。0.15mg以下のアルコールが検出された場合も酒気帯び運転にはなりますが違反にはなりません。
罰則
飲酒運転に該当した場合、免許に対する罰則点数と、罰金が科せられます。免許の違反点数は、それまでに犯した違反の数によっても上下しますが、かなり大きな点数をつけられてしまいます。
0.15mg以上0.25mgの場合、13点が加算され、一発で免許停止処分になります。0.25mg以上の場合は25点が加算され、免許が取り消しになる上、向こう2年間再び取得することもできなくなります。
免許取り消し
免許取り消し処分は免許停止処分とは異なります。免許停止処分は、1か月から3ヶ月自動車免許が停止されますが、その後は運転することができるようになります。
しかし、14点以上の違反点数をつけられてしまうと、免許自体を取り上げられてしまいます。もう一度自動車を運転するためには運転免許試験場で再度取り直す必要があります。ただし、飲酒運転で取り消しになった場合、2年間は試験を受けることができません。
うっかり飲酒運転を防ぐために
飲酒運転は呼気中のアルコール濃度で判断されますが、自分の体の中にどれだけのアルコールが残っているかなど、誰にも分りません。もう十分抜けたと判断し運転していても、実はまだアルコールの影響下にあることもあります。アルコールが抜けきらないうちは判断力も鈍っているので「大丈夫だ」と思い込んでしまう場合もあります。
このリスクを回避するために、自分の呼気中のアルコール濃度を数値化して知っておくと良いでしょう。
飲酒後に運転できるまでの時間
飲酒後どれほどの時間が経過すれば運転してよいかという絶対的な基準は、ありません。アルコールの分解速度は全員が同じという訳にもいかず、その日の体調や飲むお酒の種類に左右されることもあります。
ただし、大まかな目安はあります。自分がお酒に弱いと感じている人はアルコール分解が遅い人ですので、あまりぎりぎりを攻めるのはやめましょう。
アルコールが抜けるまでの時間
アルコールが抜けるまでの時間は人や飲酒量によってそれぞれですが、人によっては6時間以上たたないと飲酒運転の基準以下にならない人もいます。
早い人では2時間程度でも基準以下になります。ここで大切なのは、人それぞれなので他の人に安易に「大丈夫」と運転を進めてはならないということです。
計算方法
ビール中ジョッキ2杯(900mL)のアルコールを飲んだ後の血中アルコール濃度を参考にします。こちらは体重60kgの男性の数値であり、体の小さい人はこれよりも速度は遅くなる可能性があります。
分解が早い人では2時間後には血中濃度は0.129mg/Lとなり、基準以下となります。しかし、分解の遅い人では4時間後でも0.258mg/Lと、いまだに飲酒運転の基準を超えています。
アルコール別の例3つ
アルコールの種類によっても分解の速さは変わってきます。以下に、飲み会でよく飲まれるビール、日本酒、ワインの例を挙げます。
これらのお酒は、アルコール度数自体がさまざまです。しかし、なかには度数を感じさせない風味のものもあり、知らずに飲みすぎてしまうこともあるので注意しましょう。
例1:ビール
ビールは5~10%と比較的アルコール度数は少ないお酒ではありますが、量を飲むものですので、知らず知らずにアルコールが蓄積していってしまいます。
ビール中ジョッキは500㏄程ですので、5%のアルコール度数でも1杯で25gのアルコールを摂取することになります。食べ物との組み合わせなどでアルコールの吸収率は変わりますが、一杯飲むだけで十分基準をオーバーしてしまいます。
例2:日本酒
日本酒は、米を主食とする日本人の口に合うの高いお酒の1つでしょう。なかにはとても甘さを感じる飲みやすいものもあります。
しかし、そのアルコール度数は15~20度と、低いとは言えません。特に、甘口の日本酒の場合軽く飲めてしまうため、ついつい飲みすぎてしまうこともあるでしょう。日本酒の1合は180㏄ですので、これを一本空けるだけで30g以上のアルコールを摂取してしまいます。
例3:ワイン
ワインも風味がよく、おしゃれな見た目も相まっての高いお酒の1つでしょう。世界的にもたくさんのメーカーが作っていていろいろと試してみたくなってしまいます。
ワインのアルコール度数は6~20%と大変幅広いです。ワインは、食事と一緒に飲むことが多い飲み物でもあり、食べながら思ったよりもたくさん飲んでしまっていることがあります。ワイングラス1杯は約120㏄です。
飲酒後の対応策
飲み会などで飲酒をした後の帰宅時には、自分がお酒を飲んでいることをきちんと理解しておくことが必要です。飲酒運転は何も自動車に限ったことではなく、自転車でも適応されます。
酔っている状態での「大丈夫」は大丈夫ではありません。飲んだ後にどうするか、飲む前に決めておきましょう。
ハンドルキーパー
飲み会後の送迎係として、飲酒しない人を1人か2人決めておくことも方法の1つです。損をしているように感じられる方もいるでしょうが、人にはそれぞれ事情がありますので、「明日仕事が早い」「帰ってからやることがある」など、お酒を飲みたくない人もいます。
また、お酒に極端に弱く、飲酒ができない人もいるでしょう。そのような人たちに頼んで送迎係を請け負ってもらうのも良いでしょう。
公共機関
やはり全員でお酒を楽しみたいという人たちは、飲酒後は電車、バスなどの公共交通機関を用いると良いでしょう。これは事故にあう可能性も少ない方法でしょう。
ただし、飲酒によって開放的になり、交通機関を利用している他の客に迷惑になること(大声で騒ぐなど)は避けましょう。それを自制できる判断力が残されていない状態では、公共機関を使うことをあきらめた方が良いでしょう。
タクシー
飲酒後電車もバスもなくなってしまった時間帯になることもあるでしょう。そういった時はタクシーを使いましょう。
深夜は特に、タクシーは料金が高くなってしまいますが、何人かで乗り合わせることで安く乗ることができます。さらに、ドアtoドアで自分の家まで帰ることができるので安全で楽です。泥酔してしまった人を送り届けるのにもタクシーはとても便利ですが、タクシーに迷惑をかけないよう配慮しましょう。
徒歩
歩いて帰れる距離ならば、飲酒後酔いを醒ましながら徒歩で帰るのも良いでしょう。飲酒後のほろ酔い気分でなら、少し遠くても楽しい気持ちで帰ることができるでしょう。
ただし、夜遅くに1人で出歩くことに対するリスクもあります。加えて、酔っているためにこちらの判断力や行動が鈍くなっているので危険です。歩いて帰る際はなるべく大勢で行動するようにしましょう。みんなで楽しく話しながら帰るのが良いでしょう。
飲酒運転は絶対にやめよう
飲酒運転は死亡事故につながる可能性が非常に高い危険な運転です。法律に違反して免許を取り消しにされるということもそうですが、命を守るために絶対に飲酒運転は避けましょう。
自分だけが心がけるのではなく、友達や周囲の人が飲酒運転をしないように気を配りましょう。仲の良い人こそ、その人が死んでしまったり加害者になって不幸になることを防ぐために注意をするようにしましょう。
罰則について知ろう!
飲酒運転や酒気帯び運転の罰則は近年強化されてきています。それほど、飲酒運転による悲惨な被害が後を絶たず、社会問題になっています。
また、飲酒運転以外にも交通ルールにはさまざまな罰則があります。よく確認しないまま運転してしまうと、知らず知らずに犯している可能性もあります。確認不足で検挙され、高額な罰金を科せられてしまう前に、きちんとルールについて理解を深めておくことが大切です。
初回公開日:2017年10月21日
記載されている内容は2017年10月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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