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2018年05月22日

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

ホイールベースが長い場合、また短い場合のそれぞれのメリット・デメリットを今回テーマをあらゆる分野から絞って掘り下げていきます。ホイールベースの長い短いでわかる、快適性能・走行性能はじめそれぞれの利点・欠点を網羅してお伝えします。

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

ホイールベースの長さのメリット・デメリットとは

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

一輪車を除く乗り物は、前と後ろに車輪が装備されています。この前輪と後輪の距離、すなわち、これをホイールベースといい、クルマに詳しい人はカタログなどでよく比較検討されるケースが多いです。

4輪車の場合、この前輪と後輪のホイールベースの距離が長い・短いというだけだけで、その印象はまったく違うものになります。例えば、同じ顔を持つキャデラックが純正のデザインと、ホイールベースを長くしてリムジン仕様とした場合、私たちが受けるそのインスピレーションはガラリと印象が変わります。

ホイールベースは乗り物の大切な基本性能の一つ

ホイールベースは乗り物の大切な基本性能の一つです。「ホイールベースの定義って、実は何だったのだろう?」「知っているようで、実は詳しくは知らなかったこの部分を、やはり知りたい。」など、今後深く熟慮できるように、普段はあまり意識していないこの部分に入り込んで研究するきっかけとなる良い機会です。

ホイールベースは乗り心地や運転しやすいかどうかを左右します。ここではそのホイールベースが長いか、短いかのことで生じるメリット・デメリットを考察していきます。

内輪差はホイールベースの長さによって変わる?

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

内輪差の定義に、 

①4輪ないしそれ以上の車輪を持つ車両がカーブを曲がる際に、回転中心側=(内輪)の前輪と後輪が描く円弧の半径に生じる差のこと。
②または内輪差が生じる現象のことも指す。

と表記しています。4輪の車輪を持つ自動車は、一般に2つの前輪に舵角を与えてカーブを曲がります。この際、回転運動に伴って前輪が描く円弧に比べて、後輪が描く円弧は半径が短くなります。一般に内輪差として知られる現象は、回転中心側の車輪(内輪)に着目した場合、後内輪は前内輪よりカーブの内側を移動することになります。

最小回転半径とは?

クルマが旋回するときにどれだけ小さく回れるかを示す数値として『最小回転半径』というものが存在します。最小回転半径とは、右や左にハンドルをいっぱいに回したときにタイヤが描く、一番外側を通る円の半径のことを言います。

ホイールベースが長いと、このクルマの最小回転半径は大きく、逆にホイールベースが短いと半径は小さくなります。トレッド幅やハンドルの切れる角度・全長が同じクルマでも、このホイールベースによって、最小回転半径に差が生じます。結果、ホイールベースの長いクルマはこの半径が大きいために、小回りが苦手という結論になります。

種類別ホイールベースの見方と選び方

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

現代の世界の国々において、人や物資などの流通の移動は、乗り物なくしては世の中が成り立たないほど発達しています。しかし、ただ単に移動するだけの目的ではなく、走行中にいかに快適であるか、安全であるかという視点から考察していくことが重要です。

私たちが町の中で身近に見かけたり、接している乗り物をいくつかピックアップして、それぞれの乗り物のホイールベースについて検証していきます。

自転車

誰もが知っている自転車。この動力源は主に乗る人の人力で現代では後ろの車輪を駆動させて、その推進力をつかって走行する乗り物です。さて、今回のテーマはホイールベースの長さのメリット・デメリットです。
   
量産される自転車の場合は、サイズやブランド・機種を問わず大人用の多くは前輪、後輪の距離(長さ)が1メートル前後です。おおよそ、その数値からあまり大きく離れることはありません。

その対策はあるの?

自転車のホイールベースが長かったり短かったりすると、「その乗り味に影響があるの?」という問いに「ある」と回答する例が多かったのですが、実際はそのホイールベースの長短は、安定性・操縦性に直接の影響はありません。それではピッチング (縦揺れ) の抑制はというと、ホイールベースを長くしても意味はありません。

ただし、一部の競技用自転車には、ダンパーやサスペンションを取り付けたり強化したりしてライダーの体への負担を軽減しています。

CX5

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

マツダがこの世に誕生させたCX5は、知的で都会的なセンスを持ち合わせるSUVです。研ぎ澄まされたこのデザインは多くの人の魂を揺さぶっています。最近のモデルチェンジでヘッドライト部分がシャープになり精巧な顔つきとなっています。

このクルマのホイールベースは2700㎜ジャスト、つまり2.7メートルというロングホイールベースです。これだけの長さですので最小回転半径は5.5メートルと少し大きな値となります。ロングホイールベースにすると、直進安定性や乗り心地は優れますが、小回りが利かないという欠点があります。

このクルマにもそれが言えます。最少回転半径はロングホイールベースの中では標準的であり、
よほど狭い道路や山間部の険しい林道を走行しなければ十分に安全で快適な走行ができます。

ワゴンR

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

ワゴンRは今や軽自動車の不動の地位を築いた王者の風格を持つ国民車と言っても過言ではありません。今のモデルは6代目に当たります。この代にして大幅なイメージチェンジをしました。というよりも初代のデザインを踏襲、いわば原点に帰った訳です。

さて、この6代目のワゴンRのホイールベースは2460㎜です。軽自動車の全長は3.4m以下と定められているので、2.46mのホイールベースは本当に凄いことです。初代のワゴンRのホイールベースは2335㎜でしたので、125㎜現行モデルは長くなりました。

結果、乗り心地・直進安定性とも大きく飛躍し、6代目モデルは更なるハード面でのパワーアップで、快適さを手に入れました。

4tトラック

4tトラックとは「最大積載量が4tのトラック」として位置づけられています。4tトラックは中型のトラックですが、メーカや車種によってサイズが異なっており、ホイールベースを含む車両や荷台の寸法も全てが一緒ではありません。

国産4車種を比較してみよう

まず最初に、国産車の代表的な4車種を比較してみます。

三菱ふそう 【ファイターシリーズ】

三菱トラックは1930年の誕生から今年は88年を迎える日本屈指のメーカー。ふそうブランドは「信頼性ある品質、経済効率、頑丈で機能的な設計、確かなサービスで定評を得ています。

最小回転半径(m)7.27.54.8
ホイールベース(mm)4.6504.8702.910

いすゞ自動車 【フォワードシリーズ】

1970年にフォワードは誕生しました。このトラックは日本国内のみならず、南米ではシボレーブランド、北米においてはゼネラルモーターズ(GM)製シャシに搭載した車両が活躍しているグローバルなシリーズを展開しています。

最小回転半径(m)7.26.9
ホイールベース(mm)4.8604.660

日野自動車 【レンジャーシリーズ】

レンジャー(RANGER )は、1964年に初代が誕生した日野自動車が製造する中型クラスのトラックです。8トンクラスから20トンクラスの6x4低床車まで幅広いバリエーションを揃えています。

最小回転半径(m)9.07.87.46.9
ホイールベース(mm)6.2005.3204.6504.350

UDトラックス 【コンドルシリーズ】

1975年に生産開始となったコンドルは、UDトラックスが販売する中型と小型トラックです。2010年1月31日までは日産ディーゼル工業が販売していました。中型車は2017年登場の5代目からいすゞ・フォワードのOEM車になっています。

最小回転半径(m)7.5
ホイールベース(mm)4.830

この4車の小回り性能は?

各メーカー、各同一車種での最小回転半径は、ホイールベースの長さによって数値の変動が分かります。その値は4.3~9m(ここでは4.3mは割愛)と非常に揺れ幅が大きい訳ですが、結論を言うと、最少回転半径とホイールベースの関係は、グラフに示すと、右肩上がりの比例関係であると言えます。

軽自動車

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

ちなみに軽自動車で一番長いホイールベースを持つクルマは三菱自動車のi(アイ)でなんと2550㎜です。走行性能や快適性をアップさせるため、各車ともモデルチャンジをする度にあらゆる個所の寸法を見直しています。

しかし、それは軽自動車の寸法枠の規制があるために大きな変更はできず、数ミリ単位で調整・改善しているのが現状です。ここに各メーカーの並々ならぬ大きな努力を続けています。

ホイールベースの長短のメリット・デメリットとは?

■ホイールベースを長くした場合:メリット

・車室内にタイヤハウスの突起物をなくすことができるので、車内が有効かつ広く設計することができる。                                              
・直進安定性や乗り心地の面では、長いホイールベースの恩恵を受けることができる。

■ホイールベースを長くした場合:デメリット

・最小回転半径が大きくなるので、小回りが悪くなる。このデメリットを解消するために各社ともいろいろな研究をしてこの課題を克服しています。

一例として

■ステアリング性能の構造の見直し
・技術革新の成果により、ステアリングをきった時のタイヤの角度を大きく取れるようにした。

 ハイトワゴンと言われるN-BOXなどでは?

背の高いクルマをトールワゴンと称し、軽自動車のミニバンと言われる車種、全高は1700㎜以上のハイトワゴンを今回4車種選んでホイールベースの寸法比較の検討をします。

車種名メーカーホイールベース
N-BOXホンダ2.520mm
タントダイハツ2.490mm
スペイシアスズキ2.460mm
ウェイクダイハツ2.455mm

N-BOXとウェイク 数値に開きは大丈夫?

こうして比較してみると、ホイールベースが一番長いのはN-BOX、一番短いのは ウェイク、その差は65㎜です。実は軽自動車の寸法は各車の差は数ミリ単位での違いにしかなりません。だからこの2車の数値の開きは大きいのですが、影響の違いはあるのでしょうか。結論を言えば、極端に走行性能に大きな違いはありません。安心して両車とも乗れます。

ハイトワゴンのネックとは?

どうしてもネックになってしまうのが、背の高さです。横風や突風などではやはり車体の揺れが大きいことは歪めません。

これはこの2車の軽自動車に限らず、背の高い他の車種でも同じです。 ホイールベースが短いと、前後のオーバーハングは当然長くなりますので、走行中のボディの安定性はロングホイールベースの長いクルマと直進安定性・乗り心地やまた揺れからくる精神的な不安は避けられないでしょう。

しかし、各メーカーはそれぞれの研究を重ね、全高の高いハイトワゴンの快適性を追求しています。

・ハンドルの切れ角の見直しや調整
・サスペンションの改良   
・駆動方式・前後の加重配分

などがその一例です。

ハイトワゴンの理想的な選択とは?

このハイトワゴンの購入に当たり、安全な走行安定性を第一に求めるならば、駆動方式を検討するのも一考の余地があります。最近はFRが徐々に減ってきて、FF方式の駆動のクルマが主流ですが、リアルタイム式の4WD(またはAWDとも呼ぶ)をチョイスするのも良いアイデアです。

その時の気象や路面状況に応じて4つのタイヤを駆動しますので、更なる安定した走行になります。4WDは大雨・強風・泥濘・凍結・大雪などの天変地異の悪天候で最も活躍します。

ホイールベースの左右差がもたらす影響

まずは最小回転半径とはどういうものか、ここでおさらいしておきましょう。

最小回転半径 : ハンドルをいっぱいに切って旋回したときに外側前輪の接地面の中心が描く 円状の軌道の半径のことで、ホイールベースと 外側前輪の最大切れ角を指します。

左右のホイールベースが違うとどうなるの?

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

さてここでは、クルマの左右のホイールベースが違う場合、ハンドルが取られるものなのか、検証していきましょう。

結論 :  直線を走る分には問題ありません。

しかし、 コーナリング時には負担が生じます。 左の方が右の方よりホイールベースが短い場合は、左カーブは素直に曲がりますが、右カーブは相当な負担になります。逆に右の方が左の方より短い場合は逆の現象が表れます。

ただし、技術革新が進み、 最近の車はトルクコントロールユニットのように、ハンドルの切れ角でトルク配分を電子制御されるので走行に問題はありません。

ホイールベースの長さの測り方は?

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

ホイールベースの測り方は、車の種類に応じて異なります。クルマは左右にタイヤを装着しているため、車を真横から見た場合のタイヤ1輪のことを1軸と称しますが、この軸の数によってホイールベースの測り方は異なります。

乗用車のホイールベース

クルマを真横から見た場合、前後1軸の乗用車や大型車のホイールベースの測り方は、前後のタイヤの中心の距離を測ります。クルマのカタログの「諸元表」に記載されているホイールベースはこの計算方法を使用して表記しています。

前1軸後ろ2軸のホイールベース

大型のトラックや観光バスなどで、前は1軸で後ろは2軸の車があります。大きな積載量に耐えられるよう、後ろ2軸がそれぞれ片側2本ずつのタイヤを使用し、車全体で10本のタイヤを使用しているトラックなどの場合、ホイールベースは前1軸の中心から車体後方の3軸目の中心を図ります。

なお、トラックは道路や橋梁への集中的な負荷を考えてホイールベースと積載量に決まりがあります。これを最遠軸距 (さいえんじっきょ) と言います。最遠軸距とは、自動車の最前部の車軸中心から、最後部の車軸中心までの水平距離を指します。

ホイールベースの知識は今後おおいに役立つ!

ここまで述べてきたホイールベースですが、今まで知っているようで、でも深く探究するような題材でもなかったのが事実です。この記事をきっかけに、これからクルマ選びをする時に、この記事が役にたつと光栄です。最後にホイールベースに関連する2つの重要な用語を紹介します。

そしてここからもクルマの快適性や走行性能に関わる大きなヒントもありますので、ぜひご一読ください。

トレッド   [基本性能]

トレッドとは、左右タイヤ接地面の中心間の距離の事を言います。ホイールベースと共に車の運動性能やパッケージング(配置設計)に大きな影響のある部分です。

長所:一般的に広いほうがコーナリング性能に優れます。
短所:ボディの全幅が大きくなりすぎたり、小回りが利かないなどのデメリットもあります。
対策:一長一短を補うためにバランスの良い設計が求められます。

オーバーハング   [基本性能]

ホイールベースの外側、つまり車輪軸から車両端部までの距離をオーバーハングと称します。 

・フロントオーバーハング : 前輪軸から前端部までの距離
・リアオーバーハング :後輪軸から後端部までの距離

この2つの寸法は自動車の操縦安定性やハンドリングをも左右する要素となります。このほかに、

・左右輪の中心から外側のサイドオーバーハング 
・トレッド幅

も関係します。

市販されている乗用車の場合は?

乗用車においては、最近は、ホイールベースをなるべく大きく設定することで操縦安定性と居住性を確保する設計が主流となっています。

市販車の場合、
・商品性にかかわるエクステリアのスタイルに大きく影響を与える。
・重心から離れたこの部分の重量は、運動性(ピッチ方向とヨー方向の動き)
 
にもかかわる重要な要件になります。

オーバーハングの長短それぞれの特徴とは?

■オーバーハングが長い場合の特徴
・高級感や安楽感などのイメージがある。
・ラゲッジスペースの広さを確保できるなどの実用的要素が強くなる。 
・デメリットとしては、狭い場所での取り回しに苦慮する。

■オーバーハングが短い場合の特徴 
・踏ん張りがきき、機敏な印象が強まる 
・小回りが利く
・コーナリングが安定する 
・デメリットとしては、トランクルームのスペースが狭められる。

一長一短があるホイールベースだがどちらを選ぶ?

上記の特徴から、オーバーハングの長い、短いはそれぞれやはり一長一短があります。極端な表現をするとデザイン性をとるのか、実用性をとるのかという二者択一的な要素も併せ持っています。

ではオーバーハングが短いとデザイン性は悪いのかと疑問視されますが、決してそうではありません。四隅ギリギリにタイヤを配置しての佇まいは、動く箱のようであり、これもまたしっかりした存在感あるデザインです。

我が国は、軽自動車や小型車はじめ多くの寸法の規制があります。その寸法枠の中で乗員がどれだけその空間内が快適であるか、どれだけ多くの荷物を積めることができるか、そして何よりも不恰好でない優れたデザイン性を持ち合わせることができるのかということを、ハード面・ソフト面で切磋琢磨しながら技術を磨いています。

そうした数ミリ単位で今日改良を重ね、その影の努力の私たちは快適なカーライフを送ることができています。

快適性を左右するホイールベースの今後とは?

ホイールベースが長い・短い場合のメリットデメリット・内輪差

乗り物の起源は、車輪を使った乗り物ではその起源は古代メソポタミアで紀元前5千年紀に遡ると言われています。2000年前には鉄道が、1769年には蒸気自動車が、1800年代に入ると、ガソリン自動車・列車そして人力による自転車が登場しました。

車輪というものを発明したとき以来、その改良や、その車輪を取り囲むフレーム・素材・車輪同士の間隔など、いろいろな課題を克服して現代に至っています。先代たちのたゆまぬその努力は私たちに受け継がれています。

そしてそれが未来へとバトンタッチされるとき、私たちはどんな乗り物を利用しているのでしょうか。 そんな大きな夢を馳せて今回、ホイールベースの長い、短い場合のメリット・デメリットの紹介をしました。未来はもっともっと進化していくことでしょう。

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